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第1章 王国と最強魔導士
プロローグ
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この世界は科学が存在する。君たちが目にしている物たち、テレビやパソコン、スマホ、車、電車、飛行機、船などがもちろんある。
ただ、君たちの世界とは違う事がふたつある。それは魔法がある事とエルフ、獣人、竜人、天使等の様々な種族が暮らしている事だ。
科学と同じ、便利であると同時に危険な力。時には兵器になり、時には暮らしを豊かにする。
そんな世界にある王国、サインサルト王国。首都であるロックタウンは、東京にそっくりな街並み。新幹線、電車、車が地上を走り回り、上空を飛行機が飛んでいる。
魔法が存在しても、それを使える人は少なく大半が使えないのだ。だからこそ、この世界でも科学が発達している。
かつて、2人の男が世界の命運を懸けて戦った場所がある。その場所は聖地となり誰も近寄る事はない。
そこに白髪で白いキツネ耳と尻尾が生えた俺と金髪でサイドテール娘のリリカがいた。リリカにもキツネ尻尾が生えているのだが、服で見えてはいない。
俺はここで奴と戦い勝利した。その戦いのせいか、俺は17歳の体になった。
理由は分からないが何故か体だけが時を遡る事に......心は変わらず当時のままで大人だ。
感じるな。奴の魔力。やはり、復活しているようだな。
俺はその場を歩いて去る。リリカも俺の後を追うように歩く。
俺たちは街から少し外れた所にある青蘭学園と呼ばれる高校へとやって来た。
見た目は大学のような広さと、大きさを誇る校舎がある。中等部と高等部の2つある。武装科、普通科、魔法科の3つに分かれており、共通する科目とそれぞれ違う科目がある。ほんと大学かとツッコミたくなる学校だな。
俺は高等部だが、リリカに関しては中等部の人間だ。
まさか、人生でもう1度学園生活を送ることになるとはな.......そう思いながら中庭の長椅子に座って耽っていた。
空を眺めていると、1人の女子生徒が俺の真上から降ってきている。無論、俺の瞳にはその女子生徒のパンツが見えている。
薄い桃色のパンツがしっかりと目に焼き付かれる。
よく見ると女子生徒の手には刀がある。刃先をしたに向けており、完全に俺を狙っている。
間一髪の所で俺は前に跳んで避ける。前転して体勢を立て直す。
彼女は長椅子を壊して地面に刺さる刀を抜く。俺は彼女の方へ向くと、彼女は刀を俺に向ける。
燃えるような緋色の髪が風でなびき、その緋色の瞳が俺を睨む。
「見つけた! 伊南川弘樹!」
やれやれ......誰かは分からないが本名を言われると気が引ける。今の俺は白上伊月なんだが......ここの学園長に言われ、混乱を招かないために偽名を使うようにと。
だからと言って、彼女は何故俺が北白伊月だと分かったのか?
まぁ、隠す必要はないし隠すつもりは最初からない。
「よく分かったな。俺が雪白冬樹だと」
「当たり前でしょ! あんたを倒してあたしが世界の王になるんだから! だからこのあたしと決闘よ!」
世界の王。全てを統べる力を持ち、世界のバランスを保つ者の事をそう呼ぶ。
俺は世界の王になったが、俺が死んだら誰かに受け継がれるのだが、彼女はその座を狙っている。
「別に構わないが負けても知らねぇぞ?」
「ふん。負け惜しみを言ってろ! 日時と場所はまた運営から連絡あるはずよ。逃げたりしたら承知しないからね!」
右手に持っている刀を鞘にしまう彼女はそう言い残して跳んで去る。
たく、誰なんだよ......よく分からない奴だな。
そして、運営から決闘の日時と場所の連絡が来た。
この学園でおける公式ルールの下で行われる戦いが決闘と呼ばれる。無論、命を奪い合う事は禁止されている。
決闘で何かを決める事はざらにある。その決闘を管理しているのが決闘運営委員会。
その日の夜。校舎の東側にある屋上。
俺とリリカがそこで彼女を待っていた。
「リリカは手を出すなよ」
「はーい」
リリカは少し離れた所で見るようだ。
そして彼女が遅れて跳んで現れる。その登場しかできねぇのかよ。君は。
「逃げずに来たわね。さぁ始めましょ」
着地した彼女はドヤ顔をしている。
「これより決闘を開始します。福本華林vs伊南川弘樹。バトルスタート!」
どこからかの声が聞こえ、スタートのかけ声と同時に華林が俺に向かって飛び出す。刀を鞘から抜いて俺に振るう。
俺は後ろへ軽く跳んでかわす。上手く着地して右手から炎を出す。
そんなもん効くかと言わんばかりに華林は炎を斬り裂いて消す。
油断は禁物だぜ。華林ちゃんよ。
華林の足下から電撃が襲う。
「うわぁぁぁぁぁ!!!」
電撃が消えて、華林は右膝を地につけて刀を地に突き刺し支え台にする。
「くっ......まさか2つ属性を使えるとは......」
「俺は全ての属性を使えるんだぜ」
本来、魔法属性は1人につき1つ属性しか使えない。例えば、炎魔法が使える者は水魔法が使えないという事。
しかし、訓練したり努力次第では複数の属性を扱える事はある。
まぁー俺の場合は特殊過ぎる理由で全ての属性が使えるのだがな。だからこそ、最強の魔導士と呼ばれている。
「だから何?」
華林は立ち上がる。ふらふらだがなんとか立てている。
余裕のある顔をしているが、お前もぅ駄目だろ......リタイアしたらどうだ?
「そんなんであたしが諦めると思う? あたしを嘗めるな!!!」
華林は再び飛び出し俺に向かう。俺は立ち止まったまま動かずにいた。
華林が俺の前に近づき、右手の刀を振るう。その瞬間、リリカが俺と華林の間にわき入って刀を左手で握って止める。
俺は右手で頭を掻きながら、ため息を吐いた。
「リリカさぁ、手を出すなって言ったよな」
「だってパパ、やる気だったじゃん」
リリカにはお見通しのようだ。このままやれば危うく俺は華林をやっちまうところ。死にはしないだろうが華林の心をズダスダにしてしまうだろう。リリカはそれが分かっていた。
華林は必死にリリカの左手を振りほどこうとするが刀は1㎜も動かない。
「ちょっと! 離しなさいよ!」
「嫌だ」
「はぁー!?」
「嫌だと言ったの! このままじゃ、かっちゃん死ぬよ?」
「ふざけないで! あたしが死ぬですって!」
華林が叫んだ瞬間に炎が華林の周りに吹き出して、俺とリリカを吹き飛ばす。
2人は上手く着地して戦闘体勢になる。華林は完全に怒っている。
こりゃー参ったな。なんとか華林を屈服しなくては......。
「試合終了します。乱入者が現れたため、伊南川弘樹の負けと見なします」
どこからか聞こえる女性の声に、この場にいる3人が驚く。
どうやら、俺が負けと見なされ決闘は終わったようだな。
今回の決闘は俺と華林だけによるもの。運営に申請したのも俺と華林だけ。リリカはいわゆる部外者だ。部外者が戦闘に加わる事は禁止されており、その部外者がどっちかに加担した場合、加担された人が敗北と見なされる。
これが決闘の公式ルールの1つ。そのため、今回は俺にリリカが加担したとなったのだ。
「ちっ......仕方ないわ。こればかりはルールだからこのぐらいにしといてやる。次はこうもいかないから!」
華林は跳んで去る。ってまたその去り方かよ!
「パパ、なんかごめん」
そう言いながらリリカは笑顔で俺の方を向く。こいつ......謝る気がないな。怒りが出そうになるが抑えよう抑えよう。
まっ、可愛いから許すしかないな。
そんなこんなんで俺の学園生活が始まるのであった。一体、これから先どんなことが起こるかは誰も分からない。
分からないこそ楽しみである。わくわくしてきて心臓の鼓動が聞こえる。
よし! 新たな人生に乾杯だ!!!
この世界は科学が存在する。君たちが目にしている物たち、テレビやパソコン、スマホ、車、電車、飛行機、船などがもちろんある。
ただ、君たちの世界とは違う事がふたつある。それは魔法がある事とエルフ、獣人、竜人、天使等の様々な種族が暮らしている事だ。
科学と同じ、便利であると同時に危険な力。時には兵器になり、時には暮らしを豊かにする。
そんな世界にある王国、サインサルト王国。首都であるロックタウンは、東京にそっくりな街並み。新幹線、電車、車が地上を走り回り、上空を飛行機が飛んでいる。
魔法が存在しても、それを使える人は少なく大半が使えないのだ。だからこそ、この世界でも科学が発達している。
かつて、2人の男が世界の命運を懸けて戦った場所がある。その場所は聖地となり誰も近寄る事はない。
そこに白髪で白いキツネ耳と尻尾が生えた俺と金髪でサイドテール娘のリリカがいた。リリカにもキツネ尻尾が生えているのだが、服で見えてはいない。
俺はここで奴と戦い勝利した。その戦いのせいか、俺は17歳の体になった。
理由は分からないが何故か体だけが時を遡る事に......心は変わらず当時のままで大人だ。
感じるな。奴の魔力。やはり、復活しているようだな。
俺はその場を歩いて去る。リリカも俺の後を追うように歩く。
俺たちは街から少し外れた所にある青蘭学園と呼ばれる高校へとやって来た。
見た目は大学のような広さと、大きさを誇る校舎がある。中等部と高等部の2つある。武装科、普通科、魔法科の3つに分かれており、共通する科目とそれぞれ違う科目がある。ほんと大学かとツッコミたくなる学校だな。
俺は高等部だが、リリカに関しては中等部の人間だ。
まさか、人生でもう1度学園生活を送ることになるとはな.......そう思いながら中庭の長椅子に座って耽っていた。
空を眺めていると、1人の女子生徒が俺の真上から降ってきている。無論、俺の瞳にはその女子生徒のパンツが見えている。
薄い桃色のパンツがしっかりと目に焼き付かれる。
よく見ると女子生徒の手には刀がある。刃先をしたに向けており、完全に俺を狙っている。
間一髪の所で俺は前に跳んで避ける。前転して体勢を立て直す。
彼女は長椅子を壊して地面に刺さる刀を抜く。俺は彼女の方へ向くと、彼女は刀を俺に向ける。
燃えるような緋色の髪が風でなびき、その緋色の瞳が俺を睨む。
「見つけた! 伊南川弘樹!」
やれやれ......誰かは分からないが本名を言われると気が引ける。今の俺は白上伊月なんだが......ここの学園長に言われ、混乱を招かないために偽名を使うようにと。
だからと言って、彼女は何故俺が北白伊月だと分かったのか?
まぁ、隠す必要はないし隠すつもりは最初からない。
「よく分かったな。俺が雪白冬樹だと」
「当たり前でしょ! あんたを倒してあたしが世界の王になるんだから! だからこのあたしと決闘よ!」
世界の王。全てを統べる力を持ち、世界のバランスを保つ者の事をそう呼ぶ。
俺は世界の王になったが、俺が死んだら誰かに受け継がれるのだが、彼女はその座を狙っている。
「別に構わないが負けても知らねぇぞ?」
「ふん。負け惜しみを言ってろ! 日時と場所はまた運営から連絡あるはずよ。逃げたりしたら承知しないからね!」
右手に持っている刀を鞘にしまう彼女はそう言い残して跳んで去る。
たく、誰なんだよ......よく分からない奴だな。
そして、運営から決闘の日時と場所の連絡が来た。
この学園でおける公式ルールの下で行われる戦いが決闘と呼ばれる。無論、命を奪い合う事は禁止されている。
決闘で何かを決める事はざらにある。その決闘を管理しているのが決闘運営委員会。
その日の夜。校舎の東側にある屋上。
俺とリリカがそこで彼女を待っていた。
「リリカは手を出すなよ」
「はーい」
リリカは少し離れた所で見るようだ。
そして彼女が遅れて跳んで現れる。その登場しかできねぇのかよ。君は。
「逃げずに来たわね。さぁ始めましょ」
着地した彼女はドヤ顔をしている。
「これより決闘を開始します。福本華林vs伊南川弘樹。バトルスタート!」
どこからかの声が聞こえ、スタートのかけ声と同時に華林が俺に向かって飛び出す。刀を鞘から抜いて俺に振るう。
俺は後ろへ軽く跳んでかわす。上手く着地して右手から炎を出す。
そんなもん効くかと言わんばかりに華林は炎を斬り裂いて消す。
油断は禁物だぜ。華林ちゃんよ。
華林の足下から電撃が襲う。
「うわぁぁぁぁぁ!!!」
電撃が消えて、華林は右膝を地につけて刀を地に突き刺し支え台にする。
「くっ......まさか2つ属性を使えるとは......」
「俺は全ての属性を使えるんだぜ」
本来、魔法属性は1人につき1つ属性しか使えない。例えば、炎魔法が使える者は水魔法が使えないという事。
しかし、訓練したり努力次第では複数の属性を扱える事はある。
まぁー俺の場合は特殊過ぎる理由で全ての属性が使えるのだがな。だからこそ、最強の魔導士と呼ばれている。
「だから何?」
華林は立ち上がる。ふらふらだがなんとか立てている。
余裕のある顔をしているが、お前もぅ駄目だろ......リタイアしたらどうだ?
「そんなんであたしが諦めると思う? あたしを嘗めるな!!!」
華林は再び飛び出し俺に向かう。俺は立ち止まったまま動かずにいた。
華林が俺の前に近づき、右手の刀を振るう。その瞬間、リリカが俺と華林の間にわき入って刀を左手で握って止める。
俺は右手で頭を掻きながら、ため息を吐いた。
「リリカさぁ、手を出すなって言ったよな」
「だってパパ、やる気だったじゃん」
リリカにはお見通しのようだ。このままやれば危うく俺は華林をやっちまうところ。死にはしないだろうが華林の心をズダスダにしてしまうだろう。リリカはそれが分かっていた。
華林は必死にリリカの左手を振りほどこうとするが刀は1㎜も動かない。
「ちょっと! 離しなさいよ!」
「嫌だ」
「はぁー!?」
「嫌だと言ったの! このままじゃ、かっちゃん死ぬよ?」
「ふざけないで! あたしが死ぬですって!」
華林が叫んだ瞬間に炎が華林の周りに吹き出して、俺とリリカを吹き飛ばす。
2人は上手く着地して戦闘体勢になる。華林は完全に怒っている。
こりゃー参ったな。なんとか華林を屈服しなくては......。
「試合終了します。乱入者が現れたため、伊南川弘樹の負けと見なします」
どこからか聞こえる女性の声に、この場にいる3人が驚く。
どうやら、俺が負けと見なされ決闘は終わったようだな。
今回の決闘は俺と華林だけによるもの。運営に申請したのも俺と華林だけ。リリカはいわゆる部外者だ。部外者が戦闘に加わる事は禁止されており、その部外者がどっちかに加担した場合、加担された人が敗北と見なされる。
これが決闘の公式ルールの1つ。そのため、今回は俺にリリカが加担したとなったのだ。
「ちっ......仕方ないわ。こればかりはルールだからこのぐらいにしといてやる。次はこうもいかないから!」
華林は跳んで去る。ってまたその去り方かよ!
「パパ、なんかごめん」
そう言いながらリリカは笑顔で俺の方を向く。こいつ......謝る気がないな。怒りが出そうになるが抑えよう抑えよう。
まっ、可愛いから許すしかないな。
そんなこんなんで俺の学園生活が始まるのであった。一体、これから先どんなことが起こるかは誰も分からない。
分からないこそ楽しみである。わくわくしてきて心臓の鼓動が聞こえる。
よし! 新たな人生に乾杯だ!!!
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