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ごはんまだかな
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おうちのドアが開かなくなった。
お父さんもお母さんも、お兄ちゃんもお姉ちゃん達もいない。
おうちのなかには入っちゃダメって、お母さんが何度も言ってたから入らないよ。
僕はいい子だからね。
お母さん、お腹が空いたよ。
灰色の知らないヤツが、最近ずっとおうちの周りを回ってるんだ。
何度も「あっちいけ」って言うんだけど、ヤツも「あっちいけ」って言うんだ。
ケンカも何度もしたけど、勝てない。
お母さんがときどき助けてくれたけど、今はいないから、ヤツが来たら逃げないと。
いやだけど、僕はおうちから離れないといけないんだ。
体中が痛くて、逃げるのが大変だ。
お母さんとお姉ちゃん達が帰ってきたら、ごはんだ。
黒のおじちゃんと、ブチのおばちゃんは死んじゃったから、ちょっと寂しい。
黒のおじちゃんは毛づくろいしてくれるし、怖いのが来たら「あっちいけ」って追い払った。
ブチのおばちゃんはあまり動かなくて、近寄ると怒る。
でも、ごはんは一緒に食べた。
ときどき僕のごはんより、おいしいの分けてくれた。
お母さんにごはんもらう前に、茶色いお兄ちゃんと一緒だったけど、お兄ちゃんいなくなった。
僕はいい子だから、ごはんちゃんと待つよ。
でも、お腹が空いたよ。
怖くて泣いてたら、お母さんがごはんくれた。
お姉ちゃん達も「いいこね」って、いっぱいなでてくれた。
お父さんも見回りに行く前は「おはよう」って言ってくれた。
帰って来た時も「ただいま」って言って、時々なでてくれた。
お兄ちゃんは時々こっそり、いつもより美味しいごはんくれた。
上のおうちの、おばさんとおじさんがごはんくれる。
でも、あのおうちの茶色いのに追いかけられて怖いから、好きじゃない。
ときどき、白黒のすごく大きいのが出てくるから怖い。
お父さんもお母さんも、お兄ちゃんもお姉ちゃん達も「くるま」でいなくなる。
いつも大きな音でいっぱいいろんなの持って、「くるま」に入れるんだ。
でも知ってるんだ。
夜になったら「くるま」で帰ってくるんだ。
でも、夜になっても「くるま」がこない。
お腹空いたな。
まだこないのかな。
もういっぱい夜になったのに、「くるま」も、お父さんもお母さんも、お兄ちゃんもお姉ちゃん達もこない。
おうちもずっと暗い。
お母さんは暗いのが嫌いなの、僕知ってるよ。
だから、昼間も待ってるんだ。
でも、ヤツがきたら怖いから、キョロキョロしていっぱい気を付けてるんだ。
嫌いなおうちのおばちゃんがごはんくれる時に、ヤツがきたんだ。
おばちゃんがヤツにもごはんくれた。
その時は、ヤツは痛くしてこなかったからよかった。
でもそれからは、おばちゃんのところで食べる時も、怖くてキョロキョロするんだ。
体中痛いけど、右足が一番痛い。
ヤツが、ぎゅって噛んだんだ。
ときどき来る大きいのは噛まないけど、怖いから「あっちいけ」って言うよ。
知らんぷりされるのが悔しいけど、大きいから怖い。
お腹空いたよ。
ジャンプした所の、おうちのおじさんは怖い。
いつも僕やヤツが来たら、大きな声と怖い顔で追いかけてくる。
でも、おうちのドアに近いからジャンプして通るよ。
「くるま」がきたら、高い所からすぐわかるんだ。
ごはんまだかな。
お腹空いたよ。
おうちに誰もいない。
僕はちゃんと外でまってる。いい子だからね。
ドアの前で待っていたいけど、ヤツが怖いから隠れて待ってるんだ。
早くこないかな。
お腹空いたな。
僕の名前早くよんでよ。
それで、ごはんだよーって。
僕はいい子だから、待ってるから。
お腹空いたよ。
お父さんもお母さんも、お兄ちゃんもお姉ちゃん達もいない。
おうちのなかには入っちゃダメって、お母さんが何度も言ってたから入らないよ。
僕はいい子だからね。
お母さん、お腹が空いたよ。
灰色の知らないヤツが、最近ずっとおうちの周りを回ってるんだ。
何度も「あっちいけ」って言うんだけど、ヤツも「あっちいけ」って言うんだ。
ケンカも何度もしたけど、勝てない。
お母さんがときどき助けてくれたけど、今はいないから、ヤツが来たら逃げないと。
いやだけど、僕はおうちから離れないといけないんだ。
体中が痛くて、逃げるのが大変だ。
お母さんとお姉ちゃん達が帰ってきたら、ごはんだ。
黒のおじちゃんと、ブチのおばちゃんは死んじゃったから、ちょっと寂しい。
黒のおじちゃんは毛づくろいしてくれるし、怖いのが来たら「あっちいけ」って追い払った。
ブチのおばちゃんはあまり動かなくて、近寄ると怒る。
でも、ごはんは一緒に食べた。
ときどき僕のごはんより、おいしいの分けてくれた。
お母さんにごはんもらう前に、茶色いお兄ちゃんと一緒だったけど、お兄ちゃんいなくなった。
僕はいい子だから、ごはんちゃんと待つよ。
でも、お腹が空いたよ。
怖くて泣いてたら、お母さんがごはんくれた。
お姉ちゃん達も「いいこね」って、いっぱいなでてくれた。
お父さんも見回りに行く前は「おはよう」って言ってくれた。
帰って来た時も「ただいま」って言って、時々なでてくれた。
お兄ちゃんは時々こっそり、いつもより美味しいごはんくれた。
上のおうちの、おばさんとおじさんがごはんくれる。
でも、あのおうちの茶色いのに追いかけられて怖いから、好きじゃない。
ときどき、白黒のすごく大きいのが出てくるから怖い。
お父さんもお母さんも、お兄ちゃんもお姉ちゃん達も「くるま」でいなくなる。
いつも大きな音でいっぱいいろんなの持って、「くるま」に入れるんだ。
でも知ってるんだ。
夜になったら「くるま」で帰ってくるんだ。
でも、夜になっても「くるま」がこない。
お腹空いたな。
まだこないのかな。
もういっぱい夜になったのに、「くるま」も、お父さんもお母さんも、お兄ちゃんもお姉ちゃん達もこない。
おうちもずっと暗い。
お母さんは暗いのが嫌いなの、僕知ってるよ。
だから、昼間も待ってるんだ。
でも、ヤツがきたら怖いから、キョロキョロしていっぱい気を付けてるんだ。
嫌いなおうちのおばちゃんがごはんくれる時に、ヤツがきたんだ。
おばちゃんがヤツにもごはんくれた。
その時は、ヤツは痛くしてこなかったからよかった。
でもそれからは、おばちゃんのところで食べる時も、怖くてキョロキョロするんだ。
体中痛いけど、右足が一番痛い。
ヤツが、ぎゅって噛んだんだ。
ときどき来る大きいのは噛まないけど、怖いから「あっちいけ」って言うよ。
知らんぷりされるのが悔しいけど、大きいから怖い。
お腹空いたよ。
ジャンプした所の、おうちのおじさんは怖い。
いつも僕やヤツが来たら、大きな声と怖い顔で追いかけてくる。
でも、おうちのドアに近いからジャンプして通るよ。
「くるま」がきたら、高い所からすぐわかるんだ。
ごはんまだかな。
お腹空いたよ。
おうちに誰もいない。
僕はちゃんと外でまってる。いい子だからね。
ドアの前で待っていたいけど、ヤツが怖いから隠れて待ってるんだ。
早くこないかな。
お腹空いたな。
僕の名前早くよんでよ。
それで、ごはんだよーって。
僕はいい子だから、待ってるから。
お腹空いたよ。
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