おちゆく先に

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12話

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 「実は俺が使った魔法は厳密にいえば魔法じゃなくてね。ただ単に大気中の魔素を体内に取り込んでから、自分の魔力と合わせて使う技術なんだよね。だからたぶん俺以外はできないかな。一応身体強化魔法って呼んでるけど」
 ジグレイドは申し訳なさそうにしていたが、サルシャは目を輝かせて、
 「すごいすごい!ジグ君だけの魔法なの?いいなー、ボクも自分だけの魔法ほしいなー。まだ師匠から教わった魔法しかできないからなー」とか言ってきた。
 「でも大気中の魔素かー・・・師匠が一時期魔素のこと研究してたらしいけど結局、活用法見つけれなかったって言ってたんだけどな どうして取り込めるの?」

 サルシャの師匠は流れの一流魔法使いであるが、この時点ではまだジグレイドはそんなことは知らない。

 「なんか特異体質みたいで、まだオルトレイム家が貴族位剥奪される前に魔法の判定のために有名な魔法使いに診てもらったことがあってね。その時にそう言われたよ」

 貴族は子供の魔法使いとしての才能を知るために5歳になると魔法使いに診てもらい、才能が有れば早めから訓練を受けさせるのである。ジグレイドは魔力はあるが、魔法使いとしての才能はない。

 「特異体質か・・・身体に害はないの?」心配そうに尋ねてくる。
 「小さいときに何年間か定期的に調べてもらったけど害は見受けられないって、それでも取り込みすぎたら自分が持っている魔力が変質してしまう可能性があるから気を付けるよう言われてたね。といっても魔素をちゃんと取り込めるようになったのここ数年なんだけどさ」
 「だ、大丈夫なの?」
 「大丈夫だよ。普段の戦闘では大気中の魔素も少量しか取り込んでないし、多量に取り込むと反動で動けなくなるくらいだしね。それに少量だけでも身体能力とかが2倍近くになるしね」
 まだ心配そうにしているので、話題を変えるためにサルシャの魔法について聞き始めた。
 「それにしてもサルシャの魔法凄かったね。あっさりとファングブルの首を貫通していたし」
 「そ、そんなことないよ」えへへ、と照れながら笑う。
 「サルシャはいくつ属性あるの?」
 「風と水の2つだよ」
 と胸を張ってドヤ顔をしてくるが、サルシャは慎ましい胸のため胸を張ってもあまり意味がないのである。
 「ちょ、ちょっとどこ見てるのよ!ボクだってそれなりにあるんだからね!」
 真っ赤になりながら慌てて胸の前を両手で隠して俺を睨んでくる。さっきのドヤ顔も可愛かったが、照れている顔も可愛い・・・とりあえず誤魔化さないと!サルシャがかかわるとジグレイドはほんとに変態になるのである。
 「大丈夫さ、俺は胸より太ももフェチだからね!」
 「・・・」
 誤魔化し方がとても残念なジグレイドである。しかもなにも誤魔化せていない。
 「・・・属性2つか!す、すごいね!俺なんか属性は0だからね 普通の魔法使いも1つの人が多いのに、さすがサルシャだよ」あまりのジト目に耐え切れずに慌てて褒める。
 「もう!とりあえず誤魔化されてあげます」機嫌が直ったようなので、
 「なら休憩はこのくらいにして狩りの続きに行こうか」片付けをして次の獲物を探しに2人は歩き出した。
 
 魔法は基本に火、水、土、風があり、特殊に防御、回復、付加、鑑定がある。
 魔法使いはおよそ100人に1人しかおらず希少で、その中で複数の属性をもっている人はおよそ30人に1人である。
 魔法は誰にでも開発できるため似たような魔法でも造った人によって詠唱と魔法名が違うことがある。
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