おちゆく先に

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116話

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 深層を探索する事五日、ジグレイドは漸く目的だった亜人の手掛かりらしき痕跡を発見した。

「ん?──これはっ!?」

ジグレイドが発見したのは枝に引っかかっていた亜人が着ていたであろう衣服の繊維であった。
おそらくはこの周辺を散策している時、衣服を枝に引っ掛けてしまったのであろう。
斥候のように痕跡を残さないように心掛けているならば絶対に犯さないミスだが、どうやらこの周辺に来ているのは訓練された亜人ではなく、一般人とは言わないが少なくとも斥候訓練を施されていない亜人であると予想できた。
であるならば食料調達にきた亜人か周辺の警戒をしている警備の亜人だと思われる。
そしてこの近くに亜人の集落が存在する何よりの証拠だと言えたのである。

「漸く見つけたぞ…あの巫山戯たトカゲ共がいれば良いが、それ以外でも構わない…全員、皆殺しだ!」

復讐の炎に身を委ねてしまった所為で無意識の内に全力の猛毒の領域が発動した。
そしてその瞬間ジグレイドを中心に半径200メルに居た生物は全て猛毒に侵され数秒の内に毒死していく。
その対象は魔物や動物だけに留まらず植物にまで及んだ。
今まではジグレイドが無意識的に対象外としていたのか植物には全く影響のなかった領域だが、今回はその無意識が仇となったのである。
ありとあらゆるものを猛毒に侵し領域内を今後数百年は続くであろう不毛の地と化した。

ジグレイドは領域を制御しないまま痕跡があった場所周辺を探し始めた。
深層は魔素が濃い為、魔素の吸収も容易で身体の雨量強化も絶えず全力で使い続けることができる。
その強化された身体能力で探し回ること数時間、数名の息絶えている獣人を発見したのである。

「獣は帰省本能が強いと聞くからな…死に間際なら巣へと向かうだろう。ならこいつらの巣はあっちか!」

死んでいた獣人の全員が同じ方向へと向かおうとしていたようで、ジグレイドは真っ直ぐそちらの方向へと向かって行ったのである。




 多少迷いながらも森を突き進むこと半日、未だにジグレイドは獣人の住処を発見出来ていなかった。
流石に何かがおかしいと思いつつもひたすら突き進んでいた。
この時にはジグレイドの気持ちもだいぶ冷静になってきて森林破壊は収まっていた。

「うーん…流石に食料調達にしては遠過ぎないか?どういうことだ?いや、獣人は脚力が異常に発達しているらしいからこの程度の距離なら問題ないのか?」

時折疑問に思うがジグレイドに出来ることといえば足で探す事だけ、他にどうする事もできない状況だったのでやはりこのまま真っ直ぐ突き進む事にした。

そして突き進むこと更に半日、新たなる手掛かりを見つけたのである。


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