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凍雪国編第1章
第11話 狼退治
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ジョティルは、剣を腰だめに構え、魔力を練り上げる。
そして、空いた左手を一番手前にいる狼に向ける。
『light needle』
指先から細長い光の針が飛び出し、襲い掛かってきた狼を串刺しにする。
ジゥッ
辺りには焼け焦げた臭いが漂い、ほかの狼たちが明らかに怯み出す。
ジョティルは、そんな狼たちの様子を見て、少し怒りを顔に表す。
「一度、戦いを挑んできた以上、私は許しません」
『light arrow diffusion』
指先から複数の光の矢を撃ち出し、今にも飛び掛かろうと腰を低くした狼を突き刺す。
無数の光の矢が刺さった狼は、大きくビクンと一度痙攣したあと、声も上げずにドウッと横倒しになる。
ジョティルは、油断なく残った狼たちを見渡す。
『enchant sword』
ジョティルは、剣に光属性の魔法をかけ、剣を強化する。
ジョティルが、光属性を多用するのは、光属性がジョティルの得意属性だからである。
「たとえ、あなた方が硬い毛皮で身を覆っていたとしても、この光剣の前には無力ですよ」
ジョティルは、切っ先を正眼の位置へと移動させ、冷静な瞳で狼たちを見据える。
グルルル……
淡い光を放つ剣を見た狼たちは、唸りながら、警戒して距離を取ろうとする。
だが、ジョティルは、一番近くにいる狼へ一足跳びで間合いを詰め、剣を右下から切り上げ、即座に、唐竹割りにして仕留める。
それを見た狼たちは、ジョティルの正面と左右から一斉に飛び掛り、残った一匹が後ろへ回り込む。
「!」
正面にまわった一匹は、ジョティルの喉もとに食らいつこうと牙をむき出して迫り、左右から、腕や足に牙や爪を突き立てようと突進していく。
ジョティルは、正面の狼を易々と一刀両断し、包囲網を難なく潜り抜け、すぐさま、剣を左右に閃かせて、一頭ずつ切り伏せる。
だが、その瞬間、ジョティルの体勢がわずかに揺らぎ、体が流れた隙に、後ろから最後の一匹が飛び掛る。
ガッ
ジョティルの左肩から鮮血が飛び出し、破れたい衣服の間から爪で抉られた傷口が現れる。
「つっ!」
ジョティルは、顔を大きくしかめ、飛び退く狼に向け、追撃の剣を振るう。
しかし、狼は、その攻撃を予測していたかのように体を沈めてかわす。
狼は、再び跳躍して、ジョティルに襲い掛かり、喉もと目掛けて牙を剝く。
『light javelin』
左手から生まれた光の槍が、狼の大きく開いた口の中に吸い込まれ、背後に突き抜ける。
ドサッ
重く鈍い音とともに、最後の狼が地面に倒れ伏す。
ふぃ~っと大きく肩で息をしたジョティルは、まだ息のある狼に近づいて止めを刺し、全ての獣を倒し終える。
(やれやれですね……)
少し気だるげに心の中で呟いたジョティルは、痛む左肩に手を当てる。
『light heal』
ジョティルの傷口付近からやわらかい温かな光が生まれ、傷口に吸い込まれる。
癒しの光は、瞬時に傷口を塞ぎ、痛めた肩を治療する。
(まったく、食欲旺盛な狼たちでしたね……)
ジョティルは、左肩が完治したのを確認するため、軽く動かす。
左肩は、スムーズに動き、怪我の影響がないことに、ジョティルは満足する。
そして、倒れた狼たちを見渡して、これらの獣をどうしたものかと考える。
だが、特にいい案は浮かばなかったので、このまま放置することに決める。
(どうやら……、この狼たちは魔法が使えないようですね)
ジョティルは、近くに倒れている一際大きな体格をした狼の体に触れ、魔力の残滓すらないことを確認する。
(すると……、先ほどの爆発音は、この狼たちではなく、何か別のものの仕業ですね……)
ジョティルは、狼たちがやってきた道の先を見て、気配を探ろうと意識を向ける。
そして、空いた左手を一番手前にいる狼に向ける。
『light needle』
指先から細長い光の針が飛び出し、襲い掛かってきた狼を串刺しにする。
ジゥッ
辺りには焼け焦げた臭いが漂い、ほかの狼たちが明らかに怯み出す。
ジョティルは、そんな狼たちの様子を見て、少し怒りを顔に表す。
「一度、戦いを挑んできた以上、私は許しません」
『light arrow diffusion』
指先から複数の光の矢を撃ち出し、今にも飛び掛かろうと腰を低くした狼を突き刺す。
無数の光の矢が刺さった狼は、大きくビクンと一度痙攣したあと、声も上げずにドウッと横倒しになる。
ジョティルは、油断なく残った狼たちを見渡す。
『enchant sword』
ジョティルは、剣に光属性の魔法をかけ、剣を強化する。
ジョティルが、光属性を多用するのは、光属性がジョティルの得意属性だからである。
「たとえ、あなた方が硬い毛皮で身を覆っていたとしても、この光剣の前には無力ですよ」
ジョティルは、切っ先を正眼の位置へと移動させ、冷静な瞳で狼たちを見据える。
グルルル……
淡い光を放つ剣を見た狼たちは、唸りながら、警戒して距離を取ろうとする。
だが、ジョティルは、一番近くにいる狼へ一足跳びで間合いを詰め、剣を右下から切り上げ、即座に、唐竹割りにして仕留める。
それを見た狼たちは、ジョティルの正面と左右から一斉に飛び掛り、残った一匹が後ろへ回り込む。
「!」
正面にまわった一匹は、ジョティルの喉もとに食らいつこうと牙をむき出して迫り、左右から、腕や足に牙や爪を突き立てようと突進していく。
ジョティルは、正面の狼を易々と一刀両断し、包囲網を難なく潜り抜け、すぐさま、剣を左右に閃かせて、一頭ずつ切り伏せる。
だが、その瞬間、ジョティルの体勢がわずかに揺らぎ、体が流れた隙に、後ろから最後の一匹が飛び掛る。
ガッ
ジョティルの左肩から鮮血が飛び出し、破れたい衣服の間から爪で抉られた傷口が現れる。
「つっ!」
ジョティルは、顔を大きくしかめ、飛び退く狼に向け、追撃の剣を振るう。
しかし、狼は、その攻撃を予測していたかのように体を沈めてかわす。
狼は、再び跳躍して、ジョティルに襲い掛かり、喉もと目掛けて牙を剝く。
『light javelin』
左手から生まれた光の槍が、狼の大きく開いた口の中に吸い込まれ、背後に突き抜ける。
ドサッ
重く鈍い音とともに、最後の狼が地面に倒れ伏す。
ふぃ~っと大きく肩で息をしたジョティルは、まだ息のある狼に近づいて止めを刺し、全ての獣を倒し終える。
(やれやれですね……)
少し気だるげに心の中で呟いたジョティルは、痛む左肩に手を当てる。
『light heal』
ジョティルの傷口付近からやわらかい温かな光が生まれ、傷口に吸い込まれる。
癒しの光は、瞬時に傷口を塞ぎ、痛めた肩を治療する。
(まったく、食欲旺盛な狼たちでしたね……)
ジョティルは、左肩が完治したのを確認するため、軽く動かす。
左肩は、スムーズに動き、怪我の影響がないことに、ジョティルは満足する。
そして、倒れた狼たちを見渡して、これらの獣をどうしたものかと考える。
だが、特にいい案は浮かばなかったので、このまま放置することに決める。
(どうやら……、この狼たちは魔法が使えないようですね)
ジョティルは、近くに倒れている一際大きな体格をした狼の体に触れ、魔力の残滓すらないことを確認する。
(すると……、先ほどの爆発音は、この狼たちではなく、何か別のものの仕業ですね……)
ジョティルは、狼たちがやってきた道の先を見て、気配を探ろうと意識を向ける。
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