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凍雪国編第1章
第54話 バルトの盟約2
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そのやり取りを見ていたダイザが、口を挟む。
「フレイ。秘宝のことは、しばらく脇へ置いてくれ。そして、皆も、大事な話の途中だからよく聞いてくれ」
ダイザは、フレイに注意をし、周りを見渡して、フレイと同じように目を輝かせている少年たちにも釘をさす。
ドルマは、それを聞いて、うむと頷き、ホレイへ続きを促す。
「そうじゃな。ホレイよ、そのときのことをもっと詳しく話してはくれぬか?」
ホレイは、ドルマに大きく頷いて、バルト国での出来事を話し出す。
「今から、確か……35年ほど前になると思うが……。私は、バージやダイザとともに国都を訪れたあと、魔法教練師としての任務に就いていた。そして、そこには、同じくして、クウザミ族の若者が……、あぁ、その若者の名はマウテンというのだが、魔法教練師として招かれていた」
「クウザミ族って?」
ニコルの娘クスリナが、手を上げてホレイに質問する。
「クウザミ族は、ディスガルド国の奥地に住む一族だ。この村と同じく、第17皇子のヤグラムに縁のある一族だよ」
クウザミ族の祖は、ヤグラムの乳母であり、身の回りの世話役を行っていたミクシである。
ミクシは、ヤグラムに同行して一緒に島へ渡った。
だが、島を覆い尽くす瘴気に当てられ北半島へ引き返さざるを得なかった。
長年仕えたヤグラムと離れ離れになり、傷心にくれたミクシだが、ヤグラムへの忠誠を最後まで尽くそうと、島が遠望できる山岳地帯を切り開き、集落を築いた。
「どこにいるの?」
「そうだな……。この島の北側から対岸へ渡り、そこから5日ほど北上した辺りの山地に住んでいる。マウテンに聞いたところによると、標高が高いために夏でも雪が降るらしく、ここよりもかなり寒いらしい……」
それを聞いて、クスリナは納得したように頷く。
それを見たホレイは、皆を見渡して言う。
「皆も、何か質問があれば遠慮なく聞いてくれ。こういう話は、今日みたいな機会がないと話をすることもないだろうから……」
すると、ホレイの近くに座っていたゲナンの息子トイが、さっそく手を上げて質問する。
「魔法教練師って、何をするの?」
「うん? 魔法教練師か? そうだな……。魔法教練師は、実践魔法を教える指導教官だな。国都の兵は、魔法戦に疎いから、魔法の発動の仕方やほかの兵との連携、魔獣対策などを教えていた。ほかに質問はないか?」
「うん」
トイは、嬉しそうに頷き、周りの子どもたちは、静かに聞き入っている。
ホレイは、皆を見渡し、それ以上手を上げる子がいないようなので、バルト国の話を再開する。
「私とマウテンは、年の差はあるが、すぐに意気投合して仲良くなり、いろいろなことを語り合った。そして、あるとき、マウテンがバルト国へ行ってみたいというので、国主に休暇を願い出て、2人でバルト国へ旅立ったんだ」
「交易をしに?」
フレイが、質問する。
「私は、そうだな。だが、マウテンは、バルトとの盟約に疑問を感じていて、その真実を解き明かしたいと意気込んでいた」
「その人も、バルトの盟約に関係あるの?」
「フレイ。秘宝のことは、しばらく脇へ置いてくれ。そして、皆も、大事な話の途中だからよく聞いてくれ」
ダイザは、フレイに注意をし、周りを見渡して、フレイと同じように目を輝かせている少年たちにも釘をさす。
ドルマは、それを聞いて、うむと頷き、ホレイへ続きを促す。
「そうじゃな。ホレイよ、そのときのことをもっと詳しく話してはくれぬか?」
ホレイは、ドルマに大きく頷いて、バルト国での出来事を話し出す。
「今から、確か……35年ほど前になると思うが……。私は、バージやダイザとともに国都を訪れたあと、魔法教練師としての任務に就いていた。そして、そこには、同じくして、クウザミ族の若者が……、あぁ、その若者の名はマウテンというのだが、魔法教練師として招かれていた」
「クウザミ族って?」
ニコルの娘クスリナが、手を上げてホレイに質問する。
「クウザミ族は、ディスガルド国の奥地に住む一族だ。この村と同じく、第17皇子のヤグラムに縁のある一族だよ」
クウザミ族の祖は、ヤグラムの乳母であり、身の回りの世話役を行っていたミクシである。
ミクシは、ヤグラムに同行して一緒に島へ渡った。
だが、島を覆い尽くす瘴気に当てられ北半島へ引き返さざるを得なかった。
長年仕えたヤグラムと離れ離れになり、傷心にくれたミクシだが、ヤグラムへの忠誠を最後まで尽くそうと、島が遠望できる山岳地帯を切り開き、集落を築いた。
「どこにいるの?」
「そうだな……。この島の北側から対岸へ渡り、そこから5日ほど北上した辺りの山地に住んでいる。マウテンに聞いたところによると、標高が高いために夏でも雪が降るらしく、ここよりもかなり寒いらしい……」
それを聞いて、クスリナは納得したように頷く。
それを見たホレイは、皆を見渡して言う。
「皆も、何か質問があれば遠慮なく聞いてくれ。こういう話は、今日みたいな機会がないと話をすることもないだろうから……」
すると、ホレイの近くに座っていたゲナンの息子トイが、さっそく手を上げて質問する。
「魔法教練師って、何をするの?」
「うん? 魔法教練師か? そうだな……。魔法教練師は、実践魔法を教える指導教官だな。国都の兵は、魔法戦に疎いから、魔法の発動の仕方やほかの兵との連携、魔獣対策などを教えていた。ほかに質問はないか?」
「うん」
トイは、嬉しそうに頷き、周りの子どもたちは、静かに聞き入っている。
ホレイは、皆を見渡し、それ以上手を上げる子がいないようなので、バルト国の話を再開する。
「私とマウテンは、年の差はあるが、すぐに意気投合して仲良くなり、いろいろなことを語り合った。そして、あるとき、マウテンがバルト国へ行ってみたいというので、国主に休暇を願い出て、2人でバルト国へ旅立ったんだ」
「交易をしに?」
フレイが、質問する。
「私は、そうだな。だが、マウテンは、バルトとの盟約に疑問を感じていて、その真実を解き明かしたいと意気込んでいた」
「その人も、バルトの盟約に関係あるの?」
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