Love looks not with the eyes, but with the mind

我利我利亡者

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おまけ2 後編

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 乱暴に服を床に脱ぎ捨て、互いの体をまさぐりながら浴室へと向かう。裸になるその最中にも角度を変えながらキスをして、一瞬も離れたくないという気持ちを表すかのように体を寄せあった。一際深く舌を絡ませてから、唇を離すと唾液の糸が2人を繋いだ。
 腰をピッタリとくっつけて、時々軽く押し付け誘惑する。すると、ロランもそれに応えて俺の腰を抱き、鎖骨をペロペロと舐めた。ザラザラとした舌が気持ちがいい。そうして肩口に寄せられたロランの頭に片腕を絡め、目を閉じその感触を享受すれば、腰の奥がジュンッと痺れるのが分かった。
「はぁ、ロラン。もっと触って? 俺の全部、あなたにあげる」
 俺の胸の辺りを彷徨っていたロランの手を取り、咄嗟に手に持ってきていた潤滑油のボトルの中身をふりかける。後ろに道具を入れるために持ってきていてよかった。程よく濡らした彼の指を、そのまま今度は俺のアナルへと導く。ロランは大人しく俺の動きに従い、その指を優しく俺のアナルへと突き入れてくれる。
「ぁ、んぅ。そこ、まだ慣らす為の道具を入れたままだから、ロランに取って欲しいな」
「……これか?」
「んんっ。そう、それ」
 太く逞しいロランの首に縋り付き、彼の耳元でハアハアと荒い息を吐く。アナルに指を突っ込まれただけで、条件反射でこれから気持ちのいいことをしてもらえると期待してしまい、それだけで気持ちよくなってしまって足から力が抜けてしまいそうなのだ。中に入れた道具をロランが指先で引っ掻くものだから、その動きが腰に響きカクカクと揺れた。
「あっ、あっ、あぅ」
「こんなに太い物を入れて、いやらしい奴め。こんな物を入れたまま、今までずっと素知らぬ風を装って私達の前で平静に振舞い、過ごしていたのか。道具を入れたまま、どんな気持ちで私の両親と話をしたり、甥っ子や姪っ子たちと遊んだりしていたんだ、ん?」
「いや、そんな意地悪言わないで」
「こそこそとこんなことをして、余程私に抱かれたかったようだな」
「当たり前だろっ! 愛しい人と身も心も繋がりたいと思うのは、当然の欲求だ! ねぇ、焦らさないでよぅ。俺はこの瞬間をここ半年間、待ちに待ち続けたんだよ? お願い、ロラン。もう待てない。俺を早くあなたの物にして」
 アナルに突っ込まれたロランの指はまだ1本だけで、それも道具を弄ぶだけで決定的なことは何もしてくれない。今の俺ならもっと太くて長いものも、断然余裕なのに。もどかしくなって早く早く、続きをして、とロランに擦り寄るが、ロランは1人余裕そうな笑みを浮かべてこちらを見下ろすのみだ。
 でも、俺は知っている。腹に当たる固くて熱いモノ。ロランのペニスだって、立派に自分の存在を主張しているじゃないか。ご馳走を目の前にしてヨダレをダラダラ垂らしているのは、なにも俺だけじゃない。ロランもなのだ。なのに何故、ロランは手を出してきてくれないのだろう。なにもかも準備ができていて、ここまで来て耐える必要なんて何もないのに。
「ロラン、ロラン、ロラン……。ねえ、どうしたの? どうして来てくれないの? 指を1本だけなんて嫌だ。あなた自身で俺を貫いて」
「マルセル、そんなに私が欲しいのか?」
「勿論!」
「そうか、そうか。私もお前が欲しくて堪らないよ」
「だったらどうして」
「それはな、マルセル。私は少し怒っているんだよ」
「へっ? 怒ってるって……ひああぁ!」
 突然、ロランが2本目の指を俺のアナルへと突っ込んだ。ロランの立派なものを入れるため、実生活でギリギリ邪魔にならないがアナルを十分拡張できるくらいの太さの道具と、ロランの太い指がアナルの中でぶつかり合い、いっぱいになる。しかもロランは、そのいっぱいになったアナルの中で指を大胆に動かし始めたではないか。
「私に体格で大きく劣るお前が、無理無く私のペニスを入れるための行為だとはわかっている。だが、私以外の奴らも居る前で、私にも知らせず、勝手にそんな淫らな事をしていたなんて、許し難いな」
「やぁ、ぁあ、ふっ、くぅ……!」
 あ、やばい、これ。めいっぱい道具と指を含まされたアナルの中で、ロランが指を暴れさせるものだから、俺の中の色んな感じるところが刺激される。それのせいで不規則に性感が込み上げてきて、その度に俺は腰を捩らせた。
「まさかとは思うが、私以外にそんな蕩けた顔、見せたりなんてしていないよな? ほら、正直に言え」
「あなた、だけ。あなただけ、だから……!」
「本当か?」
「ほんと、んんん!」
 ロランが俺のアナルに指を入れ動かしたまま、足を使ってペニスの方も刺激してくる。それはただ擦られるだけの大雑把なものだが、前後両方から刺激をされて、俺はもう気が狂わんばかりだ。みっともなくヘコヘコと腰を動かし、ロランの手練手管にいいように翻弄された。
「ごめ、んなさっ……! もう、ゆるし、て……!」
「もう二度と、私に黙ってこんなことをしないな?」
「しま、せん。ぜったい、ぜったい、しません!」
「今度から、こういうことはちゃんと事前に私に相談してくれ。2人の問題なんだから、そうしてもらわないと困る」
「わかった、はなし、ます。だから、もぅ」
 ロランの逞しい体に縋り付き、許しを乞う。ロランが腰を抱えていてくれなければ、きっと立っていることもままならなかっただろう。下半身を襲う性感に、俺は息も絶え絶えだ。目に滲んだ涙で前が見えない。そんな俺の零れかけた涙を、ロランが優しく舐めとってくれた。
「よしよし、約束だぞ、マルセル。意地悪して悪かった。今、楽にしてやるから」
「ああぁっ!」
 言葉と共にロランが道具を引き抜く。俺は自分の中から様々なものが引き抜かれるその感覚に、ロランの腕の中でガクガクと身体を震わせた。立て続けに気持ちの良いことが起こりすぎて、もう本当に足が立たない。ヘナヘナとその場にへたりこみかけた俺の体を、ロランが誘導してバスタブへと腰掛けさせた。
「ふぅ、ふぅ、はぁ……。もう、ロランってば。最初から飛ばしすぎだよ。出ちゃうかと思った」
「……すまない。マルセルが今まで道具を入れたまま不特定多数の人間に愛想を振りまいていたのかと思うと、なんだか無性に腹が立って」
「愛想振りまくって……別に普通にしてただけなのに。ま、別にいいさ。今になってみれば、そのことに関しては俺が悪かったと思うもの。やっぱりこういうことはちゃんと相談するべきだね」
「私も察せなくて悪かったと思うが、マルセルが最初っから素直に全部、私に打ち明けていてくれるのが一番良かったんだ。そうでなくても、私たちの間にはなるだけ隠し事は無くして欲しい」
「ごめんよ、でも、これでも俺も、結構悩んだんだぜ? ぶっちゃけ、悩み過ぎて思考が迷走した挙句、お義兄さんたちにシモ事情相談しそうになったし」
「はあ!?」
 不安定なバスタブの縁の上でも性感に腰の抜けた俺がひっくり返らない様、背中を支えていてくれたロランが何故かピシリと固まる。え、なんで? どうしたんだ? ロランは信じられないものを見るような目で俺の方を見てきていて、その理由が分からない俺は、小さく首を傾げた。
「えっ、だって、男同士なら友達とだって猥談するじゃん。俺は兄弟いなかったからよく知らないけれど、仲の良い男兄弟は大抵抜きネタ提供しあったり、そういうこと相談しあったりするんでしょ? 昔、同期が言ってたぜ。兄弟ってそういうもんじゃないの?」
 ロランの表情に、驚きの他に呆れの感情が混じる。獣人ってそんな表情筋の使い方できるのね、知らなかったわ。今度ロランの顔をモチモチする時に詳しく触らせてもらおう。
 だが、俺が余裕ぶっていられたのはここまでだ。突如、ロランはガックリと肩を落とし、はあーっ、と大きく溜め息をつくと、ガバッと顔を上げた。顔を上げたロランは何故か今まで見た事がない程のいい笑顔である。それとはあべこべに、ロランの尻尾は左右に振られるどころかピクリとも動かない。……ていうかロラン、ひょっとすると笑ってるんじゃなくて歯剥き出して唸るのめっちゃ堪えてる? さっきから口元めっちゃ引きつってるんだけど。
「……あー。これ、もしかして、言わない方が良かったやつ?」
「その通りだよ馬鹿野郎」
 突如、腕を引かれて無理矢理立ち上がらさせられる。まだ完全に力が入り切らない足ではちゃんと立ち上がることができずヒヤリとしたが、直ぐにタイル貼りの浴室の床へと下ろされた。その手つきは荒々しかったが決して乱暴なものではなく、俺はまだロランに理性が残っているのかもと思ったが、その淡い期待はあっさりと打ち砕かれる。
 なにしろ上から俺を見下ろすロランの目が、あんまりにも冷たいのだ。これって、物凄く怒ってるやつだよな。これから滅茶苦茶説教が始まって、そういう行為どころの騒ぎじゃなくなるんじゃ。不吉な予感に俺は身を竦ませる。
 ところが、ロランは床にへたりこんだまま動けずにいる俺のことを確認すると、急に浴室を出ていってしまった。え、どうして。もしかして俺、叱ってももらえないくらいロランを怒らせちゃった? このまま放置? そんな考えが頭を過る。
 だが、その予想も当たらなかった。ロランは何かを持って直ぐに浴室に戻ってきたのだ。ロランが手に持っていたのは、俺が自分の荷物に忍ばせていた潤滑油と、アメニティグッズの入った袋。ロランはその袋の口を開けると、中身を床にぶちまけた。俺にできるのは、ロランは何をするつもりだろうかと、それを見つめることだけ。
 けれど、アメニティグッズそのものに用はなかったらしい。ロランは乱雑にぶちまけたアメニティグッズを脇に避け、それを容れていた袋を縛っていた紐を手に取る。それで何をするつもりかと思っていたら、次の瞬間ロランは驚くべき行動に出た。
 なんと、目にも止まらぬ速さで俺の傍らに近づき、先程手にした紐で俺のペニスの根元を縛り上げたではないか!
「ちょ、ロラン。なにして」
「黙ってろ」
 疑問の言葉はみなまで言えず、途中でピシャリと遮られる。そうしてロランは戸惑う俺に構いもせず、次には俺の腿に手をかけ、大股開きにさせてきた。上も下も素っ裸な上にペニスを紐で縛られ、おまけに強制的に開脚させられているので、さしもの俺も羞恥で顔が熱くなる。
 何をする気かと問いたいが、あんなに怒った様子で黙っていろと言われてしまえば、これ以上機嫌を損ねるのが怖くて何も言えない。恐る恐るロランの顔を伺うが、無表情で何も分からなかった。ここはこのまま何も喋らずロランの出方を見ようか。
 だが、そうして相手の思考が読めず、黙って動向を探っていた俺だったが、次の瞬間ロランのとった行動に思わず声を上げることになった。
「まっ、待って……ひゃんっ!」
 なんと、ロランはその大きな口をパカリと開け、俺のペニスをなんの躊躇もなく口に含んだのだ!
「いや、嘘嘘嘘! 駄目だって! 駄目、あっ、そんな舐めないで、ぅう、ん、やぁ、ん」
 突然熱い口内に招き入れられ、最高に背徳的で淫らな光景が目の前に広がる。信じられない。あのロランが、俺のペニスを。上顎の固い部分でペニスの先を擦られる。ロランの長い舌が俺のペニスに巻きついた。更にロランはそれら全てを俺に施しながら、ジュルジュルと音を立ててペニスを吸い上げてくるのだ。ペニスへの直接的かつ嗜虐的な行為に、俺はただ翻弄されることしかできない。
「はぁ、あ、ロ、ラン。なんで、んっ、くぅ」
 当然返事はなく、それでもロランの行為は続く。ロランは俺のペニスを情け容赦なく舐めしゃぶり、俺はなすすべもなく喘ぎ続けた。いくらもしないうちに腿の内側が引き攣り、陰嚢が持ち上がる感覚がやってきて、俺は自分の限界が近いことを覚る。
 だが、このまま射精することはできない。他でもないロランの手によって、ペニスの根元を縛られているからだ。自分の手で外そうにも、過ぎた性感に骨抜きにされた指では固く結ばれた結び目を解くことができない。この場で決定権を握っているのは俺ではなく、ロランの方。俺が射精に至るには、俺のペニスにむしゃぶりついているロランに、懇願するしかないのだ。
「ロラン。おねがぃ、ひんっ。んっ、はぁ。もぅ、でそう、なの。ふぅ、ひも、ほどい、て」
 答えはない。だだ、これが返事の代わりだとでも言うかのように、ロランの口淫が一際激しくなった。ロランの眉間にグッと皺が寄り、音を立てて吸い上げる力が強くなる。もう、耐えられなかった。
「だめ!  でる、でちゃう、でちゃうってば!  うそ、だめ。あ、は、あ、あああぁぁ!」
 視界が一瞬真っ白になる。ビクンビクンと跳ね上がる腰の動きを、ロランの手が押さえつけた。ロランの頭を引き離そうとして力が入らず添えられるだけだった両手で、今度は逆に彼の毛皮に縋り付く。背中を弓なりにしならせ、激しく全身が揺れる程痙攣しながら、いつまでも引かない性感の波に溺れた。
「はっ、はっ、はっ、はっ、はっ……」
 天を仰ぎ、興奮した獣の様な浅い呼吸を繰り返す。今下半身に意識を向ければ、過ぎた性感で頭がどうにかなってしまうことだろう。必死になって染み1つない天井に意識を向けようとするが、これがなかなか難しい。ともすれば直ぐに意識が下半身へと持っていかれそうになるからだ。そうして俺が一生懸命天井を見ている間に、ロランは漸く俺のペニスから口を離した。ロランは俺のペニスに巻きつけた紐を解きながら、チラリとこちらに視線を投げる。
「ん、はぁ。どうだ、初めての空イキは? いくにいけなくて大変だろう。次また兄上たちに私達のことを話すなんて世迷い言言い出したら、もっと酷くするからな。お前の夜の顔について知っていていいのは、私だけなんだ」
 ……えーっとこれはつまり、ロランは独占欲剥き出しにしてるってことかな? こいつはなかなか……悪い気がしない。
 だってそうだ。ロランは普段から俺のことをどれだけ愛しているか惜しみなく伝えてくれているけれど、だからってこういうことは何度伝えられても嬉しいものである。ましてや少々激しかったとはいえ、こんな気持ちの良いことと一緒に体に直接刻み込むようにされれば、疑う余地もなく相手の愛を知ることができるじゃないか。因みに、俺はこういうのは結構好きな方だ。勿論、人によるだろうけどね。
 ムスッとむくれた顔をしたロランの頬に、まだ少し先程の余韻で震える手を添える。暫くそうしていると、触れ合ったところから互いに互いの熱が伝わっていく。掌を首筋にまで滑らせ何回か艶のいい毛並みを撫でつけてやれば、ロランの瞳の中にあった剣呑なギラつきが少し薄らいだ。
「うん、分かった。俺達の夜の話をお義兄さん達に相談するのはなしだ。あなたの嫌がることをするのは、俺も本意じゃない」
「承知してくれればそれでいい。私もこれからはマルセルが困り事はなんでも私に相談しようと思えるほど、頼りがいのある男になるよう頑張るよ」
「ロランはもう充分かっこよくて優しい、いい男だから、無理に自分を変えようとしなくてもいいぜ」
「いや、優しいなんて嘘だろう。現に今も、嫉妬から嫌がるお前に当たって酷くしてしまったし」
 ふむ、そうかね? 嫌がるって言ったって、こういう情事での『嫌』なんて、形ばかりの睦言みたいなもんだろう。嫌よ嫌よも好きのうちってやつだ。脳みそが蕩けて殆ど覚えていないけれど、俺だって性感に錯乱しながらもそういうつもりで言っていたと思う。それに、酷くしたって言っても怪我をするように手酷く扱われたわけでもなし。むしろその逆。少々強引ながらも、ドロッドロのデロッデロに気持ちよくしてもらった。行為が終わった今は、満足感しかない。
「気にすることないよ、ロラン。さっきのことは俺も滅茶苦茶良くしてもらったし、ちっとも恨みになんて思っていやしない。それに、君は自分が思っているよりもっとずっといい男だ」
「しかしだなあ」
「もう、しつこいな。そんなに自分が許せないって言うのなら、仕方がない。こういうのはどうだろう? お詫びとして俺の言うことを1つきいてよ。それでさっきのことは全部チャラ。それでいいでしょ」
「マルセルの言うこと……? 別にそれくらいお詫びとしてでなくてもいくらでも」
「もう! 分かってないな! ようは俺は、今回の件についてのロランの自罰感情が収まるようにしたいんだよ! あなたが優しいのは充分分かっているけれど、2人の関係に変な上下関係なんて作りたくないし、ここは大人しく俺の言うことを1つ聞いて、この件はお終いにして!」
「……分かった。遠慮せず、なんでも頼むといい」
 いまいち納得した顔をしてないが、まあいいだろう。これから言う俺のお願いごとを聞けば、下手な考えなんて全部吹っ飛ぶはずだ。
「今、なんでもって言ったね?」
「ああ、言ったとも」
 ロランのこの顔、さっきの意趣返しによっぽど酷いこと頼まれると思っているな? 馬鹿だなあ、そんなことするわけないってのに。そのことに少し苦笑しながら、耳を貸して、とロランを近くに呼び寄せた。言われるがまま近寄り、大人しく大きな耳をこちらに向けてくるロランに暖かい気持ちになりつつ、その言葉を優しく吹き込む。
「あのな。俺、ロランに後ろに入れて欲しい。折角一生懸命慣らしたんだから、その成果を一緒に味わいたい」
 ハッ、とロランが息を飲む音がする。耳がピンッと立って、大きな体が緊張したのが伝わってきた。ロランはなにか言おうと息を吸ったが、その言葉を口にする前に近くにある彼の体にしなだれかかって首に手を回し、動きを封じる。絶対に、逃がさない。
「ねえ、俺を抱いてよ。あなたに触れられて体の火照りが冷めないんだ。ロランもほら、こんなにも昂ってる。ああ、これを突き刺されたらどうなっちゃうんだろう。早く知りたい」
「し、しかしマルセル」
「ここまで来て、否やはなしだ。ロランがその気になれないなら、今度は俺が嫌がるあなたに無体を働く番だ」
「わっ!」
 首に回した腕を使って無理矢理ロランの体を引き寄せ、彼がバランスを崩して手を着いた瞬間に素早い動作で膝の上に乗り上がる。まだいまいち体は言うことを聞いてくれないが、立ち膝をするには十分。ロランのペニスの切っ先が腿の内側のきわどいところを掠める。床に転がっていた、先程ロランが持ってきていた潤滑油のボトルを手早く拾い上げ、中身をたっぷり手に纏わせた。目を見開き、呆気に取られるままのロランの顔から目を離さず、下に手を伸ばして彼のペニスに手をかける。
「マ、マルセル! 駄目だ! 止めろ! それ以上は、ぁあ!」
 ロランのペニスの先端が、ヌチュリと音を立てて俺の中に潜り込む。ロランのペニスに潤滑油を塗りつけながら、上から下までくまなく撫で下ろし、同時にゆっくりと腰を落としていく。
「マルセル……。く、ぅ」
 ああ、熱い、太い、固い。この瞬間をどれ程待ったことか。これだ、これが欲しかったんだ。ずっとずっと、追い求めて、ようやく今、手に入った。
 自重に任せてそろそろと、しかし確実に自分の中にロランを埋め込んでいく。ロランのペニスはその予想以上の大きさのおかげで俺のアナルの中を満遍なく擦るものだから、先程までの情事でできあがっている体は、また簡単に熱を取り戻す。
「あ、はぁっ、ぅん」
「……っ!」
 耳元で性感をやり過ごそうと堪えた息が色っぽい。ロランのペニスがゴリゴリと俺の中を擦る。本当大きい。浮き上がった血管の1本1本までが分かるようだ。いいところに当たる度に身悶え、喘ぎ、体を揺らす。
 やがて、とうとうその時がきた。ロランのペニスが、全部俺の中に収まりきったのだ。上から下まで、隙間なくみっちりとロランのペニスが入っている。これ、結構上の方まで来てるんじゃないか? 腹の中の内臓が押し上げられている気分だ。凄い、デカすぎる。感動で思わずキュウッとアナルを締めつければ、それに反応してロランのペニスがビクビクと痙攣し、また俺のいいところを刺激した。
「あはっ、ぜんぶ、はいったぁ」
「マル、セル」
「ふ、ぅん。ロラン、すき。すきだよ。だいすき。あいして、る」
 そう言って、フニャリと笑いかける。アナルに力を込めて締め付け、ロランの形を隅々まで味わう。ロランの瞳に、熱が灯った。
「ふわっ、ぅ、ああぁん!」
 ロランの両手が俺の腰を掴み、持ち上げ、一気に落とす。同時に下からも何度も何度も突き上げられる。情欲に濡れたロランの瞳に見つめられながら、俺は善がり狂った。
「あっ、んっ、んぅ、だ、だめ! あ、あたま、おかしく、なるぅ! ふ、うぁ、はっ、やら、ぁ、んぁっ、よすぎ、て、しにそう、ひぃ、ん!」
「はぁっ、マルセル、かわいい。ふっ、ぅ。お前の中、滅茶苦茶良くて、私も死ねそうだ」
 中でロランのペニスがよりいっそう大きくなる。突き上げもさらに強く激しくなり、俺はガクガクと揺さぶられた。僅かな潤滑油と大量のロランの先走りが混じりあった液体が、ジュクジュクといやらしい音を立てる。その音に耳まで犯されているようだ。喋る余裕もなくなった2人分の荒い呼吸が愛しい。ロランの腰の動きがいよいよ限界まで到達した時、ペニスがいっそう深く突き刺され、大きく張り出したカリが、俺のいいところをグチュンッ! と押し潰した。
「んあああぁぁっ───!」
「くっ!」
 今、自分が何を見ているのか、聞いているのか、言っているのか、分からない。そのくらい凄まじい衝撃が、瞬間的に全身を貫いた。踊るように手足が跳ね、体が言うことを聞かない。ペニスからは壊れたように大量の精液がビュクビュクと迸った。同時にロランのペニスがブルリと大きく震え、最奥に凄まじいまでの熱い飛沫が叩きつけられる。ペニスが身震いする度に腹の中が熱くなり、それを一滴も余すことなく搾り取ろうと、アナルがキュウゥッと締まった。ロランの方も、熱を擦り込む様に腰を動かしてくる。当然それにも性感を感じるが、俺は最早声を上げる元気もなく体を痙攣させるのみだ。
 体に力が入らないので、全身がグニャグニャとして真っ直ぐ自立できない。フラリと前に倒れ込めば、ロランが優しく抱きとめてくれる。
 柔らかい毛皮に顔を填めた時には、すでに俺の目は半分閉じかけていた。これはいけない。全身に残る性感の余韻を感じるのに精一杯で、他のことが何も考えられないし、更には激しい行為に体力を使い切り気を失いそうである。
 愛おし気に抱き寄せられ、ロランの温もりに包まれれば、いよいよ駄目だ。もう俺に抵抗する術はない。あとはただ、深い眠りに落ちていくのみ。
「私も愛してるよ、マルセル」
 そう耳元で囁くロランの声を聞いて、確かな喜びを感じながら俺はゆっくり目を閉じた。
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