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70.深い後悔
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バキンッ
固いものが砕ける音がして、一気に目の前が白くなる。いつの間にか溢れていた涙のせいで仔細は分からないが、兎に角視界が明るくなったのは確かだ。目も眩むような眩しい光……という訳でもなく、ただ間近で急にランプをつけられたかのように、視界が白一色に染った。
もっとも、目に入る情報はちゃんと脳みそまで届かない。ただただ目の前の現実を……ヨシュアを永遠に失ってしまったという現実を受け入れられなくて、頭と心が外的情報全部を受け入れられず殆ど拒絶してしまっていたからだ。視界が白いと感じたのも認識したのも、かなり時間をかけてようやくできたくらいである。
ただその時の俺は、力の抜けたヨシュアの大きな体を掻き抱いて、呆然とするしかできない。腕に感じる重みだけが、辛うじて俺の意識をこの場に置き留めていた。それさえなければ俺の意識は、一瞬にして狂気に飲まれていただろう。しかし、初めはボンヤリながらも多少そこに存在すると感じられた周囲からも、段々音が遠のいていき、ただでさえボヤける視界も狭まっていく。
ヨシュア。どうして俺なんか助けようとした。あなたが優しい人なのは嫌になるくらい知ってるけど、だからって他人の為に命まで投げ出すなんて……。あなたが口酸っぱく大切にしてくれという俺自身や俺の命を、俺が蔑ろにしたからか? だから、バチが当たって天は俺からあなたを奪おうとしているのだろうか。
あなたを死なせてしまって、俺はこれからどうすればいい? 当然、平気な顔して自分だけのうのうと生きていける筈もない。でも、ヨシュアが命を落としてまで無理をして俺を生かそうとしてくれたのも事実。いっそその遺志を無視して楽になる身勝手さを持てればよかったが、小心者な俺は彼の事を思うとそれもできない。
いっそ俺が死んだら、勝手な事をするなとヨシュアが目を覚まし怒って叱ってくれたらいいのに。ああ、でもそんなの到底有り得ない夢物語だ。死人は生き返らない。絶対に。何があっても、そんなの不可能だ。そう、ヨシュアは死んだ。死んでしまった。愚かな俺が、間違えたせいで……。
本当に死にたいなら面倒がって他人任せにせずに、とっとと自殺でも何でもしてりゃ良かった。面倒がって他人任せになんて、しなけりゃ良かったんだ。そうすればヨシュアは俺の馬鹿な行いに巻き込まれず命を落とさなかったし、俺に関わる事もなくいつまでも幸せでいられたろうに。
俺はヨシュアに沢山のものを貰ったけど、逆に俺は彼に何も返せてない。あんなにも良くしてもらっていたのに、今思えば感謝の言葉すら満足に伝えられていた記憶でさえ殆どなかった。ヨシュアの親切にいつもいつも俺なんかにそこまでしなくていいだとか言って不平不満を言ってばかり。もっと他に有益な事があるだろうからそっちを優先しろ、なんて憎まれ口まで叩いていた。更にはとんでもない事に、俺の為を思ってヨシュアが口煩く小言を重ねるのを、煩わしいとすら思っていたんだ。
ああ、過去に戻ってあの頃の自分をぶん殴りたい。今ここでヨシュアが生き返ってくれるのなら、小言だろうが罵声だろうが、なんだって受け止めるのに。けれど、この虚ろな瞳に再び光が宿る事も、唇から優しい言葉が紡がれる事も、二度とないのだ。それ等はすべて、俺のせいで永遠に失われてしまった。
このままここで蹲っていたら、俺は王太子に無抵抗のまま殺される事になるのだろうか。それだときっと、最後まで俺を守ろうとしてくれていたヨシュアは悲しむだろうな。ヨシュアの思いを無駄にしない為にも、逃げないと。そう思いはすれど、逃げて自分の命を守ろうという行動を取る事ができない。したくないとかじゃなく、できないのだ。
深い絶望のあまり体は凍りつき指先すらピクリとも動かせず、大切なヨシュアの亡骸を離したくなくて縋り続ける事だけが、今かろうじてできている事の全てだ。壊れた心を奮い立たせて逃げる気力を湧き上がらせる事は到底できないし、何より逃げ出すにはここにヨシュアを置いていかねばならないのは明白。ヨシュアを置いていく? そんなの無理だ。俺にはできない。
今のボロボロの状態で無理をしてまで生き延びられるとも思えないし、どうせならヨシュアの傍で、この命を終わらせたかった。ヨシュアが、愛する人が大切にしてくれたからこそ俺は生きる事に意味を見い出せた。でも、ヨシュアが居ないのなら意味も価値も糞もない。こ)は最後まで俺を守ろうとしてくれたヨシュアの遺志に反する行動だ。それでも俺は、動けない。それ程までに俺の絶望は深かった。
深い後悔が全てを蝕み、何だか思考がぼやけてくる。視界がどんどん白くなって殆どホワイトアウト寸前になっているのは何故だろう? 若しかすると、精神的ショックで本格的に体が駄目になってきているのかもしれない。俺はこのまま何もかも訳が分からなくなって、死ぬんだろうか。それもいいな……。ああ、そうだ。どうせなら全てが判別つかなくなる前に、1つだけ……。
凍りついて動かなかった体を、何とか叱咤する。何故か白くなった視界のせいで目はほぼ見えなくなっているので、手探りでヨシュアの顔の位置を割り出した。彼の頬は少し冷たく、固くなっている。その事に俺はゾッと背筋を震わせた。この体から彼が生きていた証がこれ以上失われる前に、早く、早く……。
指先で大体の位置にアタリをつけ、そこを目指して顔を傾け背を屈める。そのまま唇の表面同士が、軽く触れるだけのキスをした。そして、願いを込めて静かに祈る。
ヨシュア、俺のせいで愛しいあなたを死なせてごめん。俺みたいな人間を大切にしてくれて、有難う。どうかあなたの魂が次産まれてくる時は、どんな困難にも脅かされず喜びの多い一生を全うできるよう祈って、俺から精一杯の祝福を贈る。例えこれから先何度生まれ変わっても、あなたが幸せであり続けますように、そして二度と俺なんかと関わる事がないように。生まれ変わったあなたがまるで別人で自分勝手で身勝手な性格になっていようが構わないし、むしろその方がいい。他人の為に死ぬなんて、それは馬鹿げた行いなんだから。俺を救いあなたを殺した優しさなんて、もう二度と持たなくていいんだ。どうかこれから先は、あなたはあなたの人生を生きてくれ。来世も魂もこれまで信じた事はなかったけれど、けれど何もかもが手遅れとなってしまった今となっては、こう祈る他なかった。
固いものが砕ける音がして、一気に目の前が白くなる。いつの間にか溢れていた涙のせいで仔細は分からないが、兎に角視界が明るくなったのは確かだ。目も眩むような眩しい光……という訳でもなく、ただ間近で急にランプをつけられたかのように、視界が白一色に染った。
もっとも、目に入る情報はちゃんと脳みそまで届かない。ただただ目の前の現実を……ヨシュアを永遠に失ってしまったという現実を受け入れられなくて、頭と心が外的情報全部を受け入れられず殆ど拒絶してしまっていたからだ。視界が白いと感じたのも認識したのも、かなり時間をかけてようやくできたくらいである。
ただその時の俺は、力の抜けたヨシュアの大きな体を掻き抱いて、呆然とするしかできない。腕に感じる重みだけが、辛うじて俺の意識をこの場に置き留めていた。それさえなければ俺の意識は、一瞬にして狂気に飲まれていただろう。しかし、初めはボンヤリながらも多少そこに存在すると感じられた周囲からも、段々音が遠のいていき、ただでさえボヤける視界も狭まっていく。
ヨシュア。どうして俺なんか助けようとした。あなたが優しい人なのは嫌になるくらい知ってるけど、だからって他人の為に命まで投げ出すなんて……。あなたが口酸っぱく大切にしてくれという俺自身や俺の命を、俺が蔑ろにしたからか? だから、バチが当たって天は俺からあなたを奪おうとしているのだろうか。
あなたを死なせてしまって、俺はこれからどうすればいい? 当然、平気な顔して自分だけのうのうと生きていける筈もない。でも、ヨシュアが命を落としてまで無理をして俺を生かそうとしてくれたのも事実。いっそその遺志を無視して楽になる身勝手さを持てればよかったが、小心者な俺は彼の事を思うとそれもできない。
いっそ俺が死んだら、勝手な事をするなとヨシュアが目を覚まし怒って叱ってくれたらいいのに。ああ、でもそんなの到底有り得ない夢物語だ。死人は生き返らない。絶対に。何があっても、そんなの不可能だ。そう、ヨシュアは死んだ。死んでしまった。愚かな俺が、間違えたせいで……。
本当に死にたいなら面倒がって他人任せにせずに、とっとと自殺でも何でもしてりゃ良かった。面倒がって他人任せになんて、しなけりゃ良かったんだ。そうすればヨシュアは俺の馬鹿な行いに巻き込まれず命を落とさなかったし、俺に関わる事もなくいつまでも幸せでいられたろうに。
俺はヨシュアに沢山のものを貰ったけど、逆に俺は彼に何も返せてない。あんなにも良くしてもらっていたのに、今思えば感謝の言葉すら満足に伝えられていた記憶でさえ殆どなかった。ヨシュアの親切にいつもいつも俺なんかにそこまでしなくていいだとか言って不平不満を言ってばかり。もっと他に有益な事があるだろうからそっちを優先しろ、なんて憎まれ口まで叩いていた。更にはとんでもない事に、俺の為を思ってヨシュアが口煩く小言を重ねるのを、煩わしいとすら思っていたんだ。
ああ、過去に戻ってあの頃の自分をぶん殴りたい。今ここでヨシュアが生き返ってくれるのなら、小言だろうが罵声だろうが、なんだって受け止めるのに。けれど、この虚ろな瞳に再び光が宿る事も、唇から優しい言葉が紡がれる事も、二度とないのだ。それ等はすべて、俺のせいで永遠に失われてしまった。
このままここで蹲っていたら、俺は王太子に無抵抗のまま殺される事になるのだろうか。それだときっと、最後まで俺を守ろうとしてくれていたヨシュアは悲しむだろうな。ヨシュアの思いを無駄にしない為にも、逃げないと。そう思いはすれど、逃げて自分の命を守ろうという行動を取る事ができない。したくないとかじゃなく、できないのだ。
深い絶望のあまり体は凍りつき指先すらピクリとも動かせず、大切なヨシュアの亡骸を離したくなくて縋り続ける事だけが、今かろうじてできている事の全てだ。壊れた心を奮い立たせて逃げる気力を湧き上がらせる事は到底できないし、何より逃げ出すにはここにヨシュアを置いていかねばならないのは明白。ヨシュアを置いていく? そんなの無理だ。俺にはできない。
今のボロボロの状態で無理をしてまで生き延びられるとも思えないし、どうせならヨシュアの傍で、この命を終わらせたかった。ヨシュアが、愛する人が大切にしてくれたからこそ俺は生きる事に意味を見い出せた。でも、ヨシュアが居ないのなら意味も価値も糞もない。こ)は最後まで俺を守ろうとしてくれたヨシュアの遺志に反する行動だ。それでも俺は、動けない。それ程までに俺の絶望は深かった。
深い後悔が全てを蝕み、何だか思考がぼやけてくる。視界がどんどん白くなって殆どホワイトアウト寸前になっているのは何故だろう? 若しかすると、精神的ショックで本格的に体が駄目になってきているのかもしれない。俺はこのまま何もかも訳が分からなくなって、死ぬんだろうか。それもいいな……。ああ、そうだ。どうせなら全てが判別つかなくなる前に、1つだけ……。
凍りついて動かなかった体を、何とか叱咤する。何故か白くなった視界のせいで目はほぼ見えなくなっているので、手探りでヨシュアの顔の位置を割り出した。彼の頬は少し冷たく、固くなっている。その事に俺はゾッと背筋を震わせた。この体から彼が生きていた証がこれ以上失われる前に、早く、早く……。
指先で大体の位置にアタリをつけ、そこを目指して顔を傾け背を屈める。そのまま唇の表面同士が、軽く触れるだけのキスをした。そして、願いを込めて静かに祈る。
ヨシュア、俺のせいで愛しいあなたを死なせてごめん。俺みたいな人間を大切にしてくれて、有難う。どうかあなたの魂が次産まれてくる時は、どんな困難にも脅かされず喜びの多い一生を全うできるよう祈って、俺から精一杯の祝福を贈る。例えこれから先何度生まれ変わっても、あなたが幸せであり続けますように、そして二度と俺なんかと関わる事がないように。生まれ変わったあなたがまるで別人で自分勝手で身勝手な性格になっていようが構わないし、むしろその方がいい。他人の為に死ぬなんて、それは馬鹿げた行いなんだから。俺を救いあなたを殺した優しさなんて、もう二度と持たなくていいんだ。どうかこれから先は、あなたはあなたの人生を生きてくれ。来世も魂もこれまで信じた事はなかったけれど、けれど何もかもが手遅れとなってしまった今となっては、こう祈る他なかった。
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