めぐりしコのエコ

しろくじちゅう

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信条に架ける風

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 それから、スコアは、ウェザーをさらってくるようオジロワシを空に解き放った。しばらくしたのち、オジロワシを右肩に乗せたウェザーが、ずかずかと巣穴に上がり込んできた。シフォンのように強引に連れてこられるまでもなく、彼はオジロワシを手なずけ、自力でここまでたどり着いてみせたのだ。
「おや、随分と久しいですね」ウェザーは、スコアの顔を見るや否や、オジロワシを飼い主の下に帰してやった。
スコアは、すかさず撞木杖を地面に突き立てると、オジロワシが羽を休めるための止まり木にした。「セイズもなしに、よく肩に乗っけられたね」
「動物の扱いには慣れていましてね」ウェザーは、鼻を高くした。「それにしても、奇妙ですね。自然を憎むあなたがヘイヴンを訪れているとは」
「どうでもいいからさ、蒔ク種族王に会うための方法って知らない?」スコアは、そっけない態度でたずねた。
「かねてより私も、その事で悩んでいたのです」ウェザーは、辛気臭く答えた。「どうにか蒔ク種族王と再会しようと試みたのですが、ままならず、高原を上空から見下ろすも、妙な事に蒔ク種族王の姿がまるで見当たらないのです。どうやら、あの高原には不可思議な力が働いており、蒔ク種族王の元へ安易にたどり着けないようになっているようです。やはり鐘の音色がなければ、どうにもならないのでしょう」
「そこを…なんとかなりませんか…!?」シフォンは、藁にも縋る思いで懇願した。「お兄様を取り返すには、雲上に行かなければならないのです…!お兄様は、小山にて散々酷い目に遭わされた挙句、無理矢理連れていかれてしまったようで…!一刻も早く助けたいんです…!」
「ああ、改めの小山に足を踏み入れたのですね」ウェザーは、先ほどとは一転し、快弁に語り出した。「私が以前ヘイヴンを訪れた際、小耳に挟んだ内緒話なのですが、改めの小山に送られた人間は皆、信条に絶対の忠誠を誓い、己が宿命に従うのみの奴隷と化す…らしいです。怖いですねぇ」
 それを聞いた途端、シフォンは言葉を失い、その表情は恐怖に歪んだ。
 「でもさ、救世主の声がしたんだけど」スコアは、シフォンに気に掛ける事もせず、己の疑問を晴らそうとした。「あと、ユライっていう天仔がトロンを連れ去ったんだけど」
「そうです…」シフォンは、陰鬱な面持ちで呟いた。「そもそも、お兄様を改めの小山へ行くように仕向けたのは、ユライでした…」
「ふむ…。私も、あまり詳しくはないのでね」ウェザーは、珍しく口を濁した。
「やっぱり蒔ク種族王に聞いてみるしかないかな。そうすれば、万事解決するかも」スコアは、鷲の仮面を被ると、オジロワシごと撞木杖を手に取った。「とりあえず、行こうよ。思い立ったら吉日って言うじゃん」
「それにしても、なんです、その不気味な衣装は」ウェザーは、鳥人と化したスコアの姿に目を皿にした。
「やっぱ変かな…これ…」スコアは、見てれを気にすると、仮面を外した。それから「話せば長くなるから、蒔ク種族王を探しながらね」と皆に先駆けて巣穴から外に出ると、オジロワシを空に帰してやった。
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