勇者断罪物語

ちば防蟲

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#2 1話「え?勇者を何とかしろって?嫌です」Part2

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「この条件は良い方だと思うが・・・。金貨200枚だぞ?

小国の国家予算並みの金額だぞ?・・・・経費も肩代わりするし・・・」


「報酬と経費については、飲めるとしましょう。死傷に対する特別手当も受注する側からすると有難い。

ただ、その下!なんです?これは。‘’本作戦は国家が認知しない‘’って」

サイトは契約内容について、大きな問題があると問いただす。



「作戦とか書いてあるけれど、お宅らで計画を建てるのですか?それをうちらが実行すんの?まぁ、これは後で詰めればいいけれど、俺に任せるのであれば、作戦の立案・実行はうちらで実施したい」


「あと、もう一つ。認知しないって方は・・・・。各国に話を通していないって事ですか?まさか、勇者を追い出しました~→はい、犯罪!→逮捕→死刑!!って流れになるわけじゃないですよね?」



疑問点を述べたところで、答えてください!と書類の文字に落としていた目をギルに向けると、思いっきり顔を背けた。

その反応はないだろう~と横の巨漢に目を移したが、全然、微動だにしない。少しは反応しろよ!と思う。後ろの軍服女は俯いている。お前は反応し過ぎだ!



「そうですか・・・・。この報酬では割に合わないですね。この話はなかった事にしますかね?」

サイトがギル含め依頼側の反応を確かめる。ギルは方が丸くなり、見るからに落胆している。巨漢は目を瞑り、軍服女は‘‘あわあわ‘‘ ‘‘オドオド‘‘している。



「分かった・・・・。難しい話を持ってきて悪かった。失礼する」

ギルが立ち上ろうとする。だが、それを巨漢が右腕を肩に置き、再び座らせる。ギルは驚愕した表情を巨漢に向け、巨漢は「まだだ」と話しかけた後、サイトを真っすぐと見据える。



ほぅ?この巨漢。分かっているじゃないか。さすが、トライヤングル・ビーの総隊長。王国を守護する三大貴族の一角。ブレグジット家の当主であるラガルガ・ブレグジット大将だ。



「サイト君。不満は分かった。だが、飲んでくれないだろうか?我々も無理をお願いしているのは重々承知している。本当ならば、我々のような国の防衛を預かる組織が対処すべきではあるが、これは国外の事象である為手が出せない。だが、勇者召喚計画の発案国であり技術提供もした我がグリモア王国は責任を取らなくてはならない。」


「それは、承知していますとも。ですが・・・この条件では・・・・・」


「で・・だ。サイト君。この仕事を引き受けてくれるのであれば、少しは融通を利こう。

君の方で、プランがあるようであれば、相談に乗る」



ほぅ?ほぅぅぅ?分かる人いるじゃないか!こっちがまだ、話に乗る気配があることを理解し、融通を利かせるときた。いい話ができそうだな。



「融通ですか?国が後ろ盾になってくれるというのは?」


「それは、無理だ。勇者らは国民から多くの支持を受けている。4年前の異種族戦争時から、支持率はうなぎ上りだ。国が動くわけにはいかない。これは、各国の共通認識である」



やはり、そこは曲げないか・・・・・。だったら。



「そこが一番のネックなんですがね。では、報酬面でもうちょっと色を付けてもらいたいです」


「うむ。理解した。勇者一人当たりの報酬についてだな?」



乗ってきたな。ここが勝負どころ・・・。



「いや、その報酬は大丈夫で・・す。それ以外で増やしたい内容がありまして・・・」

サイトの申し出にラガルガが眉をひそめた。てっきり、報酬金額について交渉すると思っていたからだ。

だが、それは違うと目の前の若者が否定した。頭を切り替えねばと自分に言い聞かせ、若者に流れを作らせてはならないと考えを巡らせるのであった。



「まず・・・ですね。引き受ける条件として、3つあります。え~~と、一つ目!経費の70%を国家負担でお願いします」


「なるほど、経費についてか。分かった。上限なしで70%を負担しよう」


「ありがとうございます。では、次ですね。二つ目。これもお願いしたいところ。うちで経営している孤児院と学校に援助金を出してくれませんか?あと、学校の卒業時に国家学習修了証の発行を宜しくお願いします」


「ふむふむ。それに関しては文化履修学科省の監査を通らなければならない。合格すれば、いいだろう」


ふと、ここで疑問が出てくる。孤児院・・・?と。

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