勇者断罪物語

ちば防蟲

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#9 2話「優秀な部下ほど、メガネ属性」Part2.5 各地の拠点 ~人類界の海底:フレッシュアワー海峡/第二戦略室~~

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・各地の拠点 ~人類界の海底:フレッシュアワー海峡/第二戦略室~~



海峡深く・・・人類が到達できない深い海、そして、海を生活拠点としている魚人達でさえ、近づかない世界・・・。そこには、古代の建造物だろうか?何十何百も並んだ鳥居と巨大な神殿が確認できる。



鳥居と神殿には、風化跡が見られることから、長い間地上に存在していたとされ、大昔に地上を制していたと語られている巨神族関連の遺跡・・・と組織の遺跡研究チームは考えている。



そんな、神殿の内部に組織の重要拠点の一つ、第二戦略室が置かれている。わざわざ、海峡に拠点が置かれているのは、二つの理由がある。



一つは先ほどの研究対象という点。巨神族の遺跡・・・人類界では重要視されていないが、古代技術を現代技術と組み合わせば、飛躍的な技術向上が見込める研究成果が出ている。



例えば!

幹部連中が使用している共有ネットワーク。この技術は、勇者が元世界に存在していたシステムを魔力で形成した代物だ。



だが、これには欠点が一つ。個別管理ができないことだ。

つまりは、‘‘勇者間だけ‘‘ ‘‘人類界だけ‘‘で、情報共有ができず、挙げた情報は誰でも閲覧可能ということ。



したがって、「離れていても情報共有ができる!軍で役立つぞ!」と期待されたシステムではあったが、敵にまで筒抜けでは意味がない為、法執行機関では、使用されていない。



組織内では、この異界技術に古代技術を掛け合わせて作成した独立ネットワーク〈シーマ〉を使用している。このシーマは、決して個別管理が可能というわけではない。ただ、情報が自動的に暗号化される為、内容が伝わらない利点がある。



ここで、疑問点が一つ。「その暗号は解読されてしまっては意味ないのでは?」だ。

この疑問、最もである。研究チーム並びに技術開発室が、サイトを含めた幹部会議で、熱弁していた際に、まっさきに出た質問だった。



だが、この暗号の解読は不可能だと、技術開発室で証明済みであった。

なんと!

各国にこの暗号化した情報を意図的に流して、解読状況を記録していたのだ。その結果、解読成功75%という状況になったそうだ。



いやいや、それじゃ~採用できないだろ・・・と、幹部の満場一致であったが、次の説明で、〈シーマ〉に対する認識が180度変化した。



「解読した国は ‘‘間違った情報を掴まされている‘‘ ことになっております」と。つまりは、この〈シーマ〉、登録した端末で開かないと、まったく違う内容で表示されるシステムとなっていたのだ。



したがって、解読出来たとしても、情報漏れは起きないということ。



説得力はあるが・・・・採用の決定的な理由は、〈ウーロン〉と〈シナプス〉でさえ、間違った情報を掴まされている状況だ。世界最高水準の情報機関である古巣でも、正しく解読できないのであれば、まぁ~信用できるだろう。



このような、技術を生み出す可能性が詰まっている宝箱である遺跡は重要視されることとなった。

これだけでも、十分すぎる理由だろう。だが、もう片方も重要だ。それは、この海峡が位置している環境に理由がある。そう、ここは魔界と人類界のちょうど、境目なのだ。

第三戦略室と同様で、重要拠点となる為、幹部が常駐する条件を満たす。

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