心の傷は残り続ける

濃霧

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1 突然の涙

入室

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 自分たちの教室である2-3組に外山と一緒に入ると、ほかのクラスメイトが数人教室にいた。本当は、今日は部活動における登校が禁止となっており、本来ならばどの生徒であれ今日の登校は許されないはずだったのだが、そんな中でも来ているということは、きっと自分たちと同じ境遇なのだろう。メンバーは男女でまちまちだった。外山を含め、自分のよく知っている人もいれば、ほとんど話したことのないような、そんな人までいた。
 自分の今の席の斜め前に座っているのが柿本さん。髪の毛の色は少し紺色っぽい黒色をしていて、髪の毛は結んでいない。常に笑顔でいるようなイメージがあり、明るく優しい印象を持っている。普段の授業でも自分に対して話しかけてくれるなど、非常に接しやすい感じのいい子ではある。
 ただ彼女の隣の席に座っている能勢さんと仲が悪いのか気が合わないのか分からないが、普段においても授業中においてもあまり二人が喋っているところを見たことがなく、授業中において自分に対してかまっている行為が、能勢さんとの気まずさを紛らわせるためではないかと感じている部分はある。別に自分は他人の関係についてはさほど興味があることではないし、知ったところで自分にとって得することではないため、そのことにはあまり触れないようにはしている。
しかし実際のところ、彼女らの関係が、たとえ自分が興味を持たなかったとしても、興味を持たせざるを得ないような複雑に絡み合った糸となっていた。しかも、その糸はまるで蜘蛛の糸のように透明な、そして獲物を確実に仕留められるほど頑丈なものであった。
 そんな彼女も今日、学校に来ていた。昨日時点で、彼女が今日学校に来るような素振りは一切見せていなかったため、彼女の登校は少し意外に感じた。
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