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おっさんずイフ
40.冒険者ランク
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「ん、あれ、ここは……」
見たこともない豪華なシャンデリアが天井からぶら下がる豪邸の冷たい床で目を覚ます。
なんで俺、床で寝ているんだろうか。
おまけに頭が割れるように痛い。
そういえば昨日はグウェンの一緒に女の子のいるお店をはしごしたような記憶があるな。
3軒目くらいから記憶が無いが。
周りを見回すと大きな天蓋付きベッドが部屋の中央に鎮座していた。
そこには素っ裸でグウェンが死んだように眠っていた。
どうやらここはグウェンの部屋らしい。
俺はなんとなく自分の服を確認するが、襤褸切れみたいなトーガは変わりなく俺の身を外気から守ってくれている。
少しだけ安心した。
カラカラに渇いた喉にアルコール分を少なく調整した神酒を流し込み、頭痛を癒して立ち上がる。
汗と埃とおっさんの色々なエキスで身体がべたべたして気持ちが悪い。
女の子とも昨夜なんか色々あったような気がするし、風呂に入りたいな。
しかし初めて入った屋敷で勝手がわからない。
俺は仕方がなく裸のグウェンに近づき声をかける。
「グウェン、起きてくれ。風呂に入りたいんだけど」
「うーん、死ぬぅ」
グウェンはマッパの身体を悩ましくくねらせて二日酔いに苦しんでいる。
でかいな。
何がとは言わないけど。
「ほら、これ飲んで。二日酔いがすぐによくなる」
グウェンは白目を剥いたまま無言で神酒を嚥下していく。
怖い。
3口4口と飲み込んだ後、突如として白目がグルンと回って黒目が現れた。
怖すぎてちびるかと思った。
「あぁ、生き返ったわ。頭がすっきりした。シゲちゃんおはよ。いい朝ね」
「あ、ああ。おはよう。朝っていうかもう昼みたいだけど」
「そうなのね。やだ、身体がべとべとね。夕べは2人で女の子を何人も泣かせたものね」
「そうなんだ。俺は途中から記憶があまりないんだけど」
「もったいないわね。シゲちゃん夕べは凄かったのよ。もうぐっちゃんぐっちゃんのトロントロンになるまで……」
どうやら昨日は魅惑の夜があったようだがR15ではこのへんが限界だ。
「グウェン、こんな時間だけど風呂って入れるかな」
「あたしもお風呂入りたいわ。ちょっとミモザに聞いてみるわね」
グウェンはサイドテーブルに置かれていたハンドベルみたいなやつを手に取り、軽く鳴らす。
心に響くような不思議な音色がして、数秒後に扉がノックされた。
早いな。
扉の外で待機していたのだろうか。
「失礼します。坊ちゃま、お客様、入りますよ」
「どうぞ」
昨日見た初老の女性メイドさん、ミモザさんが入ってくる。
背筋がすっと伸びてこの人もかっこいい女性だ。
「坊ちゃま、またそのような恰好で。何かお召しになってください。はしたないですよ」
「わかってるわよ」
なんかこういうのいいな。
2人の関係性がよくわかる。
グウェンはベッドでくちゃくちゃになっていた黒いガウンを羽織って前を閉める。
劣等感を刺激される巨大な聖剣が隠れてくれた。
「それで、お風呂は沸いてるかしら」
「はい、いつでも入れるようにご用意してございます」
「だって。シゲちゃん、一緒に入りましょう。男同士ですもの。裸の付き合いよ」
「まあ男同士だけどね……」
素直には受け取れない男同士だ。
俺はグウェンの好みとは違うらしいから問題はないんだろうがな。
クラスに一人くらいの割合でLGBTは存在しているとか聞いたことがあるし、どのみち温泉で一緒に風呂に浸かっている人の中にも一人くらいはそういう嗜好の人というのはいる計算になる。
オネエと風呂に浸かるくらいはなんの問題もないか。
「わかった。風呂に行こう」
「案内するわ。こっちよ」
ガウンを脱ぎ捨て、グウェンは歩き出した。
今着たばかりなのにな。
グウェンの家の風呂はホテルの大浴場のように広くて素晴らしかった。
それだけだ。
おっさんとオネエの混浴描写なんぞいらないだろ。
俺とグウェンは昼食を兼ねた朝食を食べながら今後のことを話し合う。
「あたしはしばらくヌルバスタでのんびりしようと思うんだけど、シゲちゃんはどうする?」
「とりあえず俺は冒険者ランクを少し上げたいかな」
昨日一応マルスとマルクルと一緒に冒険者登録は済ませたけれど、登録したばかりだからランクは当然最低ランクのFだ。
俺たちがグウェンの知り合いであることはすでに知れ渡っていてテンプレイベントは起きなかったが、冒険者たちの顔にはおっさんがFランク冒険者とか笑わせるぜはっはーと書いてあった。
SランクやAランクというランクになって羨望を集めるのはすぐには無理だろうが、せめておっさんがそのランクでも笑われないくらいのランクにまでは早く上がりたいものだ。
冒険者ランクを上げるには地道に依頼を達成して冒険者ギルドからの信頼を得るしかない。
マルスとマルクルに負けないように頑張らなくては。
「ふーん、冒険者ランクを早く上げるための裏技教えてあげましょうか?」
「裏技?」
そんなのあるのか。
ちょっとダーティな匂いがするような気がするけれど、嫌いじゃないなそういうの。
見たこともない豪華なシャンデリアが天井からぶら下がる豪邸の冷たい床で目を覚ます。
なんで俺、床で寝ているんだろうか。
おまけに頭が割れるように痛い。
そういえば昨日はグウェンの一緒に女の子のいるお店をはしごしたような記憶があるな。
3軒目くらいから記憶が無いが。
周りを見回すと大きな天蓋付きベッドが部屋の中央に鎮座していた。
そこには素っ裸でグウェンが死んだように眠っていた。
どうやらここはグウェンの部屋らしい。
俺はなんとなく自分の服を確認するが、襤褸切れみたいなトーガは変わりなく俺の身を外気から守ってくれている。
少しだけ安心した。
カラカラに渇いた喉にアルコール分を少なく調整した神酒を流し込み、頭痛を癒して立ち上がる。
汗と埃とおっさんの色々なエキスで身体がべたべたして気持ちが悪い。
女の子とも昨夜なんか色々あったような気がするし、風呂に入りたいな。
しかし初めて入った屋敷で勝手がわからない。
俺は仕方がなく裸のグウェンに近づき声をかける。
「グウェン、起きてくれ。風呂に入りたいんだけど」
「うーん、死ぬぅ」
グウェンはマッパの身体を悩ましくくねらせて二日酔いに苦しんでいる。
でかいな。
何がとは言わないけど。
「ほら、これ飲んで。二日酔いがすぐによくなる」
グウェンは白目を剥いたまま無言で神酒を嚥下していく。
怖い。
3口4口と飲み込んだ後、突如として白目がグルンと回って黒目が現れた。
怖すぎてちびるかと思った。
「あぁ、生き返ったわ。頭がすっきりした。シゲちゃんおはよ。いい朝ね」
「あ、ああ。おはよう。朝っていうかもう昼みたいだけど」
「そうなのね。やだ、身体がべとべとね。夕べは2人で女の子を何人も泣かせたものね」
「そうなんだ。俺は途中から記憶があまりないんだけど」
「もったいないわね。シゲちゃん夕べは凄かったのよ。もうぐっちゃんぐっちゃんのトロントロンになるまで……」
どうやら昨日は魅惑の夜があったようだがR15ではこのへんが限界だ。
「グウェン、こんな時間だけど風呂って入れるかな」
「あたしもお風呂入りたいわ。ちょっとミモザに聞いてみるわね」
グウェンはサイドテーブルに置かれていたハンドベルみたいなやつを手に取り、軽く鳴らす。
心に響くような不思議な音色がして、数秒後に扉がノックされた。
早いな。
扉の外で待機していたのだろうか。
「失礼します。坊ちゃま、お客様、入りますよ」
「どうぞ」
昨日見た初老の女性メイドさん、ミモザさんが入ってくる。
背筋がすっと伸びてこの人もかっこいい女性だ。
「坊ちゃま、またそのような恰好で。何かお召しになってください。はしたないですよ」
「わかってるわよ」
なんかこういうのいいな。
2人の関係性がよくわかる。
グウェンはベッドでくちゃくちゃになっていた黒いガウンを羽織って前を閉める。
劣等感を刺激される巨大な聖剣が隠れてくれた。
「それで、お風呂は沸いてるかしら」
「はい、いつでも入れるようにご用意してございます」
「だって。シゲちゃん、一緒に入りましょう。男同士ですもの。裸の付き合いよ」
「まあ男同士だけどね……」
素直には受け取れない男同士だ。
俺はグウェンの好みとは違うらしいから問題はないんだろうがな。
クラスに一人くらいの割合でLGBTは存在しているとか聞いたことがあるし、どのみち温泉で一緒に風呂に浸かっている人の中にも一人くらいはそういう嗜好の人というのはいる計算になる。
オネエと風呂に浸かるくらいはなんの問題もないか。
「わかった。風呂に行こう」
「案内するわ。こっちよ」
ガウンを脱ぎ捨て、グウェンは歩き出した。
今着たばかりなのにな。
グウェンの家の風呂はホテルの大浴場のように広くて素晴らしかった。
それだけだ。
おっさんとオネエの混浴描写なんぞいらないだろ。
俺とグウェンは昼食を兼ねた朝食を食べながら今後のことを話し合う。
「あたしはしばらくヌルバスタでのんびりしようと思うんだけど、シゲちゃんはどうする?」
「とりあえず俺は冒険者ランクを少し上げたいかな」
昨日一応マルスとマルクルと一緒に冒険者登録は済ませたけれど、登録したばかりだからランクは当然最低ランクのFだ。
俺たちがグウェンの知り合いであることはすでに知れ渡っていてテンプレイベントは起きなかったが、冒険者たちの顔にはおっさんがFランク冒険者とか笑わせるぜはっはーと書いてあった。
SランクやAランクというランクになって羨望を集めるのはすぐには無理だろうが、せめておっさんがそのランクでも笑われないくらいのランクにまでは早く上がりたいものだ。
冒険者ランクを上げるには地道に依頼を達成して冒険者ギルドからの信頼を得るしかない。
マルスとマルクルに負けないように頑張らなくては。
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