女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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一狩りして来た

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 帰りも人に見つからない様に指示して飛んで来た。
それでも影がかなり伸びててちょっと焦る。クリープ+全力疾走。ヒィヒィ言いつつ門に辿り着いた。

「なんだお前、そんなに急いでモンスターにでも追いかけられたのか?」

「ばっ、そんなん…じゃねぇよ。ハァ、ハァ…。門限に遅れないように、帰って、来たんだよ…、ふぅ~…」

「そうか」

「宿に金、払っちまったしな」

「とっとと入って風呂にでも行ってこいや」

「そうするよ、お勤めご苦労さん」

風呂より先に換金だ!
ギルドに入ってすぐ買取カウンターへ向かう。

「あら?またいらっしゃったの?」

「ああ、一狩りして来た。と言ってもウロの実なんだが」

「ポーションの原料は何時でも大歓迎ですよ。こちらにどうぞ」

カウンターの上にウロの実を乗せていく。
ポケット二つで小山ができた。

「こんなに沢山、大変でしたでしょう」

「集めるのより移動がな。宿を取ってしまったから帰りたかったし」

「すぐに確認しますね」

「よろしくどうぞ」

ウロの実は百五十八個あったが一つ潰れて買取不可。その場で咀嚼する。うん、不味い。

「フフッ、あまりお好きではなさそうですね。
ウロの実百五十七個で七千八百五十ヤンになります。お確かめ下さい」

銀貨七枚、銅貨八枚、鉄貨五十枚。やはり鉄貨は百で繰り上がりか。
臭い袋に鉄貨を詰め込み、その他の金は財布に安置する。確かにこの重さなら武器に成りうる。

「青臭さがどうもね。鉄貨を両替したいんだけどここでできるの?」

「はい、大丈夫ですよ。百枚ですか?」

「ああ、殴るには良さそうだがもう入らないからねー」

ジャラッと出して百枚数えて貰い銅貨一枚財布に入れた。まだ攻撃力はありそうだ。

「そうそう、採取品を直接こちらに持って来るのも良いですが、依頼を見ておくのもお勧めですよ」

「今日は急いでたからね、明日からはそうするよ。それじゃ!」

美人さん見て癒されたので風呂入って飯食って寝るか!


 風呂屋に向かう先に、馬鹿スリをいじったり昼飯を買ったりした広場があるのだが、ちょっと金を持ち過ぎているので買い物しようと寄ってみた。飯屋はそろそろ店仕舞い。雑貨屋は殆ど無くなってたが、片付け中の店を見つけて物色してみる。

「なんだいあんた、買ってくれんのかい?冷やかしなら明日にしとくれ」

「鉄貨を入れる皮袋と荷物を入れるカバンなり袋が欲しいんだ。明日でも良いが今日来たばかりで同じ店を見つける自信が無い」

「あんた正直者だね。皮袋なら首から下げるこれが良いよ。殴るんだろ?」

「最終手段でな」

「カバンなら背負いのが良いけどうちには無いねぇ。肩掛けで良いならコイツにしな。布製だけど中に仕切りもあるから多少便利だよ」

皮袋が二千五百ヤン、肩掛けカバンが四千ヤンだった。言い値で買ってやるとおまけに火打石と打ち金をくれた。田舎者だが現代っ子の俺に使えるのかこれ?

ポケットの中の物を財布以外全てカバンに詰め込み風呂屋に向かう。


 公衆浴場は石造りの平屋で結構でかい。銭湯みたいな煙突がない。温泉なのかな?
入り口入って受付があり、金を払って鍵を受け取る。宿屋の木札を小さくした感じの物で、首から下げる紐が付いている。

受付の婆さんに男湯を確認して中に入る…が、タオル無いのを忘れてた。
婆さんに聞いたら売ってたので買わざるを得ない。一枚五百ヤン。

脱衣場で服を脱ぎ、銭湯よりもテルマエに近い風呂に入って行く。後はご想像にお任せする。


 湯上りの火照った体を夜風で冷やしながらの帰宅。
食事は一階奥の食堂で摂るそうな。
夕飯は謎肉を焼いたのと赤いスープと平たい円盤状のパン的な何か。

謎肉は見た目ステーキだが焼肉と言われた。間違ってはいない。食った事の無い味だが噛みごたえのある赤身で塩とスパイスで美味い。

赤いスープはワインっぽいので煮込まれた野菜と謎肉のスープだ。塩とスパイス、野菜の甘み。そして僅かな青臭さ…?またクコウロの実か?

パン的な何かはパンだった。シルケでは《ソーサー》と呼ばれている。確かにパンは鍋だが皿なのはどうかと。だが、その昔は皿の代わりに具材を置いてパンごと食ってたらしい。ピザみたいなもんかと一人納得。味は全粒粉のパンで普通に美味い。

量もそれなりで腹一杯、明日も稼がにゃならないし、やっとベッドで寝られる!
部屋に戻って鍵掛けてすぐ寝た。
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