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尻が痛い!
しおりを挟む「命を助けて頂き有難う御座いました。私、アフマクシア公国ベスファン公王が次女、カルメリア・ミラルダ・アフマクシアと申します」
名前長いな。で?
「私達三人、ホルストを御する事が出来ません。街迄で良いのです。どうか御助力願えませんか?」
俺もホルスト触った事無いけど。意訳するとさっきのメイドと一緒だな。
「イゼッタ」
「解った。後ろから着いてく」
そっちかー。仕方ないのでメイド共にホルストを連れて来させ、貴族の車に繋がせる。
コイツら絶対ホルスト扱えるだろ。
やった事無い御者席に座り、中に居座る女共に告げた。
「近いかどうか分からんがメルタールに向かう」
「え…、あ、はい」
「何か?」
「私達はメルタールから来たのです」
「戻りたくないのか?」
「……」
「何か言えよ」
「出来れば、違う街でお願いしたいのですが…、何卒良しなに」
メルタールから離れた先は俺達が居た湖を越えてバルタリンドしかないぞ。
「そうなると俺はバルタリンドしか知らんが、そこで良いか?」
「はい!有難う御座います!」
コイツらの目的地はそこか。船に乗って何処か行くのかなー。お風呂出来てると良いねー。
車を浮かせずガラガラと逃げた。ホルストが驚いてた。
イゼッタの操縦する荷車は、俺の運転する車のすぐ後ろを着いて来てる。カラカラと音がしてるから判るが、車輪は温存したいんだよ…。
俺の運転する車よりイゼッタの荷車の方が速度は出る。しかし速度は出さない。つか、出せない。尻が痛いのだ!
「テイカ!尻が痛い!」
「直ちに」
直ちに持って来た。撫でてあげよう。
お尻の危機は去ったが、それでも速度は上げない。焦って逃げる事は無いのだ。追っ手が居ないのだから。
夜になり、湖のある森に着いた。
「森の奥に湖がある。俺んちもな」
「そんな危険な場所に姫様を連れて行けるか!この痴れ者め!」
「だからこそ安全なんだよこの無能メイドが!」
ホルストごと空を飛び島に着く。浮き上がる時にヒャンって言ったのを俺は聞き逃さんぞ。
「懐かしの我が家」
目的も果たさずに木に覆われた我が家に帰って来てしまった。はぁ…。
ドアの分だけ木を切って中に入り、絨毯を敷き直し、ソファーや椅子にクッションを付けて、竈等家財道具を置いたら遅い飯の時間だ。
サッと生肉をゲットして、後はイゼッタに任せた。ゲストをソファーに座らせて、俺はベッドメイクでもして来よう。
ベッドにシーツや毛布を仕込んでいると、王女がノックして入って来た。
「冒険者様、何から何まで有難う存じます」
「イゼッタが助けようとしたんだ。仕方ないさ」
「料理をされている方ですね」
「わかるか」
「立ち居振る舞いで判ります。あの、冒険者様…、私、貴方様のお名前を伺っておりません。命の恩人の名前も知らぬのは公族にあってはなりません」
「カケルだ」
「カケル様…」
「そろそろ飯の時間だ。居間に行くぞ」
言葉を遮り部屋を出ようとすると後ろから柔らかい感触が。
「こんなお礼しか出来ませんが…」
「先ずは飯、そして風呂。その後寝てなきゃ抱いてやる」
柔らかさから逃げるように部屋を出た。
「一杯食べて寝てしまえ」
アンタ嫁が増えるって喜んでたでしょうが。
大量の焼肉を目の前にして、肉食獣が五匹に増えた。
皿とかカトラリーなんていつの間に増やしたんだ?お肉無くなっちゃうので考えるのを辞めた。
一杯食べて、お風呂で温まって、三人をベッドで寝かせた。俺達は絨毯にソファーのクッションを敷いて寝る。こっちの方が柔らかくてスコ。
イチャイチャチュッチュしてアンアンして寝た。
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