女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

文字の大きさ
79 / 1,519

尻が痛い!

しおりを挟む


「命を助けて頂き有難う御座いました。私、アフマクシア公国ベスファン公王が次女、カルメリア・ミラルダ・アフマクシアと申します」

 名前長いな。で?

「私達三人、ホルストを御する事が出来ません。街迄で良いのです。どうか御助力願えませんか?」

俺もホルスト触った事無いけど。意訳するとさっきのメイドと一緒だな。

「イゼッタ」

「解った。後ろから着いてく」

そっちかー。仕方ないのでメイド共にホルストを連れて来させ、貴族の車に繋がせる。
コイツら絶対ホルスト扱えるだろ。
やった事無い御者席に座り、中に居座る女共に告げた。

「近いかどうか分からんがメルタールに向かう」

「え…、あ、はい」

「何か?」

「私達はメルタールから来たのです」

「戻りたくないのか?」

「……」

「何か言えよ」

「出来れば、違う街でお願いしたいのですが…、何卒良しなに」

メルタールから離れた先は俺達が居た湖を越えてバルタリンドしかないぞ。

「そうなると俺はバルタリンドしか知らんが、そこで良いか?」

「はい!有難う御座います!」

コイツらの目的地はそこか。船に乗って何処か行くのかなー。お風呂出来てると良いねー。
車を浮かせずガラガラと逃げた。ホルストが驚いてた。

 イゼッタの操縦する荷車は、俺の運転する車のすぐ後ろを着いて来てる。カラカラと音がしてるから判るが、車輪は温存したいんだよ…。
俺の運転する車よりイゼッタの荷車の方が速度は出る。しかし速度は出さない。つか、出せない。尻が痛いのだ!

「テイカ!尻が痛い!」

「直ちに」

直ちに持って来た。撫でてあげよう。
お尻の危機は去ったが、それでも速度は上げない。焦って逃げる事は無いのだ。追っ手が居ないのだから。

 夜になり、湖のある森に着いた。

「森の奥に湖がある。俺んちもな」

「そんな危険な場所に姫様を連れて行けるか!この痴れ者め!」

「だからこそ安全なんだよこの無能メイドが!」

ホルストごと空を飛び島に着く。浮き上がる時にヒャンって言ったのを俺は聞き逃さんぞ。

「懐かしの我が家」

目的も果たさずに木に覆われた我が家に帰って来てしまった。はぁ…。
ドアの分だけ木を切って中に入り、絨毯を敷き直し、ソファーや椅子にクッションを付けて、竈等家財道具を置いたら遅い飯の時間だ。

サッと生肉をゲットして、後はイゼッタに任せた。ゲストをソファーに座らせて、俺はベッドメイクでもして来よう。

ベッドにシーツや毛布を仕込んでいると、王女がノックして入って来た。

「冒険者様、何から何まで有難う存じます」

「イゼッタが助けようとしたんだ。仕方ないさ」

「料理をされている方ですね」

「わかるか」

「立ち居振る舞いで判ります。あの、冒険者様…、私、貴方様のお名前を伺っておりません。命の恩人の名前も知らぬのは公族にあってはなりません」

「カケルだ」

「カケル様…」

「そろそろ飯の時間だ。居間に行くぞ」

言葉を遮り部屋を出ようとすると後ろから柔らかい感触が。

「こんなお礼しか出来ませんが…」

「先ずは飯、そして風呂。その後寝てなきゃ抱いてやる」

柔らかさから逃げるように部屋を出た。

「一杯食べて寝てしまえ」

アンタ嫁が増えるって喜んでたでしょうが。
大量の焼肉を目の前にして、肉食獣が五匹に増えた。
皿とかカトラリーなんていつの間に増やしたんだ?お肉無くなっちゃうので考えるのを辞めた。

一杯食べて、お風呂で温まって、三人をベッドで寝かせた。俺達は絨毯にソファーのクッションを敷いて寝る。こっちの方が柔らかくてスコ。
イチャイチャチュッチュしてアンアンして寝た。


しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。 《作者からのお知らせ!》 ※2025/11月中旬、  辺境領主の3巻が刊行となります。 今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。 【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん! ※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

処理中です...