女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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カケルが居るから大丈夫

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 夕食を食べながら、三人に明日街へ向かう事を告げた。三人共何か言いたげだが、堪えてる様子。
メルゲルとの約束もあるしギルドに寄る事を伝えると煩いのが声を上げた。

「貴様姫様を売ったな!?」

「売られる様な事をしたのか?急いでたし話も聞かんで明日ギルドに寄る約束だけして帰って来たが」

「そんな事あるはず無かろう!」

「静かになさい。…カケル様、私はこの国を離れます」

「「姫様!」」

「船旅か、大変だな」

「御存知でしたか」

「あの街なら船も出せるだろうしな。船室に風呂が出来るのはもう少し先だろうなぁ」

「お風呂が無いのは残念ですが、あまり長居も出来ません」

「明日は留守番しとくか?商船会社の代表とはいささか縁がある。話をして来ても良いぞ?」

「ハイネルマールとも面識がおありとは…」

「家の風呂の技術は一割くらいあっちの知識だからな」

「九分九厘こっち」

正直なお嬢様だ。膝の上で肉を食むイゼッタを抱いてやる。

「行く宛てあるの?」

イゼッタの一声に俯いてしまった。俺が知る大陸の内、四つは戦争やら内紛やら、なんらかのいざこざが起きている。残るは北の大陸しか無い。名前は忘れた。

「宛が無いならここに居ても良いの」

「御迷惑…、でしょう?」

「そうだな。一晩に五人の相手なんて続けてたら干からびてしまう程度には迷惑だ」

「嬉しいくせに」

「嬉しいぞ?快楽と体力は別だがな」

「遠くない未来、ここにも追っ手が来ます。私達に構わない方がよろしいかと思います」

「俺達も引っ越す予定だったから気にすんな。メルタールでイゼッタに避妊魔法が掛けられてるか調べたら引っ越す予定だった」

「それでメルタールに…」

「ちなみに王女は?」

「無礼だぞ!」

「俺みたいなのの子を孕むなんてあっちゃならんだろうから予想はできるがな」

「はい。施されております」

「なら好きなだけできるな」

「はい!今夜も楽しみです!」

今夜もするのか…。因みに、メイド二人も施されて居た。孕めるのはサミイだけか。
一先ず明日は俺とイゼッタが街へ行き、商船会社で話をして、ギルドに寄って帰るスケジュールとなった。


 朝、羊皮紙の巻物を手渡され、これを見せれば信用されると言われた。要はお手紙。切手代わりに口の中をくちゅくちゅされて街に飛ぶ。

商船会社の受付嬢は俺達の事を覚えてた様で、巻物を見せてアポを取ると間を置かず会う段取りを付けてくれた。暫くして三階の執務室に通された。

「イゼッタ嬢、久方振りです。カケル殿も壮健何より」

「ハイネルマール殿もご機嫌麗しゅう」

貴族の挨拶は長い。折を見てイゼッタに巻物を渡し、それを髭ミドルにリレーすると、途端に顔色が変わる。

「これを何処で?」

「故あって匿っております。どうぞ中をお改め下さい」

封印を解いて中を読む髭ミドルに暗い影が差す。

「お助けしたいのは山々ですが今は船がありません。建造中の船はありますが、完成を待つには時間が掛かり過ぎます」

信じて良いものか?貴族の嘘は俺には見分けられん。口を挟まず聞き手に回る。

「分かりました。それでは引き続きこちらで保護致します」

「イゼッタ嬢、それはあまりにも危険では?」

「カケルが居るから大丈夫です」

「カケル殿、出来るのか?」

話を振られてしまった。

「ハイネルマール様の功を横取りしてしまうのは本意ではありませんが、私のスキルは移動に特化しており、大陸を渡る事も可能です」

「そうだったな。其方はイゼッタ嬢をこの地迄連れて来たのだったな。功など要らぬ、必ず御守りしてくれ」

「承りました」

 お茶を飲んで商船会社を後にした。
まだ日も高いのでギルドには行かず、串焼きを食べながら港を泳いでる魚を見て過ごす。

「近場で無人島でも探すかー?」

「賛成」

移動用の箱が出来た、と言うより大勢を運ぶ手段を得られたので移動の不安は完全に消えた。買い物するのに時間を食うが、安全度は飛躍的に上がるだろう。
昼寝したりイチャイチャして暇を潰して夕方まで過ごし、ギルドに向かった。






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