女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

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最強武器

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 ギルドから戻ったら皆お茶してた。テイカもドア作りは終わったようで、地元の大工に支払いも終えて寛いでいると言う。

「昼飯食ったら穴掘りに行って来るよ」

「穴?」

「岩山にトンネル掘ったら移動が楽になるかなーって」

「私も行く」

一人が行くと皆行く、女の連携って奴だ。蛇に噛まれないように気を付ければ問題無いだろう。外に出てちょっと高そうな店で昼を済ませて街を出た。
門から出て暫く行くと目の前に薮、その奥に林があり、更に奥には岩山が聳えてる。

「イゼッタ、頼む」

「頼まれた」

以前街道を切り開いた風のグラインダーが縦に4枚並んでる。大きさは十ハーン程か。近くを歩く冒険者が驚いてるな。

「カケル様、防御は私にお任せ下さい」

リアの風魔法が俺達の前に壁を作るのを確認して歩き出すと、地面を削り、薮を粉にしてバリバリガリガリ削れて行った。
暫く歩いて林を抜けて、岩山の麓。今度は俺の仕事だ。

目の前の岩山に向かって高さ×ハーンの大きさで《散開》させる。水が溜まらないように少しだけ傾斜を付けて、長さは勿論山を抜けるまでだ。
流石山。《散開》が貫通するまで体感で一時間くらい掛かったと思う。
暇を持て余したイゼッタは昼寝を始め、リアはメイドとお茶を愉しみ、テイカはブフリムをぶちのめし、俺の膝はイゼッタの枕になった。

「イゼッタ、風の強いのを頼む」

「んに…」

寝惚けて御座る。仕方ないのでイゼッタのおっぱいを撫で擦り、そっと浮かせて仕事に戻る。
イゼッタの魔法頼りで《散開》したが、無いなら無いで問題無い。焼き麸のようになった直線を、今度は《集結》させて行く。縦横を小さく小さく、山の向こうまで続いているのを短く短く。
短くなるのに併せて俺達も付いて行くが少し入っただけで真っ暗闇だ。すぐにリアが小さな火の魔法で照らしてくれた。ちょっと暑い。

「松明でも良いが、光の属性魔石が売れそうだな」

「確かに少し暑いですね」

小さくなった塊は、トンネルの中程で一ドン程の球になり、こっちに転がって来た。

「あれに触るなよ?」

  「穴の土砂をあの小ささに押し固めたとなると、重さが凄い事に…」
「ある程度軽くはしたが、そう言う事だ」

これがあるからスカスカの内に風で吹き飛ばして欲しかったんだよな。転がる球をスキルで慎重に浮かせてキャッチした。多分、逃げてる状態じゃないと持てないと思う。そして、鉄球より安価で、当たれば最強武器足り得る石ころを手に入れてしまった。

微々たる傾斜を登りきり、反対側の麓に着いた。最近しっかり歩いて無かったから結構足にキたな。昼寝から覚めたイゼッタに、此方側の整地をしてもらい、トンネルの完成となった。
さて、ナンシー達は何処まで進んでるかな。《感知》で探すと結構近くまで来てるみたいなのでイゼッタを迎えに行かせた。


 夜になり、特別に門を開けてもらって難民が到着した。皆を難民施設に送ると、ギルド経由で街が手配した食事に群がって行った。

「カケル、戻ったか」

夜にしては多めの野次馬の中にギルマスも居たようだ。野次馬と言うか街の有力者だなあれは。

「難民はこれで全部だ。属性魔石を用意したいから後は任せても良いか?」

「分かった。穴の方はどうなった?」

「中が暗い。松明なりランタンなり用意した方が良いな」

「全く、とんでもない事をしてくれやがる…」

「明日には一度家に帰るよ。後はよろしく」

宿に戻って飯風呂寝る。明日はお土産をかって帰ろう。






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