女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

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彼奴との決着

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 強い奴を探して飛んでいる俺達だが、やはり彼奴との決着は付けねばならん。
あの時、彼奴は石を投げて来た。俺は石を投げられなかった。ゲロは吐いたが逃げ切る事はギフトで余裕だったんだ。石を投げる余裕もあった筈、なのに諦めてしまった。
俺はキネイアッセン大陸、否、俺を負かしたあの野郎の元に飛んだ。

家のあるヒズラー大陸を素通りし、ウラシュ島を跨ぎキネイアッセン大陸に入るのが最短ルートのようだ。

「やはり一度家に戻れば良かったか?」

「それはダメ、お土産無しで帰る事になる」

「だよなぁ」

夕飯を食べたら寝るしか無い。イゼッタに抱き着いて寝た。

「カケルー」

ゆさゆさされた。

「カケルッ!カケルッ!カケルカケルカケルー!」

この狼狽え様はトイレだな。眠い目を擦り目覚めると、冷や汗だらだらのイゼッタが耐えていた。
此処でされても可哀想なので森の樹冠まで降りて行く。木を切って安全を確保したいがイゼッタがこれなので魔法は使えまい。木と木の間の地面を《伸縮》させて壁を作り、五平方ハーン程の個室にしたらイゼッタを抱えて降ろしてやる。葉っぱはそこらので我慢してくれ。スッキリしたら飛べるだろうから荷車に戻って暫しの休憩となった。

「あの、カケル様…」

リアもでした。ついでだから全員垂れて来なさい。飛んで戻るイゼッタと入れ替わりでリアとメイドを降ろした。

「ご主じーん、もーいーぞー」

暫くうとうとしていると、垂れ終えたフラーラが呼ぶので荷車に引き上げて再び出発だ。高度を上げて、目的地に進むのを確認して眠りに着いた。


 朝日と共に目が覚めて、眼下に森が広がるのを確認する。音までは聞こえないが、木々がガサガサ動いてる。どうやら着いたようだ。

「イゼッタ、少し此処で浮かせといてくれ」

「ん。行ってらっしゃい」

石ころを持って荷車から歩み出て、森に落ちて行った。樹冠から百ハーン程上空で停滞し、大きく振りかぶると、奴は這ったまま距離を取ろうと移動する。警戒しているな?その刹那、木々をバリバリへし折りながら勢い良く駆け寄り飛び掛って来た。
同じ速度で俺も高度を上げるとマヌケ面と目が合った。満面のドヤ顔で返す。落下する彼奴の足元を《散開》でスカスカにしたら、ズボッと肩まで地面に埋まったのですかさず《集結》して動けなくしてやった。腕をばたつかせて這い出ようとしているが、それは無理だ。泥沼ですら、何とかして足を出すのが脱出の第一歩なのに此方は鋼鉄以上の強度がある。腕の力で引き抜こうとしたので両手も埋めて固めてやった。詰みである。

奴の前で大きく振りかぶって、投げたのはトンネルを固めた物。見えない程の速度で投げつけられた小さな球は避ける間も無く目玉に直撃して頭を消し飛ばした。

「ふぅ…」

血の噴水が辺りを青く染める。赤くないからグロさは薄いが血生臭いのは一緒なのな。柔らかくした地面から引き抜いて、逆さにして血抜きをしたら空高く飛ばして海竜同様星にした。あまり気は進まんが食えるかも知れないし、第一此処では解体出来ないからな。
《洗浄》して荷車に戻った。

「カケル、おかえり」

「ただいま。これで家に帰れるな」

「カケル様、討伐おめでとうございます」

ゆっくり称賛の喜びを噛み締めたいが家まで遠いのでさっさと帰ろう。高度を上げるとすぐに移動を開始した。勿論星になった彼奴も一緒だ。
帰りにバルタリンドに寄って解体ナイフを貰って行こう。
最強武器石ころ?欲しければくれてやる。勝手に拾って持って行け。持てるならな。







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