347 / 1,519
押して参る
しおりを挟む森の中に居る人種は比較的簡単に見付かる。街道を往く商隊に冒険者。森の中を獲物を探して彷徨う狩人に冒険者。ケブ一匹を囲んでボコってるのも居るな。街道の脇で複数人でじっとしてたり、穴の中に複数人で居るのは多分野盗か冒険者。マーキングして確認に行くと、毛皮の塊を発見した。連れションしてる冒険者じゃ無くて良かった。人数は十人、上からは丸見えだが街道の左右に隠れてて、街道の前後に一人ずつ斥候を置いて報告を待っていた。
暫くしたら商隊が来ちゃうので、此処は俺がサクッとします。
全員纏めて《収納》に入れた。
「…え?消えたんだけど?」
「後で出すよ」
「出す?どゆこと?」
「信じられない…」
理解したくないキュルケスに、理解の追い付かないワーリン。
「キュルケス分かんの?説明してくれよ」
「カケルさんの《収納》に仕舞われたんだと思う、多分」
「へー、凄いな」
「生き物は入らないって聞いた事あるんだけどね」
「生きてないから入ってるぞ」
「楽で良いけどオレも働きたい!」
「ワーリンはブレないわね」
「この人は人外だもん。そのくらい出来るさ」
「俺なんてまだまだ。龍なんて、超遠い場所に居る獲物をコレで狩るんだぜ?」
「人以上ドラゴン以下だったよな」
「そんなの絶対近付きたくないわ」
「近付く前に死んじまうよ。そろそろ商隊が来ちゃうから移動しようか」
街道沿いにはもう居ないみたい。移動しながら巣を探そう。
穴の中に居る人種なんて、宝探ししてる冒険者以外なら苗床か悪人に決まってる。モンスターが多数入ってるなら苗床だろうし、モンスターが居なければ悪人だ。
橇風呂の直下にある穴は人しか居らず、入口に二人の門番が隠れてる。即ち、当たりである。奥の方には四十七人。攫われて性処理に使われてる女は…居ないか、残念。
「この穴は皆殺しで良さそうだぞ」
「行って良いか?」
「良いぞ」
俺の言葉を受けてワーリンが飛び降りた。俺は門番の後にそっと煉瓦の壁を作り通せんぼ。突然現れたワーリンに驚く門番。そして突然出来た壁に仲間を呼ぶ事も出来ず、抵抗虚しくボコボコにされた。
「ワーリン、顔は判別出来無くなるからダメだ。ボディとか側頭部にしな」
「そだね、わかったよ」
死に掛けの二人の顔を治療して、大鉈で首を撥ねた。吹き上がる鮮血に興奮してフーフーしてるワーリンを抱いてやる。よしよしよしよし…。
「少し落ち着け。これからもっと殺すから体が持たんぞ?ひっひっふー、ひっひっふー」
「ふっふっひっひっふー、ひっひっふー…。オレが、殺ったの…?」
「俺がやったんだよ。治療してただろうが」
「落ち着いて行きましょ。中には罠もあるかも知れないし」
「うん。オレ、人の討伐は初めてなんだ…」
「冷静に、殺す事と死なない事を考えろ。モンスターを殺るのと違うのは、相手に知恵があるかどうかだけだ」
ワーリンが落ち着くのを待って中に潜入する。
「カケルさん、この壁どうにかしてよ」
「押して参る」
「押すの?」
「押すよ」
床、壁、天井をレンガに変えながら、壁を前に押し出して後を着いて行く。人も罠も、コレで封じ込められる。ある程度遮音出来るし、しかも臭くない。分かれ道に着くと壁で蓋をして、お宝は回収し、人はワーリンのサンドバッグになった。
「私の出番は無さそうね」
「魔力は温存するのが基本だろ?」
「そうなんだけどね」
ワーリンに大鉈を一本持たせ、首を狩らせる。これが出来るかどうかで食える冒険者になれるかどうか決まる。掲示板に貼ってあるのを見たが、野盗の討伐依頼はCからなんだ。転がって来た首を来た方向に蹴り転がすキュルケスは経験済みなのだろう。
「慣れては無いけど、殺らないとヤられて殺られちゃうからね」
命の安い世界、情けは己の為成らず。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
目を覚ますと雑魚キャラになっていたけど、何故か最強なんです・・・
Seabolt
ファンタジー
目を覚ますと雑魚キャラに何の因果か知らないけど、俺は最強の超能力者だった・・・
転生した世界の主流は魔力であって、中にはその魔力で貴族にまでなっている奴もいるという。
そんな世界をこれから冒険するんだけど、俺は何と雑魚キャラ。設定は村人となっている。
<script src="//accaii.com/genta/script.js" async></script><noscript><img src="//accaii.com/genta/script?guid=on"></noscript>
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します
burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。
その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。
レベルアップは異世界がおすすめ!
まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。
そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。
【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら
七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中!
※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります!
気付いたら異世界に転生していた主人公。
赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。
「ポーションが不味すぎる」
必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」
と考え、試行錯誤をしていく…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる