女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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新築なので建付けは良い

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 リュネドラが顕現し、崖沿いが凸凹してから稍あって、島の中の方が盛り上がって来た。家と言うか、山だなあれは…。光ってて見え難いが、山に平地と壁があるように見える。そして、暫くして光は消えた。暗さに目が慣れて見える島は、やはり家には見えなかった。

「カーケールさぁ~ん」

尻尾をブリブリ振りながら飛んで来るリュネを抱き締める。人型でなければ死んでいたぜ?

「よしよしよしよし。よく頑張ったなー、偉いぞよしよし凄いなよーしよしよし」

某王国国王並に、頭から背中から撫でまくり、ぺろぺろチュッチュと褒めまくる。勿論効果は抜群だ。

「カケルさんとカララちゃんの為にがんばりましたぁ~ん」

「よしよし。中を見ても良いかい?」

「是非是非~」

 リュネに手を取られ、皆で島に向かう。星明かりでは島の全体がよく見えないな。取り敢えず山の麓に降りると、壁面は扉になっていた。龍でも入れる巨大な扉だが、これ俺でも開けられるのか?

「デカいな。これ人の力で開けられんの?」

「新築なので建付けは良いですよ、うふふ。それに、ちゃんと人の子が入れる入口もありますからね」

カラクレナイが居るので大扉を開けて中に入ると中は真っ暗。夜だから仕方無いね。光の棒に魔力を込めて浮かせると中の様子に心奪われた。
広いエントランスは龍が三匹余裕で歩ける程広く、エントランスをぐるりと囲む螺旋階段はカラクレナイが歩ける程の幅があり、天井まで伸びていた。床、壁、そして階段の全てが白磁のような光沢を持ち、光を反射し輝いて見える。そう言えば扉も真っ白だったな。

「えらく広いなー」

「食堂も兼ねてますから。基本の造りはセカンドハウスと変わりません」

目を凝らすと奥の方に厨房らしきカウンターが見える。

「ならお風呂は地下か」

「はい!階段の裏に地下への階段がありますよ」

リュネの言葉通り、上への階段に隠れるように、地下への階段が伸びている。光の棒を浮かせて下に降りて行くと、少しして浴室との目隠しとなる曲がり角が現れる。そしてドアが並んでる。この角を進むと更衣室になっているそうで、並んでるドアの先はトイレとの事。開けてみると座るタイプのトイレで、紙置きや手洗い場も付いている。

「属性魔石を沢山使ってしまいますが、良いですよね?」

「問題無い。この街は便利道具に溢れた街にしたいからな」

流石に尻を洗う装置までは作れないと思うけどね。

 更衣室は何も無い広い部屋。流石に家具まで作る余裕は無かったようだ。これは後でテイカ達に頑張って貰おう。
更衣室を抜ける通路を更に下ると、直ぐに広い空間が現れる。光の棒では先が見通せないな。

「カケルさん。このクリスタルに光をお願いします」

「今は手持ちが無いから魔法で何とか…」

乳白色のクリスタルは空間の至る所にあるそうで、それにいちいちトカゲの魔石なんて使えない。今回はリュネの光魔法でお茶を濁してもらおう。
それでもとんでも無くキレイなんだが。セカンドハウスは敢えて暗目にして幻想的な雰囲気を出していたが、此方は輝いて神々しい。床面は明るく、天井は暗くなっていて、物凄く天井が高く感じる。浴槽は四段あり、水路で繋がっている。これは上の方に水と火の属性魔石を仕込むタイプだな。明るくなった浴室を見渡すと、岩に隠れた一角を見つけた。水路が繋がってるが、何だろう?

「あの一角は何だ?」

「洗濯用のフロアですよ」

「へー、考えてるなー。取り敢えず一番下の浴槽に湯を張ろうか」

水の棒と火の鉄板を起動して一旦地上に戻り、今度は上に向かおう。

 螺旋階段を上がると五ハーンくらい毎に横道が現れる。これは客室に繋がっていると言う。それが四階分あり、階段の最上部は俺達の居室だそうだ。カラクレナイが通る所は極力扉を排し、曲がり角で目隠しをしているのがこの家の拘りの一つであるだろう。
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