女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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これが俺か…

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「リュネ、食料はあるか?」

どれだけ使ったかは分からんが、あの放出量は俺が買って来た量では絶対足りない気がする。

「お肉は問題ありませんが、野菜等は買い足さなければいけませんねぇ」

「皆に買い付けしといてもらうかね」

「では、連絡もあるので巣の前で待っていてください」

報連相で、家に戻って行ったリュネ。俺は片手でアイツを掴み、もう片方で尻尾を抱えて巣の前へ。《洗浄》したのでもう地面に着けたくないのに、女児が触らしてーって来る。仕方無く石畳の地べたにでろ~んすると、抱き着く女児達に、再び寄って来る大人兎達。俺のアイツは味でもするのか?脱力して暫し待つ。

 龍化して、間を空けずに人化するのをネーヴェがごねる。

「背中のらして」

「好きなだけ乗れ」

「「「わたしも~」」」

女児達もか、落ちないようにな。俺は風魔法で守る事が出来無いので、飛んで遊ばせるのは無理だ。ちんぽでろ~んしてるしな。腹這いになってじっとしてると、ネーヴェが乗ったと言う。乗ってる感覚は無いのだが、首をもたげて四人乗ってるのを確認した。

「カケル、飛べる?」

イゼッタだ。何処に居るんだ?

「イゼッタ、何処だ?」

「頭の上」

「危なくないか?」

「角掴んでるからへーき」

 角生えてるのか…。誰も俺の容姿について凄いってしか教えてくれないのですげー気になる。切実に鏡が欲しい。
金属を磨いて作れると思う。手持ちは鉄と銅とミスリルがあるが、鉄で作るのが見え方としても良いだろう。《収納》から鉄塊を取り出して《伸縮》で薄く伸ばす。が、艶が無い。《集結》で挟むように圧して失敗。艶の無いまま圧された。

「主様、焼き鍋でも作っているのか?」

「鏡作ってんだ」

「成程。ならば真っ二つに切れば良かろう」

「その手があったか」

薄い面と平行に、半分程《収納》すると、ツルッとした面になった。これをネーヴェにとぅるっとぅるにしてもらい、ちょっと黒い鏡となった。鉄はクロガネだから仕方無し。

「お、おお…。こぇぇ…」

 浮かせた鏡が顔を映す。金色の隈取のある紫色の龍が此方を見ていた。鏡のせいで黒味を増して余計怖く見えるぜ。これが俺か…。

「恐怖耐性は付いてるんだが…、これは怖いな。お前等怖くないの?」

「カケルだもん」「「「カケルさまだから」」」

そりゃそうだな。俺じゃなければチビっちまうぜ。

「龍にしては中々尖った姿をしているな」

「主様は魔力が高い。雌にモテそうだ」

「カケルさぁん、だぁ~い好き」

龍的にはイケメンらしい。殆ど魔力のおかげだろうがな。イゼッタが掴んでる角はと言うと、頭に髪の毛かって程、とにかくすげー数生えてて、スーパー戦闘民族みたいだ。イゼッタは角と角の隙間に挟まってる感じ。
体を見ると、翼は一対。これは普通だな。首全体と、肩から肘、腰から膝、尻尾の付け根から中程に掛けて鎧状の大きい鱗が並んでギザギザしてる。ミーネの言う通り、尖った姿だなコレは。
何時も食べてる一般的なトカゲと比較すると、角は一対で二本。後頭部から尻尾に掛けて大きい鱗が並び、その他の鱗は凄く小さい。
此処に居る龍でゴツいリームは大きい鱗は首から腰に掛けてだし、角の多いリュネは左右五対。それを鑑みるとミーネはシンプルだし、カラクレナイもシンプルだ。ネーヴェは龍の姿を見た事無いけど、原種の一つであるクリスタルドラゴンだそうなので、クリスタルな角が一対。

 やっと俺の姿に慣れて来た。外出ちゃダメなヤツだ。ゆっくり空に上がって島を一周しただけで戻って来たよ。鏡は女達が欲しいと言うので姿見とか手鏡サイズに切られてた。

 昼食を食べる皆を見ながら、俺は食堂の端でカラクレナイ達の背凭れになる。燃費が良いのか腹が減らないのだ。あれば食うって感じだけど今は良いかな。各地の龍が巨大カラクレナイみたいに毎日トカゲを食ってたら獲物なんて絶滅してしまうだろう。毎日何度も食事をするのは子供の時くらいのモノなんだってさ。
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