女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

文字の大きさ
787 / 1,519

足止め

しおりを挟む


 そんな訳で、ブフリム狩ろうと街の外に出た俺達だったが、探せば意外と見付からない。これが物欲センサーか。イゼッタがお強請りハグして来るので《感知》を使って見てみると、畑を越えた先にポツポツ居るのが見える。

「畑を越えた先に居るな」

「遠いって事ですね」

練習だけなら此処でも出来るが迂闊な威力で畑を潰したら怒られるだろうから、何方にせよ畑から離れねばならん。

「荷車出すから乗ってくれ」

《収納》から荷車を取り出して、十人は入れない。カリータとサスーンは天井に、残り六人が乗り込んで俺はイゼッタを乗せて飛ぶ。

「カ…、カケル、様…怖いです…」

「何だよ?良い眺めじゃねーか」

「お腹がキュンってするのよ!?無理無理無理」

空に上がって移動後直ぐに、カリータがサスーンに泣き付いた。カリータは高い所がダメみたいだな。このままだと吊り橋効果で二人がキマシてしまうので高度を落としてギリギリ地上を飛んでやる。それにしても、男は玉ヒュンとか言うけど女にもあるんだな。

「もう直ぐ出るぞー」

「は、はいよ」「私等も降りるぞ」

ゾロゾロと降りてフォーメーションを組む女達。俺とイゼッタは高みの見物だ。
サスーンとミニッツの壁役の後ろにサンティ。左右はスールズにミルカ。その両端に物理戦力のカリータとコーネリアで固め、殿はヤーン。ブフリム三匹相手では過剰戦力だが何処から敵が出て来るか分からない野外では準備万端で行かないと怪我に繋がる。まあ、この三匹以外敵なんて居ないのだけど。

「足止めするから足止めして」

カリータが意味不明な事を言って戦闘が始まった。
多勢に無勢。逃げるブフリムに遊撃のコーネリアが回り込み、サスーンとミニッツが囲む。そこにカリータの魔法が発動した。

「ギッ!」「グキッ!」「キーーッ!!」

三人に足止めされたブフリムの足元から草が生え出て絡み付く。足止めの為の足止めとはこう言う事か。
足止めしていた三人が間合いを取る。

「有難いけどお膳立てし過ぎだよ。行くよっ」

サンティの魔法が発動した瞬間、俺はブフリムを囲うように《結界》を張った。
発射は一発。だがブフリムに当たった瞬間、爆音と共に肉片や骨が全方向に弾け飛んだ。爆発に巻き込まれた残りの二匹に飛び散った骨が突き刺さり、貫通する。
《結界》の壁を緑色に染めて、サンティのお披露目は終わった。

「うひょー!外じゃヤバいなそれー!」

「私、死ぬ瞬間目が合っちゃった…。今日トイレ行くのが怖いよぉ」

「一緒に行こ?ね?」

サスーンは妙なテンションになってるし、目の前で爆散したのを見た前衛三人はご愁傷様である。

「カケル様、こんなに出力出たの初めてだよ…。壊れちゃあ居ないかねぇ…」

攻撃したサンティはアワアワしながら魔道具を隈無く見て状態を確認してる。

「コイツはダンジョンだけで使うのが良さそうだと思うねぇ。外で殺る時ゃ魔石を替えないと、こっち迄血を見ちまう」

「だよね」「混戦でも無理ですよ」「量産出来ないかな?」

ヤーンの言葉にスールズとカリータが同調し、ミルカが死の商人になりつつある。が、それを是とするのはサンティだった。

「もう一つ作る!コレよりもっと丈夫なヤツをねっ。今回は壊れなかったけど、これじゃあダンジョンに持ってくのは不安だよ。だから暫くは弱い出力の魔石で行くからね?」

「そうした方が良いね」「みんなの分作りましょーよ!」「力に溺れちゃダメよミルカ!?」「今度私にも使わせろよな?」「大きい盾、買おうかな…」「私も…」「私の存在価値が…」

姦しくも全員の了承が得られた所で直ぐに街へと戻る事となった。二発目を撃つのが怖いからだそうだ。気持ちは分かる。飯前に見るモンじゃなかったな…。皆、よくアレ見て焼肉に齧り付けるな。ソーサーとスープだけで昼食を済ませた。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

目を覚ますと雑魚キャラになっていたけど、何故か最強なんです・・・

Seabolt
ファンタジー
目を覚ますと雑魚キャラに何の因果か知らないけど、俺は最強の超能力者だった・・・ 転生した世界の主流は魔力であって、中にはその魔力で貴族にまでなっている奴もいるという。 そんな世界をこれから冒険するんだけど、俺は何と雑魚キャラ。設定は村人となっている。 <script src="//accaii.com/genta/script.js" async></script><noscript><img src="//accaii.com/genta/script?guid=on"></noscript>

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します

burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。 その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。

レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。 そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。

【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら

七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中! ※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります! 気付いたら異世界に転生していた主人公。 赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。 「ポーションが不味すぎる」 必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」 と考え、試行錯誤をしていく…

処理中です...