女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

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今夜もよろしく

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「今日は潜らなかったのか?」

 ギルドを出て歩きながらヤーンに聞いてみたら、他のメンツは先に潜っていると言う。それ、俺が付いてかないとヤーンは合流出来無いんじゃないのか?

「一人で潜る…んな訳ゃ無いか」

「三日、あるんだろ?ふふふっ」

それも狙ってたか。本当は早く帰ってアレを直して貰いたいが、福利厚生も必要だよな。二人でダンジョンに向かう事になった。

「因みに俺の全裸、見たのか?」

「私等が来た頃には衛兵に囲まれてたね。ふんマラで連れてくなんてどうかしてるよ、全く」

見たのか。囲んで来た奴等に服はあるって言ったんだけど、動くな歩けと聞く耳持たずだったんだよな。街の女の視線が癖になりそうだったぜ。

 ダンジョン前の受付で鑑札を買って再びダンジョンへ。

「今度は装備を纏ってから出て来い」

衛兵に弄られて中に入る。そしてヤーンを浮かせ、《威圧》の壁で二人を囲って飛んで進む。

「あ、カケル様だ」「ヤーン、こっち~」

十本槍の面々は、十階のボス部屋前で待っててくれてたみたい。そりゃそうだろな。俺が豚箱から出られなければ一人で此処を越えねばならん。行けなくは無いだろうが流石に消耗は激しかろう。

「カケル様、今日はイゼッタちゃん居ないの?」

「一人で出稼ぎに来たんだ」

「で?羽目を外してたっぷり楽しんで来ちゃったんだ?」

「ヤらないと外に出られなかったんだ」

「へぇ~」

「そろそろ行くよ?カケル様もよろしくね?」

ミルカの嫌味をスルーして、ボス部屋に入って行った。


 道なりに居る雑魚を倒しながら二十一階にやって来た。十本槍の面々はこれから少し奥へと行くそうで、俺には部屋を取って置いて欲しいそうだ。皆を浮かせて出口迄送ったらホテルオナホへと飛ぶ。
前回使った部屋はまだあった。ドアっぽい場所に取り付くとムニョンと壁に穴が開く。どうやら入って良いようだ。部屋に入ると自動で閉まった。

(今夜もよろしく)

壁に手を付き《念話》を飛ばし、装備を仕舞って風呂へと向かう。清々しい果物の香りが鼻を抜ける。とっとと浸かりたいのを我慢して、雑木マットを敷いた。
雑木マットに湯を掛けると、動かなくなった女を寝かせ、湯を掛けながら《洗浄》する。《洗浄》を終えると浮かせて湯船に浸けてやる。冷たかった体が温もりを増して行くが、やはり動く事は無い。
軽く啄むキスをして、《収納》の中へ帰した。


 気が付くとエステのムニュムニュの中に入って身体中揉まれていた。風呂で寝るとか命が危ないぜ…。時計が無いからどれだけ寝てたか分からない。十本槍が帰って来てたら悪いので直ぐにエステマシーンから上がる。つるつるのぷるんぷるんになった男なんて自分の姿でも気持ち悪いな。髭や産毛所か手足の無駄毛も無くなってる。…眉毛と髪は…ある、良かった。
外への出入口を開けさせて、《感知》で階層の奥を見ていると、丁度下の階から上がって来た所だった。後一オコンもすれば帰って来るだろう。だが俺は待つ事無く女達の居る場所へと飛んで行った。

「大丈夫か?」

「!カケル様!?」「良い所にっ」

「スールズが流れ弾に当たっちまったんだ」

怪我をして、ヤーンに回復されているスールズは当たり所が悪かったようで凄く苦しんでいた。外傷で胃潰瘍状態。これは痛い。直ぐに《抵抗》と《解毒》を掛ける。後はヤーンの回復魔法で何とかなるだろ。スールズを此処迄おぶって来たサスーンも軽くない怪我を負っていた。

「スールズ、ヘマしたのか?」

「ざまぁ無いよ。折れた武器が中衛に抜けちまってさ。泡食って腕一本、盗られちまった」

「斬られた腕は回収して来たのか?」

「はは、まさか。命だけで手一杯さ、一つ減っちまったからね」

そう言ってスールズは自嘲気味に笑った。

「しょうが無い奴め。後で治してやる。皆、応急処置が終わったら部屋に戻るぞ」

慎重さが取り柄の十本槍ですらこうなのだ。馬鹿な冒険者なんかに更に奥を教えたらどうなるか分かったモンじゃ無い。








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