女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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汚れてしまったサミイ

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 冒険者の真似事等した事の無いサミイだが、薬草を見付けるのは意外と上手い。刃物を持ってないのを見兼ねて以前貸した事もある純ミスの剣鉈を使わせてやると、器用にチマチマ葉っぱを集めて行った。

「スキンクテールとツルゲネツって、どっちの方が良いんだ?」

「んーと、スキンクテールはお茶にして飲んでも使えるんです。で、こっちはお薬専用ですね。それより、旦那さまも採って下さいよ~」

「そうだな。確か三束だっけ?」

「ですー」

ふわりと浮いて《感知》で良さそうな葉っぱを探し、葉っぱの部分だけ《収納》する。…終わってしまった。が、だからと言ってドヤ顔で戻るとサミイの機嫌を損ねかねん。移動したり草藪に潜ったりして時間を稼いだ。…稼いで無いな、浪費した、だ。

「皆さん終わりましたー」

「お、そうか。早かったな」

初めてにしてはな。一つ所に集まって、土と葉っぱの汁で汚れてしまったサミイの膝と手を《洗浄》してやる。

「サミイ、乗るの。ママ上のトコ行くの」

「カララさま、街に行くより、セカンドハウスにママを呼んだら良いんじゃないかな?家の庭だと降りられなそうだし」

「あっ、それがいーの!」

ピョーンと飛んだサミイを背中で受け止めたカラクレナイがギューンと街へ飛んで行く。俺とリュネを放置して。

「リュネ、行こうか」

「はぁい」

腕をたわわで挟まれて、瞬きしたら門の前。そりゃあ門兵もびっくりするだろう。そして追い掛けて来た巨大カラクレナイに腰を抜かしていた。

「行って来るね」『はよなの』

「耳痛~~いっ」

ピョーンと飛び降りるサミイを空中でキャッチして回復を掛ける。

「カララサマ、声の大きさに気を付けてねー」

『ごめんなの…』

「旦那さま、ありがとうございます。カララさまも気にしなくて良いからねー」

サミイに俺の採った分の葉っぱを渡すと、カラクレナイを連れて先にセカンドハウスへ向かう事にした。此処に居ると人が怖がって街に入れないみたいだからな。


「カララ様だ!」「すっげー!フルアーマーだ!」「キラキラ~」

「おひさなの」

 一仕事終えて帰って来ていた少年隊が、巨大カラクレナイを見て感動してる。久しぶりだもんな。

「お前等、バルタリンドじゃ無かったのか」

「お前さん、オレ等依頼でメルタールに行ってたんだよ」

「で、昼頃帰って来たの。行って帰ってって無駄足だからさ、報告は明日するんだ」

「そうなのか。里帰りはどうだった?」

「金せびられたよ。そんだけ」

世知辛いなぁ。

「「カケル様、リュネ様、お帰りなさいませ」」

「お風呂どうぞ」「カラクレナイ様もお風呂どうぞ」

「服脱ぐの。リュネママ~」「はぁ~い」

それは服では無く鎧だろう?鎧がシュパッと《収納》されると、光を纏って人型に変わる…おい服。少年隊の背後から覆われた世話人達の手のおかげで、彼等は命を長らえた。

「カラクレナイよ、服も同時に身に付けられると良いな」

「んー、分かったの」

「失礼致します」

リュネがカラクレナイに服を着せていると、転移門を潜ってエージャが顔を出す。メッツ君を抱いてるので正常だ。

「お招き頂きありがとうございます。大奥様と坊ちゃんをお連れしました」

「今晩は。お呼ばれしちゃいました」

「ただいまでーす」

「ママ上!サミイもお風呂行くの!」

「はいはい。温まりましょうね~」

女達は風呂と向かい、ブチ姉妹と世話係達は夕飯の仕込みに向かう。俺は《洗浄》出来るし少年隊はもう入ったと言うので暇になった。仕込みの邪魔になるだろうし、寝るか。

「あのさ、兄貴ぃ」

「…なんぞ?」

 四人揃って雑木マットで横になると、暫くしてガットが話を始めた。
ダートとガットは世話係の女達を妻にしたいのだと。ニットはママにしたいそうだ。

「お前等二人は妻で良いのか?歳上だろ?それにニットは母親居るだろ」

「歳上とか、関係ねーもん」

「他に女とか作れる気がしねえ」

「かーちゃん、兄貴のだし」

お、おう…、そうだな。
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