女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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何時もより混んでいて、何時もより静か

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「お嬢様、ネーヴェ様、朝食の時間です」

「え?」「あ、うん」「たべる~」

 メイドの言葉に反応し、アイツを引き抜き着替え出す姉妹に《洗浄》を掛けて、俺はトーンの前に立つ。

「キレイにしてくれるか?」

「ええ、喜んで…はぁむ…ん」

「カケル様、トーンさんとも…」

「この家の女の人、全部カケル様のになっちゃったね」

「おんなきらー」

姉妹が着替えるのを待って、トーンの口に注ぐ。躊躇い無く飲んでくれたよ。

「子を成す事は出来無いが、機会があれば抱くからな?」

「嬉しいです。ささ、皆様行きましょう」

メイドを先頭に食堂へと向かうと、先に来ていたエリエッテが給仕していた。

「お母さん、私もー」「あ、私も手伝う」

「おはよう二人共、おはようございますネーヴェ様、カケル様」

朝の挨拶を交して俺とネーヴェは席に着く。

「トーン、嬉しそうね」

「はい奥様。カケル様にご褒美を頂きました」

「良いわね。私が起こしに行けば良かったかしら」

「エリエッテも朝から赤ちゃんのお世話に食事に頑張ってるからな、ご褒美用意しないとならんね」

「何が頂けるんです?」

「二年したら、もう一人作ろうか?」

「……はい、はいっ」

エリエッテは笑顔でそう答えると、声も無く涙を流した。


 テッチー達と別れた後、ギルドに寄って金を下ろし、お土産を買って帰ろうとしたのだが、ギルドの中は何時もより混んでいて、何時もより静かだった。

「金を下ろしたいんだが」

「あ、カケル様…ですね。ギルドマスターが呼んでますので案内します」

珍しく塩対応じゃ無い。先に金を下ろし、勝手知ったるジョンの部屋に向かった。

「来たぞジョンくん」

「やっと来たなカケルく…ネーヴェ様もいらっしゃい。おい、直ぐにお茶を出せ!」「は、はいっ」

ジョンはソファーにドカッと座るとお茶を待たずに話を切り出した。

「魔具の強制買取命令だとよ!」

「先ずは隠せ。そして持ち帰るな」

「…だよな、そうなるよな。やっぱカケルに相談して良かったぜ」

それ相談だったのか…。お茶を待って来た職員と並んで入って来た女、多分サブマスを交えて話をする。
多分サブマスが言うに、騎ゾーイに乗った兵士は伝令で、先の命令を突き付けて来たそうだ。あの二人じゃ逆立ちしても生きて帰れんだろうしな。で、強制買取と言う名で略奪された得物は、後から来る探索隊に貸与され、更なる拾得を目指すんだって。皆が皆、魔具を持てると勘違いしてやがる。

「鑑定師をダンジョン内部に滞在させるべきだろうなぁ」

「頭数増やさねーとなんねぇな」

「そうですね。最寄りのギルドから助力願いましょう。それに護衛も」

十階迄のルートに鎖を引いて直通にする案も出した。鎖の奥に鑑定師を配置すれば軍に見付かる事も少なかろうと言う考えだ。カモフラージュに簡単な露店を出しても良いだろう事を伝えると、多分サブマスが上手く手配してくれると言う。

「所で、お仲間の装備は整ったか?」

「ああ。ソッコー集めたさ。今は魔具に慣れるーつって潜ってるぜ」

「外用の装備も持って入るのは面倒だな。マジックバッグとか必要になって来るが、その辺はどうだ?」

「ああ。彼奴等は一揃え入るくらいのは全員持ってるが、他の奴等はどうだかな」

「持つ者は少ないかと。取れる震度も深く、高価ですから」

「そこまで行けないなら魔具も落ちんよ。一先ずは大丈夫だな」

「だな」「ええ」「甘いのたべる」

はいどうぞ、甘納豆ですよ。一人蚊帳の外のネーヴェには退屈な思いをさせてしまったな。とりま撫でとく。…多分サブマスもどうぞ。

「俺にもなんか食わせろよ!」

「炒り豆を喰らえ!」

落ち着くまでツマツマポリポリして話が変わる。ジョンの手持ちの魔具を何とかしたいそうだ。持ち切れないし売れないしで、家に死蔵されているそうだ。
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