女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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世の中金

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「即売会に出るようになったのか」

 文庫サイズの本ではあるが、ページもあるし百冊程度の量でも結構な金が掛かる筈だ。奴はイラスト描けないし、絵師に頼むのだって金が掛かるだろう。

「出版されてんだよ。裏に出版社とかバーコードとか付いてんだろ」

確かに、付いてる。値段まで。

「夢、叶ったのか」

「まあな。もう地球に思い残す事無ーしさ。家は妹が継ぐし、連れてってくんろ」

「出来るようになったらな。それとだが、お前魔法は使えないぞ?」

「何でだよ?童貞だぞ?」

修行もせんで魔法等使えるかよ。そもそも地球にゃ魔素が無い。

「俺だって童貞だったが使えなかったよ。アッチの生き物には魔力臓器ってのがあってな?魔物だと魔石のある部分なんだが、俺が拉致された頃はソレが無くて魔法なんて使えなかったんだ」

「使えなかった?今は使えんのか」

「神的な存在に体の組織を一部改造してもらってな。地球人の状態だと子も成せんのよ」

「何ぞそれ、中出しし放題じゃん!?」

気持ちは分かる。相手が居ればな。

「俺は妻や妾と子を作りたかったから改造したよ。スキルで孕ませないように出来るから他所でもしてるけど」

「うわ、ハーレムなのに浮気かよ」

二次元の嫁が数多居る男が何を言うか。

「娯楽が無いからな。紙風船ですらブームになるぜ?」

「現代知識無双出来るな」

「ラノベみたいな生活したく無いよ。マヨネーズ作んのに鳥の養殖から始めなきゃならんのよ。俺、飼育された鳥食ったの一回くらいだぜ?」

「マジかよ。更に味噌も醤油も無いってか」

「日持ちもしないしな」

「翔。マジで頼む!死に転移は怖くて無理だし、お前しか居ないんだって」

「そんな事言われてもな。取り敢えずダメ元で神的な存在とコンタクト取る努力はしてみるさ」

「神的な存在とか、関係あんの?」

「俺達が無いと思ってても、アッチにゃあるかも知れんだろ?お伺いは立てるもんだ」

「転移出来んなら何でもすんぞ!」

ん?今何でもって言ったね?

「なら、服貸してくれ。それと金くれ」

「世の中金か!」

「床屋行きたいんだよ。アッチは鋏を見た事無いし、ナイフで切るんだぞ?髪切り行くのにこの格好じゃ外出られんだろ?それにずっと借りっぱなのも嫌なんだよ。世の中金なのは否定せんがな」

「まあ、そうだな。…金があっても女は出来んけど」

「風俗行けよ。金あんだろ?」

「恥ずかしいだろうがっ」

「シルケのプロは、上手いぞ?出会い系の汚い女とヤるより、プロに教えを乞うた方が良い。シルケに行ってスキルに変わるかも知れんしな」

「絶倫無双か…。勇気出るな…そうだ。何日か待てるか?」

「シルケには戻るが、そりゃあ待てるぞ?」

「先ずはネットで服を買え。三日もあれば届くかんな。その間に風俗の良い店探すわ」

本番ありで時間制限無しの店を探すんだと。あるのか?弥一は机に乗ってるPCを奪い取り、卓袱台に陣取ると、通販サイトを開いて服をサーチする。

「此処から選ぶべし」

「……作業着メーカーじゃねーか」

まあ良いか。死ぬ前も着てたしな。死ぬ前に着てたサイズを思い出しながら、ポチポチと服やら靴やら選んで行った。凡そ二万円也。

「ん。午後を過ぎるだろうが明後日には来るな。序に風俗も探してみっか」

「近場は止めとけよ?」

「だな。折角なら東京さ行くか?」

「何処だよ?俺東京自体行った事無ぇぞ」

「吉原とか、歌舞伎町って書いてあんな…。んと、吉原…高級店、六万から…」

「心折れんな。金あんだろ?」

「そこ迄無ぇ~よ」

「何でよ?」

「売れてねーんだよ」

「そうか…」

本になったからと言って、札束風呂出来る程の儲けは出ないらしい。毎日やってるマンション管理も食えてないからやってる訳で、売れてたら業者に任せて書き捲ってる。異世界行ってる暇も無い。だって。

「仕方無い。金策すっか」

「スキル無双すんのか?」

「だな。俺は国籍無いから換金とかでは働いて貰うぞ?」

「監禁…犯罪かよ…」

日本語難しいね。



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