女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

文字の大きさ
1,138 / 1,519

瑣末事

しおりを挟む


 その後は夜襲無く、交代の時間迄ゆっくり寝る事が出来た。夜明け前に起き出して来たメイド達と共に食事の支度をして先に朝食を済ませてしまうと、後から起きて来た者の食事の間に撤収作業を進める。この流れもだいぶ慣れて来た。

「あっ、カケル様っ」「大変嬉しいのですが、私共の仕事を取らないでくださいませ」

メイドを手伝うのもサービスの内だ。洗い物をしようと集めていた皿等を《洗浄》すると、嬉しくもあり困惑する苦情が発せられる。

「時短と節水の為だ。早く移動を始められれば目的地に着くのも早くなるし、水は貴重だからな」

「カケル様と別れたら、私共の仕事の遅さにお小言を頂いてしまうかも知れませんね」

「どうしても洗うなら、せめて水の問題だけでも解決しておかないとな。水の属性魔石くらいは用意出来るだろ?」

「奥様にお強請りして見ますが…」

「高いもんな。だが持ち運びも容易で井戸水よりキレイ、且つ安全だ。我が家じゃ生活水は殆ど魔法水になっちゃったよ」

 全ての片付けを終えて移動開始。やっと寝られると目を閉じたのも束の間、慌てた騎士に起こされる。

「カケル様、奥様がお呼びだ。カケル様っ」

そんなの何かあったと思うじゃないか。急いで飛んで行くが中は静かなものだった。

「お待ちしておりましたわ。ささ、どうぞ」

「カケル様…」

「苦しそうだな。どうした?あの日か?」

顔色の優れないニーネンタールに問うと、こくりと頷いた。一先ず浮かせて尻にマットを厚く敷く。そして《耐性》を掛けてやった。

「《耐性》を掛けた。どうだ?」

「だいぶ楽に、なりました…」

「下着が汚れるから脱いでしまおう。スカートを捲って」

「はい…」

躊躇いも抵抗も無くスカートを手繰し上げると、腿を上げさせまだ汚れて無いパンツを脱がす。そして無毛の恥丘を舌でなぞった。《結界》も張らねば。

「んっ、なりませんっ。カケル様が、汚れてっ、しまいますっ」

ニーネンタールの言葉を無視し、女の味を楽しんだ。

「こんな瑣末事に迄ご助力賜り、感謝の言葉もありません」

「そんな事無いよ。良い状態でなければ移動もままならんからね」

メイド四人と母子二人なら先にメルタールへ送ってしまっても良い。だが護衛が到着する迄に二十日以上は掛かるので、長く逗留される貴族は大変だろう。宿に泊まるにしても結構な路銀が掛かる訳だしな。

「夜になったら一度施設に行こう。皆が不満に思うだろうし、頻繁には行けんがね」

「有難きお言葉、重ね重ね、感謝致します」

「カケル様、ありがとうございます…」

経血で汚さぬように、股に雑木マットを挟ませて、後はゆっくり休んでもらう。休憩地では道の左に寄せるようメイドに告げて外へ出た。

「何かあったか?」

 惰眠から目覚めていた弥一が聞いて来るが有耶無耶にしておく。貴族のプライバシーを市井に流すべきでは無いからな。
数オコンして、休憩地は目と鼻の先。だが休憩地には先客が居るようだ。

「魔獣多数!皆出るぞっ」

騎士の斥候が敵を見付けて戻って来たが、先行して叩くようだ。本来魔獣相手なら冒険者の仕事だが、負けたままでは悔しいのだろう。二騎を残して他の騎士達が先行した。

「俺等が出るべきなんじゃね?」

「護衛対象が居ないなら殺れると踏んだのだろうな」

弥一の問いに答えると、他の奴等も声を上げる。

「俺達はまた怪我人の確保で良いのかな?」

「前の組が叩くだろうし、援護で良さそうだよな」

「だな。回復中の味方を守るのも大事な仕事だ。それでサボってるなんて言う奴とは口聞かなくて良い」

先行した騎士達に追い付くと、戦況は粗方終わっていた。怪我人も居るようだが大した事は無いようで、回復と護衛を五組と弥一に任せると、その他は敵の殲滅へ向かった。

「ゴーラが居るな。肉肉~」

「ん?それは唯のゴーラでは無いぞ?」

今迄ゴーラだと思ってたのは、ソレよりも強いオオゴーラだと騎士は言う。アレより確かに大きいが、誤差だと思ってたよ…。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…

美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。 ※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。 ※イラストはAI生成です

スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する

カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、 23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。 急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。 完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。 そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。 最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。 すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。 どうやら本当にレベルアップしている模様。 「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」 最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。 他サイトにも掲載しています。

ブラック企業でポイントを極めた俺、異世界で最強の農民になります

はぶさん
ファンタジー
ブラック企業で心をすり減らし過労死した俺が、異世界で手にしたのは『ポイント』を貯めてあらゆるものと交換できるスキルだった。 「今度こそ、誰にも搾取されないスローライフを送る!」 そう誓い、辺境の村で農業を始めたはずが、飢饉に苦しむ人々を見過ごせない。前世の知識とポイントで交換した現代の調味料で「奇跡のプリン」を生み出し、村を救った功績は、やがて王都の知るところとなる。 これは、ポイント稼ぎに執着する元社畜が、温かい食卓を夢見るうちに、うっかり世界の謎と巨大な悪意に立ち向かってしまう物語。最強農民の異世界改革、ここに開幕! 毎日二話更新できるよう頑張ります!

処理中です...