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一瞬で無くなる
しおりを挟む朝食後、再びバルタリンドに来た。良い鎧も着られなければゴミなので、一度大規模なメンテをしてもらう事にしたのだ。
「そうなると、今日はもう店仕舞いだね」
そう語るエメラルダスも鼻で息して無い。換気が必要なのにクローズの看板を提げて戸締りをする。
「悪いな。その分料金弾むよ。足りない素材があれば取って来るし」
「じゃあ、コレが入るだけのでっかいお鍋と、火の鉄板三つか四つ。それと…」
俺の前で身を屈め、俺のズボンを降ろす。
「この細くて柔らかいミスリルも欲しいかな」
「太くて硬いのも欲しそうだが?」
「硬くしてあげる。はぁむっ」
昼迄語り合った。
エメラルダスとエッチしたが今回はお咎め無し。知ってる女だし、おやつがまだだからだ。
今日は蒸しパンなので皆が目と口元を光らせる中厨房で作る。
「ムシパン、で御座いますね?」
厨房の外から覗くリアが予想を述べる。的中だ。
「ミーネに作ってもらったのはどうだった?」
「柔らかい生地に点在するアマナットの優しい甘さが、口に含む事で一杯に広がって、幸せな気分に浸れました」
「前のは少し甘さを押えていたからもう少しだけ甘さを出そうと思う」
「「「わーっ」」」
ふわ感を強める事も出来るようになったし、今回は黒糖を練り混ぜず、荒く刻んで点在するようにした。出来上がりは溶けた黒糖がとろりとして美味そうだが、足が早そうだ。
…まあ、一瞬で無くなるんだけどな。
「んまっ、んまっ」
「黒糖、とろとろなの」
「もっ、もっ」
一部感想が言葉になって無い者も居るが、皆満足してくれたようだ。
午後は子供達と過ごす。今日はアイツが寝てるので好きなだけ腹に我が子等を乗せられるぜ。落ちたら危ないので浮かせてはいるけれど。
「パパー、かまってー」「ばばあー」
「旦那さまー、わたしもー」「まあー」
そんな感じで皆が子供を積んで行くので手首足首から顔の上迄跨られる。頼むから漏らしてくれるな?
「んー、んーっ」
願い、叶わず。彼女の名誉の為、誰が致したのかは秘密だが、ラビアンに抱っこされて風呂へ連れて行かれた。顔だけ《洗浄》する。そろそろお昼寝しましょうねー。グズらないように横にずらして寝かし付ける。勿論直ぐには寝ないので、ママ達に助力願った。
「カケルさぁん、お疲れ様でぇす」
「我が子に疲れる事は無いよ」
「じゃあ、次はこっちでぇ」
リュネ達の赤ちゃんのお世話に向かった。こっちは寝て魔力吸ってじたばたするだけだからお兄ちゃん達より手間掛からん。浮かしてゆらゆらさせるだけで寝てしまった。
「あ、そう言えばリュネに聞きたい事あったんだ」
「何です?」
ライデンの服に使われているミスリル糸の作り方を聞いたのだが、魔法でバーっと、と言う天才的な回答を得て天を仰いだ。自分で何とかするしか無い。
ハークの所に持って行く為に固める予定だったミスリルナゲットを一粒取り出し、先ずは《伸縮》を掛けて練り、こねこねと棒状にした。拠れた木の枝みたいだ。生前に見た動画を参考に、鉄板に穴を開けた物を作って中に通してみたのだが、《伸縮》状態では千切れてしまい、解除すると穴を通らない。ミスリルは銀なのでこれで行けるかと思ったが、銀より硬い物らしい。
子供が居るので場所を変え、新居の居間にやって来た。
「カケル、ミスリル、どすんの?」
「この服に使ってる感じに細く加工しようと思ってな」
「私も欲しい。ゴーレムに使う」
ネーヴェはルドエにゴーレム軍団を作ってる。既に子供より多い状態で年寄りの手伝い等、福祉関連に携わっていた。
「紐にしたヤツ?それとも丸で?」
「まるのやつ」
ネーヴェは加工出来るもんな。インゴットは渡したくないのでミスリル粒を袋に入れてくれてやる。鉄も要るそうだ。はいはい。
鉄と言えばローラーに潜らせて伸ばす方法もあったのを思い出し、早速作って試してみた。
《伸縮》を掛けた状態で、今度は上手く伸びてくれた。
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