女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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 エレデリマ大司教。この男、子供忍者にお兄ちゃん等と呼ばせているが、いい歳こいたオッサンで、白髪混じりに薄毛の変態である。

「お前…、ハークに振られた腹癒せにハーラデーを人身御供にしたな?」

「…はい…」

「アレは見て愛でるモノだ。分かるだろう?」

「……はい…」

《洗脳》してても苦々しい顔をする程に分かって無いようだ。

「ギルドのジジババを見てみろ。孫可愛がりでベタベタしてもハークは受け入れてくれる。だがお前は性欲を向けた。そうだな?」

「…はい」

「俺なんて一緒にお風呂入ろ?とか寝よ?とか言われてコイツの上に跨って来るぞ?お前との違いが解るか?」

「……分かり…ません」

「ハークはな、愛されるよりも愛したいタイプなんだよ。そして男色の気は無い。次代の王が男色にかまけて子を成すのに消極的になったらどうすんだ」

「……申し、訳、御座いませ、ん」

「ハークの事が好きなら誠心誠意謝罪しろ。男色趣味は否定せんが、お前の性欲の捌け口にする程、ハークは安い男じゃ無い。愛でるだけにしておけ」

「…………はい」

どうかな?かなり葛藤してるみたいだが。

「ハークの笑顔、見たいだろ?」

「…はい」

その後二三言葉を掛けて、空の上へと《転移》した。

「南東…どっちだよ…」

 さっき見た地図を思い出しながら、ミソプファンティア、クリューエルシュタルト、ルングネンハルト、三点の位置を合わせる。あの鳥瞰図、あまり正確じゃ無いな。デフォルメが強く、街が大きく描かれ過ぎだ。各都市の方向と、街の様子をメインにしているのであろう。地形図が欲しいぜ。
大体の東西南北が分かったので、振り返り南東を望む。浮いた状態で《白昼夢》を使うのは危険が危ない。久しぶりのノーズコーンを取り出して、《結界》を纏わせ音速を超えた。
初めての音速は、静かで、不気味だ。多分だが、外ではソニックブームが爆音轟かせている事だろう。《感知》で見える下界に街が見えるが、大小何方かのアトール要塞で間違い無いだろう。兵隊共がわちゃわちゃしてる…やらかしちゃったなぁ。

 《阻害》を掛けて街に降り、冒険者の姿を見て路地裏から出…る前にペニスケを《収納》して皮の腰蓑を巻く。せめて特徴は隠さねば。
先ずはギルド…もギルド証を出さねばならんし却下。路地の中に進んで行った。

兵隊共がバタバタしてても此処は平常運転な井戸端会議。女達は洗濯物との格闘に忙しいのだ。

「よう、姉さん方。なんか表がバタバタしてんだけど、何か知らないかい?」

井戸を囲んで洗濯物を睨め付ける女達の輪に加わり、左右の二人にキラリと光る袖の下を見せる。

「んなもん知るかい。あンた余所者だね?」

「冒険者ならギルドで聞きゃあ良いだ…へぇ」

一人が気付いて手に取った。もう一人も気付き、銀貨を奪って懐へ。

「変な事は教えられないよ?仕置きされちまうからね」

「で、何が聞きたいんだい?」

井戸の縁に腰掛けて、二人とその左右に見えるよう股を開いた。

「コイツが聞きたい事あるんだ。良いかな?」

「「「…………」」」

ゴクリ、と誰かが息を飲む。後ろ側に居た女達も盥を持って此方に回り込み、洗濯する振りを始める。

「せ、洗濯物が終わったらねっ!暇になったら幾らでも話してやるよっ」

「あ、ああ。とっととやっちまわないとね」

「あ、あたしにもくれるんだろ?」

「皆にあげるから安心してくれ。それに俺は洗浄スキルがあるから洗濯もやってやるよ」

近くに居た二人の洗濯物を盥毎《洗浄》すると、洗われて乾燥した洗濯物に主婦の目は釘付けとなった。萎えチンより効果あったわ。

 主婦六人に銀貨を与え、ちょっと広めの誰かの家に移動する。

「此処はあたしンち。ガキも旦那も外行ってっけど、長居は禁物だよ?」

「早いトコ勃たせちまいな」「勃ったらまた凄いんだろ?」

「ああ。引く程凄いぞ」

女達は笑っていた。




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