女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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皮製品

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「二クリアの九、誰だそれは」

 詰所に居た女は九ちゃんと俺が入ると直ぐに俺を誰何する。が、焦るなとばかりに九ちゃんは右手を肩の位置へピッと上げて発言の許可を得た。因みに左腕は依然俺の腕と絡み合っている。離した方が良いんじゃないのか?

「報告。ユッカネンの三とコーラーの捜索は完了。揃って無事に家へと帰しました」

「ん、それで?」

「この者はカケルと言い、他所の国からの迷い人だそうで、男です」

「男……」

男と聞いて目付きが鋭くなる女。言葉遣いから九ちゃんの上司だろう事は予想に難くない。作業デスクの奥に座り、赤っぽい色の瞳でじっとコッチを見ているが、お前が此方を覗くと同時に、俺もお前を覗いているのだ。少し緑の入った金髪からは、先天的な魔力の高さを窺いつつ、ゆるふわウェーブを背中の方で纏めている。皮の服はパイピングが施され傷も無い。それなりに所得が望める職業らしい。パイピングのお陰か、おっぱいの高さを強調しているようにも見えた。

「貴様、何を見ている」

「俺も皮鎧だからな。皮製品は気になるんだよ」

「…成程?二クリアの九の言う事も間違いでは無さそうだ。この国の男にそんな上等な染色をした物を着る事等出来ん。で?何処からどうやって、何の目的で迷い込んだ?」

染色してるのでは無いのだが、青い皮の生き物を見た事が無いのならそう言う感想も出るか。それにしてもだ。視線から違和感が伝わって来るのはスキルか何か使ってるのか?

「女を孕ませに来たんだよ」

…そう言う事か。ならば此方も対抗する。

「貴様、何かしたな?」

「したぞ。お前と同じ事だがな」

「カ、カケル?お前そんな事が出来るのか?」

二クリアの九はこの女のスキルを知っているみたいだね。

「其奴のとは範囲が違うがな。お前、名は?」

「ナバルの一…、何故解けんっ」

焦ったように気合いを入れて、何度もフンフンしているが、解除を試しているようだ。

「範囲が違うだけじゃ無かったようだな」

俺のは個人に掛けてるスキルでは無いから自身に対して解除を施しても効果は無いと思う。それに威力も違いそうだ。

「ナバルの一。俺は女を孕ませに来たと言ったよな?」

「…くっ、私を孕ませたいのか?」

「この国で孕める女は出来るだけ孕ませたい。協力しろ」

「そんな事、出来る筈が無い。男の性欲等高が知れている」

「それはこの国の男の話だろう?」

「上官殿、私はこの男に抱かれました。私と、ユッカネンの一と三、三人同時に」

「は?三人も、だと?普通ならばたった一人で丸一日動かなくなる筈だ」

「俺は特別なんだ」

ペニスケを外し、証拠を見せてやる。俺がこの場に現れた時から、ソコだけは目をを向けなかったナバルの一は、動くモノには逆らえず、遂にアイツを見てしまう。

「何だ…それは…」

「お前、男と交合った事無いだろ?」

「無い。母の話でしか聞いた事しか無い」

「上官殿、それは…」

「分かっている。秘密にしておかねば処されるからな。出来れば内密にして欲しい」

「カケル。スキルを解いてはくれないか?私は上官殿を失いたくないのだ」

「ナバルの一、俺は敵対されなければ敵対しない。お前のスキルが効いているのだから、真実だと分かってくれるな?」

「…信じよう」

「俺は二クリアの九を孕ませたい。そしてユッカネンの子等とも再び交合うと約束した。お前達が俺を受け入れてくれるなら、出来るだけの女を孕ませたい。お前も含めてな」

「……分かった。スキルを解く」

暫しの沈黙の後、嫌な感覚が消えた。此方もスキルを解く。

「だが、女王陛下へは報告を上げねばならん」

「朝…、寝る時間が開けてからだよな?」

「朝とは何だ?今直ぐ出れば次の床の刻には間に合う」

「それだとお前を抱けないじゃないか。それに他にも居るんだろう?」

「…出て来て良い。入れ」

奥へと続くドアを開け、バツの悪そうな顔の女が三人入って来る。途中から盗み聞きしていたのだ。




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