女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

文字の大きさ
1,377 / 1,519

皮製品

しおりを挟む


「二クリアの九、誰だそれは」

 詰所に居た女は九ちゃんと俺が入ると直ぐに俺を誰何する。が、焦るなとばかりに九ちゃんは右手を肩の位置へピッと上げて発言の許可を得た。因みに左腕は依然俺の腕と絡み合っている。離した方が良いんじゃないのか?

「報告。ユッカネンの三とコーラーの捜索は完了。揃って無事に家へと帰しました」

「ん、それで?」

「この者はカケルと言い、他所の国からの迷い人だそうで、男です」

「男……」

男と聞いて目付きが鋭くなる女。言葉遣いから九ちゃんの上司だろう事は予想に難くない。作業デスクの奥に座り、赤っぽい色の瞳でじっとコッチを見ているが、お前が此方を覗くと同時に、俺もお前を覗いているのだ。少し緑の入った金髪からは、先天的な魔力の高さを窺いつつ、ゆるふわウェーブを背中の方で纏めている。皮の服はパイピングが施され傷も無い。それなりに所得が望める職業らしい。パイピングのお陰か、おっぱいの高さを強調しているようにも見えた。

「貴様、何を見ている」

「俺も皮鎧だからな。皮製品は気になるんだよ」

「…成程?二クリアの九の言う事も間違いでは無さそうだ。この国の男にそんな上等な染色をした物を着る事等出来ん。で?何処からどうやって、何の目的で迷い込んだ?」

染色してるのでは無いのだが、青い皮の生き物を見た事が無いのならそう言う感想も出るか。それにしてもだ。視線から違和感が伝わって来るのはスキルか何か使ってるのか?

「女を孕ませに来たんだよ」

…そう言う事か。ならば此方も対抗する。

「貴様、何かしたな?」

「したぞ。お前と同じ事だがな」

「カ、カケル?お前そんな事が出来るのか?」

二クリアの九はこの女のスキルを知っているみたいだね。

「其奴のとは範囲が違うがな。お前、名は?」

「ナバルの一…、何故解けんっ」

焦ったように気合いを入れて、何度もフンフンしているが、解除を試しているようだ。

「範囲が違うだけじゃ無かったようだな」

俺のは個人に掛けてるスキルでは無いから自身に対して解除を施しても効果は無いと思う。それに威力も違いそうだ。

「ナバルの一。俺は女を孕ませに来たと言ったよな?」

「…くっ、私を孕ませたいのか?」

「この国で孕める女は出来るだけ孕ませたい。協力しろ」

「そんな事、出来る筈が無い。男の性欲等高が知れている」

「それはこの国の男の話だろう?」

「上官殿、私はこの男に抱かれました。私と、ユッカネンの一と三、三人同時に」

「は?三人も、だと?普通ならばたった一人で丸一日動かなくなる筈だ」

「俺は特別なんだ」

ペニスケを外し、証拠を見せてやる。俺がこの場に現れた時から、ソコだけは目をを向けなかったナバルの一は、動くモノには逆らえず、遂にアイツを見てしまう。

「何だ…それは…」

「お前、男と交合った事無いだろ?」

「無い。母の話でしか聞いた事しか無い」

「上官殿、それは…」

「分かっている。秘密にしておかねば処されるからな。出来れば内密にして欲しい」

「カケル。スキルを解いてはくれないか?私は上官殿を失いたくないのだ」

「ナバルの一、俺は敵対されなければ敵対しない。お前のスキルが効いているのだから、真実だと分かってくれるな?」

「…信じよう」

「俺は二クリアの九を孕ませたい。そしてユッカネンの子等とも再び交合うと約束した。お前達が俺を受け入れてくれるなら、出来るだけの女を孕ませたい。お前も含めてな」

「……分かった。スキルを解く」

暫しの沈黙の後、嫌な感覚が消えた。此方もスキルを解く。

「だが、女王陛下へは報告を上げねばならん」

「朝…、寝る時間が開けてからだよな?」

「朝とは何だ?今直ぐ出れば次の床の刻には間に合う」

「それだとお前を抱けないじゃないか。それに他にも居るんだろう?」

「…出て来て良い。入れ」

奥へと続くドアを開け、バツの悪そうな顔の女が三人入って来る。途中から盗み聞きしていたのだ。




しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

目を覚ますと雑魚キャラになっていたけど、何故か最強なんです・・・

Seabolt
ファンタジー
目を覚ますと雑魚キャラに何の因果か知らないけど、俺は最強の超能力者だった・・・ 転生した世界の主流は魔力であって、中にはその魔力で貴族にまでなっている奴もいるという。 そんな世界をこれから冒険するんだけど、俺は何と雑魚キャラ。設定は村人となっている。 <script src="//accaii.com/genta/script.js" async></script><noscript><img src="//accaii.com/genta/script?guid=on"></noscript>

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します

burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。 その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。

レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。 そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。

【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら

七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中! ※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります! 気付いたら異世界に転生していた主人公。 赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。 「ポーションが不味すぎる」 必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」 と考え、試行錯誤をしていく…

処理中です...