女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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また後で

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「カーケルー」「カケルー」

「どうした?」

「だっこして」「ハグして」

 ステレオで似た事を言うイゼッタとネーヴェをギュッとして、行ってきますのキスをした。

「早めに帰りたい」

「「ごぶじで」」

食堂には仕事中以外の女達が集まっていて、送り言葉をもらいながら《転移》する。

 街の名はドーンドゥール。ダンジョンを中心な発展したこの街は、過去の栄光を捨て街を去る者と、過去の栄光に縋り続けようと足掻く者が居て、街を行く人の姿は少ない。ギルドの中も然り。中に入るとまだ朝だと言うのに冒険者の姿は疎らで職員も元気が無いように見えた。

「調査依頼を請けて来たんだが」

受付に近寄っても反応が無いので此方から声を掛ける。

「あ、いらっしゃいませ。ギルド証と、依頼書をお願いします」

「依頼書はもらって無いな。バルタリンドから急ぎで来たモンだから。話もこっちで詳しくと思った」

ギルド証だけカウンターへ置くと、確認すると機械へ通した。

「はい。カケル様ですね。バルタリンドからの推薦が届いております。マスターに知らせて来ますので、暫くお待ちください」

ギルド証を返してもらい、受付嬢を見送ると、普段ならゴロツキ連中が座ってエールでも飲んでそうなそうなテーブルセットに腰を下ろす。若そうな奴が来たらぐへへって言わなきゃな。
子供も女も来ず、受付嬢に呼ばれて上へと連れられギルマス室。中に入ると細身で布の服を着た男が社長席に座ってた。

「ようこそ、バルタリンドの冒険者」

「カケルだ」

「私はダールッター。まあ掛けてくれ」

ダールッターはソファーに手を差し述べる。耳が長いな。

「気になるかね?」

「耳が長い人種は久しぶりに見る」

「運が良い、のかな」

「どうかな。何度か殺意を向けられたが」

「狭い世界で生きる者は、得てして他者を蔑ろにするモノだ」

「同意せざるを得ないね。依頼の大まかな事は聞いてるが、詳細迄は聞いてないんだ。目標期間とか何処迄潜るとか。それと報酬もか」

「今此方に向かっている者が一人居て、後三人は既に街に入っている。その者が明日明後日には到着するだろうから、三日後に集まって話をしようと思う。それで構わないかな?」

「土産物でも見て回る事にするよ。では三日後に」

ギルドを出て、街に出る。街長や貴族も絡む話だろうし、待つのも仕事と割り切らねば。人通り疎らな大通りをフラフラと散策に向かった。

 めぼしい物はそれなりにあった。近隣特産の布地に酒。海産物の干物に見知らぬ野菜の種を買い漁った。そして自分用に買い忘れたマタル粉と粒マタルも買っておいた。
そして見付けた風俗街。店に入らなくても通りを歩くだけでワクワクする。日が高く、まだやってる店は無いみたい。また後で、だな。
何処の街にもあるのに無い物もある。露店街の串焼き屋が無い。露店街自体だいぶ小規模だ。コレは過疎化の影響だそうで、売れるだけ売り抜いたら次の街に旅立つのだと、ジャンク装備の店のオッサンが言っていた。その露店では危険な魔装がゴミみたいな値段で売ってたので買っておいた。五千ヤン。磨いて売れば家が建つ。売らんけど。

 一頻り街を回って、宿を取るか迷う。島に帰っても良いしな。さりとて、ご無事でと送られてその日の内に帰って来たら拍子抜けされるだろう。やっぱり明日行けば良かった。深くて湯のキレイな風呂は諦めるとして、セキュリティの高い宿を探す。
結局、商人用の中ランクって感じの宿を取った。ベッドはマット敷けば良いし、防音は《結界》張れば良いし。昼飯は焼いた魚に謎肉スープ、エールを一杯頼んで食した。魔力で冷やすとほんのり甘くて美味いと感じる…気がする。


 夜になり、夕飯食べたら夜の街に繰り出す。勿論向かうは風俗街。期待にアイツを膨らませ、フラフラと店を見て回った。
が、なんか人少なくね?此処にも過疎化の波が来ているようだ。しかも保菌率高過ぎ。これはあかん。




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