異世界転生でチートを授かった俺、最弱劣等職なのに実は最強だけど目立ちたくないのでまったりスローライフをめざす ~奴隷を買って魔法学(以下略)

朝食ダンゴ

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そう上手くいかないよそりゃ

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 先生に手を引かれてやって来たのは、学園の敷地内にある教師用の宿舎である。
 いわゆるファンタジー風のアパートというやつだ。木造で趣のある佇まいは、上品な感じを醸し出していた。

 先生の部屋は二階である。階段をのぼり、部屋の前へ。

「さぁ、どうぞ」

「おじゃまします……」

 カギを開け扉を開く。

 緊張を胸に部屋に入った俺を、先生はソファに座らせた。

「お茶を淹れますね」

 そう言ってキッチンへ引っ込むアデライト先生。

 フーム。

 大体2LDKといったところか。一人暮らしだとすれば十分な広さだと思う。
 中世ファンタジー風の調度品が置かれているが、俺にその価値はわからない。なんとなくオシャレなんだろうということは分かるけども。

 しかし、アデライト先生がおっぱいを触らせてくれる?
 そんなことが現実に起こるのか? いくら異世界とはいえ、この世界の貞操観念は現代日本とそう変わらない。否、現代日本よりもお固い節すらある。

 冷静になって考えれば、おかしい事態だ。おっぱいのサイズ云々といって、部屋に招かれるか、普通。

「お待たせしました」

 きょろきょろしていたところに先生が戻ってくる。テーブルに紅茶を置いてくれたので、俺はそれに口をつけた。

「さて、ロートスさん。本題に入りましょうか」

 向かいのソファに座ったアデライト先生は、眼鏡をくいと上げて俺をじっと見つめる。

「おっぱいのことですか?」

 俺の問いには、にっこりとした笑みが返ってきた。

「まさか。あれは人目を欺くための方便です。二人きりでじっくりと話をするためのね。あなたもそのつもりだったはず。さもなくば、何の脈絡もなく胸の大きさなんかに言及したりはしないでしょう?」

「……ソウデスネ」

 俺はなんとなく空気を読み、話を合わせることにした。先生はいったい何を考えているのか。多少興味が湧いた。

「それで、本題というのは?」

「率直に聞きます。あなたは何者ですか? アインアッカ村出身とのことですが、それは本当? 実はヘッケラー機関の者ではないのですか?」

 なんだろう。ヘッケラー機関? 聞いたこともない組織だな。

 俺は考え込むように唸る。

「やはり、私を殺しに来たのですか」

「それはなんというか……穏やかじゃあないな」

 急に不穏な言葉が出て来たな。殺すだって? そんなことをするつもりは毛頭ないぞ。
 というか、先生は殺されるようなことをしたのだろうか。そっちの方が驚きだ。

「俺が刺客に見えますか? ただの『無職』ですよ。どうしてそう思うんですか?」

「私は『千里眼』のスキルで、定期的にヘッケラー機関を監視しています。そこで幸運にも知ることができたのですよ。機関が私に殺し屋を送ったと」

「その殺し屋が誰かまでは分からなかった?」

「はい。ですがあなたなら合点がいきます。新入生として私に近づき、さらには私の隠したスキルまで見破った……そんなことは普通の新入生にはできません。よほど魔法に長けた賢者か、分析に特化したスキルでも持っていなければ」

「なるほど……勘違いも甚だしい」

 俺は腕を組んで困り果てる。

「あのさ先生。タイミングが悪かったのはそうでしょうけど、殺し屋なんかと間違うなんてひどくないですか」

「ですけど……」

「俺はただベースクラスで目立たず学園生活を送ることが出来ればいいんです。先生のおっぱいが本物だと分かれば、あとは特に用事もないですよ」

「それはそれでひねくれていますね……」

 張り詰めていた雰囲気が和んだ気がした。
 やはりおっぱいの話題は良いものだ。

 ――しかし。

 俺が紅茶のカップに口をつけた直後。部屋の扉がぶち破られ、俺とアデライト先生の間を飛んでいった。

「何事です!」

 先生が慌てて立ち上がる。

 その視線の先、玄関の方には、漆黒のローブを纏った人物が立っていた。

「ちょりーす。ヘッケラー機関から派遣された刺客っすー」

 若い女の声。

 なんだその自己紹介は。
 雑にも程があるだろ。
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