異世界転生でチートを授かった俺、最弱劣等職なのに実は最強だけど目立ちたくないのでまったりスローライフをめざす ~奴隷を買って魔法学(以下略)

朝食ダンゴ

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決着の訪れ

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 こういうのはあまりよくないのかもしれないが、死ぬことにも慣れてきたような気がする。
 死に対する忌避感の麻痺。死んでもいいや、という気持ちになっている。
 反省するべきだ。

 俺の肉体は復活する。
 少女の両腕を掴み上げた状態で、だ。

「つかまえた」

 のっぺらぼうなものだから、驚いているのかどうかはわからない。だが、少女の動きは確実に止まっていた。

「ちょっと痛いかもしれないけど、まぁ我慢しろ」

 言いつつ、少女のつるつるの顔面に膝を叩きこんだ。
 ここぞとばかりにクソスキル『膝小僧の守護神』を発動する。これがまだ残っていてよかった。強化された膝が、少女の脳を激しく揺らし、一撃で気を失わせることに成功した。

「いっちょあがりだな」

 前進し、歯車のすぐ前に到達する。

「手駒はもう尽きたのか? 観念したらどうだ」

 返事はない。
 マシなんとか五世の一部は、俺が放ったビームを流れ弾として喰らい、綺麗に消滅していた。これで死んだなんてことはないと思うが。

(母なるファルトゥールの御業……なぜキミがそれを操れる?)

「はぁ?」

(御子とはいえ、ただの人間に過ぎないキミに、どうして真なる神の力が備わっているんだ)

「知らねぇよ」

 見よう見まねで撃っただけのビームだ。そんなややこしいことは考えてない。
 つーかビームならリリスも使ってたし。

「強いて言うなら、俺は神を超越してるんだよ。お前が言うようなメタファー的な意味じゃなく、言葉通り神を超えたってことな」

 エストだけに留まらず、ファルトゥールも超えているかもしれないな。だからビームが撃てた。そう考えると自然だ。

(そんな……僕は……僕が間違っていたとでもいうのか……)

 なにやらショックを受けているようだ。
 俺は背後から殺気を感じ、一歩横に移動する。その瞬間、すぐ傍を少女が通り過ぎていった。

「もう意識を取り戻したのか? すごい回復力だな」

 少女は床を蹴って反転し、再び神速の勢いで迫ってくる。

「悪いけど――」

 肉薄した少女の額を優しく払う。それだけで、少女は宙を舞って自ずから壁に激突した。

「――遅ぇわ」

 さっき一回死んだことで、俺の力はさらに解放されている。さっきの俺と今の俺とでは、天と地ほどの差があるってことだ。

(キミは……一体なんなんだ。アルバレス因子を持たない失敗作じゃなかったのか)

「ああ。それか」

 そういえばそんな話だったな。

「お前もかわいそうな奴だな。ファルトゥールやらエンディオーネやら。神に運命を弄ばれてよ。そこだけは同情するぜ。仲間意識すら覚える」

 マジな話。出会い方が違えば親友になってた可能性もある。

「けど、この期に及んじゃ仕方ねぇ」

 俺は拳を握りしめる。

「壊れてもらうぜ。マシなんとか五世」

 光に包まれた拳。それを、歯車の集合体にぶち込んだ。
 収束したエネルギーが、運命に干渉し、すべての事象を書き換えていく。
 光が、大伽藍を満たしていく。

(そうか……そういうことだったのか……アルバレス因子……『妙なる祈り』……久遠の法……因果律の極致)

 歯車が止まり、急速に錆びついていく。
 シャフトが崩れ、いくつもの歯車が落下し、床を破壊しながら転がり、朽ち果てていく。

(やっと理解できた……ロートス・アルバレス……キミが……キミこそが……)

 そのつぶやきを最期に、マシなんとか五世はこの世から完全に消滅した。
 それは紛れもなく、完全なる勝利だった。
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