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諜報員は重宝するっつって
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俺は、コーネリアが取った宿の向かいの宿を取ることにした。
二階の部屋だ。あわよくばここからセレンの様子を覗けるかと思ったからだ。
まぁ、流石に一国の王女が泊まる部屋が外から丸見えってことはないだろうが、万が一ってこともある。
その気になれば部屋に忍び込むことも可能だしな。
そんなことを考えながら部屋の窓枠に座っていると、向かいの建物の窓が開くのが見えた。
「あれは……」
コーネリアだ。あいつの部屋なのか?
じっと観察していると、コーネリアが誰かに話しかけているのがわかる。騎士団にコーネリア以外の女はいなかった。同じ部屋に男がいるとも考えにくいし、やっぱりセレンと一緒か。
「チャンスだな」
待っていると、窓際に一つの影が現れた。コーネリアの隣で街の景色を見下ろす少女。
目を凝らす。
オリーブ色の長いツインテール。翡翠のたれ目。そして、人形のように整った神秘的な無表情。落ち着いた色の旅装に身を包んだ王女は、やはり俺の知るセレン・オーリスだった。
二年前より成長して更にかわいくなってるやん。まぁ、おっぱいは相変わらず控えめっぽいけど。
セレンとコーネリアは仲睦ましく談笑しているようだ。何を喋っているかまではわからない。こんな時クソスキル『限られた深き地獄の耳朶』が残っていればと思う。よく考えたらあれはクソスキルじゃなかったかもしれないわ。
しかし、なんかあれだな。
セレンとコーネリアは、髪色こそまったく違うが、どことなく顔立ちが似ている気がする。瞳の色も同じだ。
姉妹ではないとすると、親戚筋かもしれないな。あくまで俺の予想だけど。
「あ」
セレンと目が合った。ような気がした。
建物同士はけっこうな距離がある。この夜の暗がりの中、常人の視力では見えないだろう。無表情だから、本当に俺に気が付いているのかもわからない。
じっとセレンを見ていると、ゆっくりと窓が閉じられた。
うーん。よくわからない。
間もなく、天井から小さな音がして、一匹のネズミが降ってきた。
そのネズミは、光を放ってアイリスの姿へと変身する。
「おかえり。どうだった?」
「おおむね、マスターのお考えの通りでしたわ」
ふむ。
「あの騎士団長は、人望がないようですわね。酒場で盛り上がっていた騎士達は、お飾り呼ばわりしておりましたわ」
「お飾りの団長ね……訳アリか?」
「なんでも彼女、公爵家のご令嬢であるらしいのです。王女の親衛騎士に選ばれたのも、血筋によるところが大きいとか。騎士としての実力は、お世辞にも優れているとは言えないようですわ」
「なるほど。まぁよくある話だな。たぶん」
「突然現れた怪しげな男に絆された、世間知らずの小娘だとも」
「……ノーコメントで」
なんとも言えねぇな。
「しかし、そうなると俺達も歓迎はされていないみたいだな」
「ですわね」
「いいさ。どうせメインガンまで行けばお別れだ。団内の妙な空気の理由がそんなもんなら、俺らが気を揉む必要はないだろ」
「はい」
ちょっとコーネリアが憐れではあるけどな。
まぁ、騎士の世界ってのは厳しいってことだ。自分の力で乗り越えるしかないだろう。
「サンキュなアイリス。ほいじゃあ明日も早いから、寝ようか」
「ええ。そう致しましょう」
俺達は別々のベッドで横になる。
一緒のベッドじゃないことが、すこし寂しい感じだな。
二階の部屋だ。あわよくばここからセレンの様子を覗けるかと思ったからだ。
まぁ、流石に一国の王女が泊まる部屋が外から丸見えってことはないだろうが、万が一ってこともある。
その気になれば部屋に忍び込むことも可能だしな。
そんなことを考えながら部屋の窓枠に座っていると、向かいの建物の窓が開くのが見えた。
「あれは……」
コーネリアだ。あいつの部屋なのか?
じっと観察していると、コーネリアが誰かに話しかけているのがわかる。騎士団にコーネリア以外の女はいなかった。同じ部屋に男がいるとも考えにくいし、やっぱりセレンと一緒か。
「チャンスだな」
待っていると、窓際に一つの影が現れた。コーネリアの隣で街の景色を見下ろす少女。
目を凝らす。
オリーブ色の長いツインテール。翡翠のたれ目。そして、人形のように整った神秘的な無表情。落ち着いた色の旅装に身を包んだ王女は、やはり俺の知るセレン・オーリスだった。
二年前より成長して更にかわいくなってるやん。まぁ、おっぱいは相変わらず控えめっぽいけど。
セレンとコーネリアは仲睦ましく談笑しているようだ。何を喋っているかまではわからない。こんな時クソスキル『限られた深き地獄の耳朶』が残っていればと思う。よく考えたらあれはクソスキルじゃなかったかもしれないわ。
しかし、なんかあれだな。
セレンとコーネリアは、髪色こそまったく違うが、どことなく顔立ちが似ている気がする。瞳の色も同じだ。
姉妹ではないとすると、親戚筋かもしれないな。あくまで俺の予想だけど。
「あ」
セレンと目が合った。ような気がした。
建物同士はけっこうな距離がある。この夜の暗がりの中、常人の視力では見えないだろう。無表情だから、本当に俺に気が付いているのかもわからない。
じっとセレンを見ていると、ゆっくりと窓が閉じられた。
うーん。よくわからない。
間もなく、天井から小さな音がして、一匹のネズミが降ってきた。
そのネズミは、光を放ってアイリスの姿へと変身する。
「おかえり。どうだった?」
「おおむね、マスターのお考えの通りでしたわ」
ふむ。
「あの騎士団長は、人望がないようですわね。酒場で盛り上がっていた騎士達は、お飾り呼ばわりしておりましたわ」
「お飾りの団長ね……訳アリか?」
「なんでも彼女、公爵家のご令嬢であるらしいのです。王女の親衛騎士に選ばれたのも、血筋によるところが大きいとか。騎士としての実力は、お世辞にも優れているとは言えないようですわ」
「なるほど。まぁよくある話だな。たぶん」
「突然現れた怪しげな男に絆された、世間知らずの小娘だとも」
「……ノーコメントで」
なんとも言えねぇな。
「しかし、そうなると俺達も歓迎はされていないみたいだな」
「ですわね」
「いいさ。どうせメインガンまで行けばお別れだ。団内の妙な空気の理由がそんなもんなら、俺らが気を揉む必要はないだろ」
「はい」
ちょっとコーネリアが憐れではあるけどな。
まぁ、騎士の世界ってのは厳しいってことだ。自分の力で乗り越えるしかないだろう。
「サンキュなアイリス。ほいじゃあ明日も早いから、寝ようか」
「ええ。そう致しましょう」
俺達は別々のベッドで横になる。
一緒のベッドじゃないことが、すこし寂しい感じだな。
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