異世界転生でチートを授かった俺、最弱劣等職なのに実は最強だけど目立ちたくないのでまったりスローライフをめざす ~奴隷を買って魔法学(以下略)

朝食ダンゴ

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つよつよ同級生

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「お」

 勇んで飛び込んだ俺とアイリスを待っていたのは、謎の空間だった。

「これは……」

 青い空。白い雲。キラキラと光る砂浜に、波立つ広い海。

「これが、ドームの中かよ……」

 背後には空間の亀裂がある。ここがあの廃墟の街並みに繋がっているのだろう。

「ダンジョンの妙、ここに極まる。と、言ったところですわ」

 アイリスが微笑んで言う。
 海辺には俺達が蹴散らした小型モンスターの死骸がいくつも転がっている。

「ダンジョンってのは、なんでもアリなんだな」

「ええ。本当に、不思議なところですわ」

 モンスターであるアイリスが言うのだから、しみじみ加減も違う。
 そんなことを思っていると、頭上にある空間の亀裂からセレンが舞い降りてきた。俺の隣に、軽やかに着地。

「ここは純粋なダンジョン。瘴気による街のダンジョン化じゃなく、新たに生まれた異界」

「なんだよそりゃ。つまり、ダンジョンもどきの中にモノホンのダンジョンがあるってことか」

「そう」

 なるほどな。

「で、どうすればいいんだ」

「コーネリアが引き付けているボスモンスターを排除する。そうすれば、このダンジョンは消滅。亜人街への道も開ける」

「おけ。そのボスモンスターはどこにいる?」

 今のところ見当たらないが。

「おそらく、海の中ですわ」

「なに?」

「海中から強い気配を感じます」

「まじか」

「こうなると、あの騎士の方の判断は正しかったと言えますわ。正面から飛び込んでいれば、いきなり海中に放り出されるところでしたから」

「結果オーライ。急がば回れというやつだな」

 中から海水が出てこないのは、何か理由があるんだろう。

「じゃあ、海に魔法でもぶっ放すか。フレイムボルトをしこたまぶち込んで、いぶり出してやろうぜ」

「待って」

 セレンの制止。

「あたしに任せて」

 そう言って海に向かって歩いていく。
 白い両手に魔力が集束していた。膨大な魔力が強い閃光となって一帯を照らす。セレンの頭上に生まれたのは、青白く輝く天使の輪。

「フリジット・エンジェルハイロゥ」

 祝詞のような呟き。天使の輪がふわりと飛翔し、ゆっくりと海面に落ちた。
 直後、視界いっぱいの海が、その水平線まで、一瞬にして凍り付いた。

「うわ。まじかよ」

「凄まじいですわ」

 この魔法を見るのは二回目だが、やはり驚く。超がつく驚愕に値するぜ。

「この様子だと、海底まで凍ってるだろうな……」

 俺が呟き終える前に、空間に異変が起きた。
 青々とした空に、細かい罅割れが生まれる。

「ボスモンスターは消滅したようです」

 アイリスの言葉が紡がれる間にも、罅割れはどんどん拡がっていく。何が起こっているのかと考える間もなく、空は細かい網目状の線に覆いつくされた。
 空が、砕け散る。
 音はしなかった。感じたのは、全身を撫でる温い風だけ。

「ダンジョンの崩壊ですわ」

 唐突に異臭が訪れて、俺は思わず鼻を押さえた。気が付けば俺達は、下層の街に立っていた。
 無数の粒子となって降り注ぐのは、細かく砕け散った魔力の欠片だ。まるで粉雪のように、地に落ちていく。
 ドームは、俺達の前から跡形もなく消えていた。
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