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騎士の頂き
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考えてみればおかしな話じゃない。国家存亡をかけた決戦なんだから、指揮は王が執るだろう。
「名を名乗られよ。ジェルドの女戦士よ!」
「……ノイエ」
この姿でロートスを名乗るのはなんとなく嫌だったので、無難にいくことにする。姿と振る舞いは一貫しておかないとな。
「ジェルドのノイエ。スキルは見事だが、この大軍を前にしてどうする。身を呈して時間稼ぎをするつもりか?」
「勘違いするな。俺はあんたらを守ってやってるんだ」
「守る?」
「魔王が出てきたんだ。戦争なんてやってる場合じゃねぇ。グランオーリスもグレートセントラルもまとめて吹き飛ばされるぞ?」
「それで我が軍を隔離したというわけか。なるほど」
ヘリオスは落ち着いた表情だが、目つきは非常に鋭い。
「キミのその命を尊ぶ姿勢は素晴らしい。けれど今は、魔王が出てきたからこそ戦わねばならないのだ」
「なに?」
「説明している暇はない。今すぐこのスキルを解除せよ」
「どういうことだ」
「時間がないと言った。さっさと解け。さもなくば」
「さもなくば?」
「キミを殺すしかない」
馬の上からヘリオスの姿が消える。
呆けている余裕はなかった。刹那にして眼前に肉薄したヘリオスの剣が、俺の首筋を正確に狙ってきたからだ。
爆音のような金属音が、純白の世界にこだました。空間がうねる。まるで熱された地面の上にできる陽炎のように、果てしなく広がっていく。
俺のサーベルが、ヘリオスのロングソードを受け止めたことによる現象だった。
グランオーリスの軍から、歓声があがる。
「我が必殺の一撃を受け止めたか。少女といっても侮れん」
「そりゃ、どうもっ!」
重たいロングソードを弾き返す。宙を待ったヘリオスは重厚な鎧の重さを感じさせない軽快な動きで身を翻らせて着地。
「……それは、瘴気か?」
俺の姿を見たヘリオスが、眉間にしわを寄せる。
出し惜しみしている余裕はない。ヘリオスの初撃はマジでやばかったからだ。瘴気の出力を上げなければ受け止められなかった。
セレンが言うには、グランオーリス王はたった一人で一国の軍事力に匹敵する超絶神スキルの持ち主だとのことだ。スキルはエストの神性を色濃く纏っていて、まさに神の領域に片足を突っ込んでいる。
俺は全身に瘴気を纏わせ、サーベルの刀身を瘴気のオーラで覆う。
「ジェルドに魔王の手先がいたのか? 理性を失っているようには見えないが」
「俺はあんたの兄貴みたいな魔人とは違う」
「我が兄サーデュークを知っているとは……何者だ?」
「はは。すこしは話をする気になったか?」
「いや――」
気付いた時には、ヘリオスの剣先が眼前に迫っていた。
そこから放たれた青白い閃光が、極太のレーザービームとなって空間を焼き払う。
「これも避けるか」
俺は首を傾けることで、最小限の動きで回避した。
「俺を殺してこの世界から出るより、説明して納得させた方が早いと思うんだけど」
「さもありなん。では並行して行うこととしよう」
はっ。そうくると思った。
サーベルとロングソードが激しく交差し、衝撃波を生む。お互いに凄まじいパワーとスピード、そしてテクニックを駆使しての剣戟が始まった。
凡人の想像を絶する戦いである。
「名を名乗られよ。ジェルドの女戦士よ!」
「……ノイエ」
この姿でロートスを名乗るのはなんとなく嫌だったので、無難にいくことにする。姿と振る舞いは一貫しておかないとな。
「ジェルドのノイエ。スキルは見事だが、この大軍を前にしてどうする。身を呈して時間稼ぎをするつもりか?」
「勘違いするな。俺はあんたらを守ってやってるんだ」
「守る?」
「魔王が出てきたんだ。戦争なんてやってる場合じゃねぇ。グランオーリスもグレートセントラルもまとめて吹き飛ばされるぞ?」
「それで我が軍を隔離したというわけか。なるほど」
ヘリオスは落ち着いた表情だが、目つきは非常に鋭い。
「キミのその命を尊ぶ姿勢は素晴らしい。けれど今は、魔王が出てきたからこそ戦わねばならないのだ」
「なに?」
「説明している暇はない。今すぐこのスキルを解除せよ」
「どういうことだ」
「時間がないと言った。さっさと解け。さもなくば」
「さもなくば?」
「キミを殺すしかない」
馬の上からヘリオスの姿が消える。
呆けている余裕はなかった。刹那にして眼前に肉薄したヘリオスの剣が、俺の首筋を正確に狙ってきたからだ。
爆音のような金属音が、純白の世界にこだました。空間がうねる。まるで熱された地面の上にできる陽炎のように、果てしなく広がっていく。
俺のサーベルが、ヘリオスのロングソードを受け止めたことによる現象だった。
グランオーリスの軍から、歓声があがる。
「我が必殺の一撃を受け止めたか。少女といっても侮れん」
「そりゃ、どうもっ!」
重たいロングソードを弾き返す。宙を待ったヘリオスは重厚な鎧の重さを感じさせない軽快な動きで身を翻らせて着地。
「……それは、瘴気か?」
俺の姿を見たヘリオスが、眉間にしわを寄せる。
出し惜しみしている余裕はない。ヘリオスの初撃はマジでやばかったからだ。瘴気の出力を上げなければ受け止められなかった。
セレンが言うには、グランオーリス王はたった一人で一国の軍事力に匹敵する超絶神スキルの持ち主だとのことだ。スキルはエストの神性を色濃く纏っていて、まさに神の領域に片足を突っ込んでいる。
俺は全身に瘴気を纏わせ、サーベルの刀身を瘴気のオーラで覆う。
「ジェルドに魔王の手先がいたのか? 理性を失っているようには見えないが」
「俺はあんたの兄貴みたいな魔人とは違う」
「我が兄サーデュークを知っているとは……何者だ?」
「はは。すこしは話をする気になったか?」
「いや――」
気付いた時には、ヘリオスの剣先が眼前に迫っていた。
そこから放たれた青白い閃光が、極太のレーザービームとなって空間を焼き払う。
「これも避けるか」
俺は首を傾けることで、最小限の動きで回避した。
「俺を殺してこの世界から出るより、説明して納得させた方が早いと思うんだけど」
「さもありなん。では並行して行うこととしよう」
はっ。そうくると思った。
サーベルとロングソードが激しく交差し、衝撃波を生む。お互いに凄まじいパワーとスピード、そしてテクニックを駆使しての剣戟が始まった。
凡人の想像を絶する戦いである。
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