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真打ちは遅れて登場する
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それがなんだっていうんだ。
と言えるほど、余裕な状況ではない。
けど実際、俺はこの世界の誰よりも死に慣れている。
そして今も、俺は死を乗り越えて立ち上がるのだ。
俺が墜落した地点には、大きなクレーターが生じていた。そして、視界を埋め尽くす砂塵が舞い上がっている。
自分の状態を確かめるように、ゆっくりと体を起こし、掌を見る。
さっきよりも大きな手だ。どうやら死んだことで変装が解けたらしい。
死ねば万全の状態で蘇る。
ただし、超絶神スキル『ものすごい光』は跡形もなく消滅していた。
スキルを代償に蘇生する。エンディオーネの加護は、まだ俺の中にあったんだ。
「よし」
砂塵が晴れていく様子を捉え、周囲の状況を確認する。
不思議なことに、瘴気の波動は思っていたほど地上に蔓延していなかった。モンスターによる攻撃を防ぐことができているのだろうか。
「マスター!」
頭上からアイリスの声。
ドラゴンから人型に戻っていたアイリスは、くるくると体を翻して俺の隣に着地する。
「アイリス。状況は?」
「五分五分といったところでしょうか。ですが、総崩れとなったところから持ち直した分、こちらの方に勢いがありますわ」
「あそこからよく持ち直したな」
「援軍が参りましたの」
「援軍?」
「ご覧ください」
砂塵が完全に晴れていく。
アイリスの目線の先には、瘴気を纏った数多のモンスター。そしてそのモンスター達は、あろうことか激しい同士討ちの最中にあった。
「仲間割れ……?」
モンスター達は互いに殺し合い、喰らい合い、屠り合っている。その戦いに秩序なんてものはない。ただの乱戦。目についた者に襲いかかる本能的な殺意の応酬だった。
「どういうことだ」
「魔王は瘴気を用い、モンスターを操る。その手段を逆手に取ったのです」
「逆手に?」
「はい。援軍に来られた冒険者の方が、モンスターをテイムし同士討ちをさせたのですわ」
「なるほど。どうりで」
瘴気を纏ったモンスターをテイムするか。
発想がまともじゃない。だが、それくらいじゃないとこの状況を覆すに足る人材じゃないってことか。
「その冒険者っていうのは?」
「あちらに」
アイリスが指さしたのは上空。
そこには、瘴気の尾を引いて飛翔するドラゴンの威容。こちらに向かって急降下してきたかと思うと、ふっと制動をかけて緩やかに着陸した。
俺達の前で翼を畳み姿勢を低くするドラゴン。
「久しいな! わが友よ!」
その上に立っていたのは、長身痩躯の白髪の少年。キラリと光る細い眼鏡と、さわやかスマイルがやけに胡散臭い。
「吾輩が来たからには、もう大丈夫だ!」
成長したヒーモ・ダーメンズの姿が、そこにあった。
と言えるほど、余裕な状況ではない。
けど実際、俺はこの世界の誰よりも死に慣れている。
そして今も、俺は死を乗り越えて立ち上がるのだ。
俺が墜落した地点には、大きなクレーターが生じていた。そして、視界を埋め尽くす砂塵が舞い上がっている。
自分の状態を確かめるように、ゆっくりと体を起こし、掌を見る。
さっきよりも大きな手だ。どうやら死んだことで変装が解けたらしい。
死ねば万全の状態で蘇る。
ただし、超絶神スキル『ものすごい光』は跡形もなく消滅していた。
スキルを代償に蘇生する。エンディオーネの加護は、まだ俺の中にあったんだ。
「よし」
砂塵が晴れていく様子を捉え、周囲の状況を確認する。
不思議なことに、瘴気の波動は思っていたほど地上に蔓延していなかった。モンスターによる攻撃を防ぐことができているのだろうか。
「マスター!」
頭上からアイリスの声。
ドラゴンから人型に戻っていたアイリスは、くるくると体を翻して俺の隣に着地する。
「アイリス。状況は?」
「五分五分といったところでしょうか。ですが、総崩れとなったところから持ち直した分、こちらの方に勢いがありますわ」
「あそこからよく持ち直したな」
「援軍が参りましたの」
「援軍?」
「ご覧ください」
砂塵が完全に晴れていく。
アイリスの目線の先には、瘴気を纏った数多のモンスター。そしてそのモンスター達は、あろうことか激しい同士討ちの最中にあった。
「仲間割れ……?」
モンスター達は互いに殺し合い、喰らい合い、屠り合っている。その戦いに秩序なんてものはない。ただの乱戦。目についた者に襲いかかる本能的な殺意の応酬だった。
「どういうことだ」
「魔王は瘴気を用い、モンスターを操る。その手段を逆手に取ったのです」
「逆手に?」
「はい。援軍に来られた冒険者の方が、モンスターをテイムし同士討ちをさせたのですわ」
「なるほど。どうりで」
瘴気を纏ったモンスターをテイムするか。
発想がまともじゃない。だが、それくらいじゃないとこの状況を覆すに足る人材じゃないってことか。
「その冒険者っていうのは?」
「あちらに」
アイリスが指さしたのは上空。
そこには、瘴気の尾を引いて飛翔するドラゴンの威容。こちらに向かって急降下してきたかと思うと、ふっと制動をかけて緩やかに着陸した。
俺達の前で翼を畳み姿勢を低くするドラゴン。
「久しいな! わが友よ!」
その上に立っていたのは、長身痩躯の白髪の少年。キラリと光る細い眼鏡と、さわやかスマイルがやけに胡散臭い。
「吾輩が来たからには、もう大丈夫だ!」
成長したヒーモ・ダーメンズの姿が、そこにあった。
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