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謎の炎
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「近しいという表現を使いましたが、それは親しいとか距離感が近いとか、そういった意味ではありません。存在としての本質が限りなく同じであるという意味です」
「存在としての本質? ますますわからねぇな。サラは何かわかるか?」
俺の神妙な問いに、サラは気まずそうに首を振った。
「ボクにもさっぱりなのです」
「だよな……」
「でも、想像力を働かせることはできます」
「話してくれ」
「エレノアさんが世界を創りかえた時、ボクもある意味で女神のような存在になりました。裏世界に封じられた僕は、ご主人様のいる世界の様子を探ろうと自分の代わりになる端末を表世界に送り込んだのです」
「端末? それってもしかしてあれか? マザードラゴン」
サラは首肯する。
そうか。マザードラゴンの中でサラと邂逅できたのは、あれがサラが創り出した一種のアバターだったからなのか。
「端末といっても、ボクとまったく同じというわけじゃありません。マザードラゴンは個の意思を持っていました。けれど神性を用いて生み出した以上、本質はボクとほとんど同じなのです」
なるほど。
「なぁ、それってもしかして」
俺は原初の女神を見る。
「ええ。あなたの考えている通りです。マーテリア、ファルトゥール、エンディオーネの三女神も同様です。私から生まれ、個の存在でありながら、本質的には私と同一の概念を有している」
となると、世界樹の内部にあった『ユグドラシル・レコード』もまた、エンディオーネにとってのアバターだったってことだろう。
俺は頭をフル回転させ、知識と状況を整理する。
創造主である神と同じ本質を持つ別個の存在。
女神のアバター。
なるほどなるほど。
だんだん話読めてきましたわ。
サラの言いたいことが、ちょっとずつ分かってきた。
「つまり、エレノアにもそういったアバターみたいな存在がいるかもしれないってことだな。そしてそいつがエレノアの心に直接干渉し、この裏世界に影響を与えているってわけだ」
「でも、これはあくまで仮説に過ぎません」
「いや、案外的を射ているかもしれないぞ」
俺には少なからず、心当たりがある。
だが俺の思考をかき消すように、突如として廊下の絵画が燃え上がった。
「なんだ!」
俺達は一斉に武器に手をかける。
グランオーリス王の一枚絵が燃え上がり、次いで王妃の肖像画にも火が移る。
「セレン……!」
セレンの絵に火が燃え移ってはならない。阻止しなければ。
そんな衝動に駆られる俺は、迷わず虚空から剣を抜き、絵と絵の間の壁を分断した。
斬撃の余波が炎を躍らせる。そして、王城の壁は脆くも斬り崩されていった。
だが炎は消えず、むしろ勢いを増している。このままではセレンの絵にまで被害が及んでしまう。
いや、それどころか、俺達の周囲にまで燃え広がり、瞬く間に城の廊下を燃え上がらせる。
「ロートス。これはただの炎ではありません。この炎を浴びれば、精神体である我々は痕跡も残らず消滅するでしょう」
原初の女神が核心をついた。
は? マジかよ。聞いてねーぞそんなの。
この城が安全だって誰が言ったんだよ。
俺だよ。
サニーが大剣で炎を薙ぎ払おうとするが、炎の勢いはすこしも揺るがなかった。
「存在としての本質? ますますわからねぇな。サラは何かわかるか?」
俺の神妙な問いに、サラは気まずそうに首を振った。
「ボクにもさっぱりなのです」
「だよな……」
「でも、想像力を働かせることはできます」
「話してくれ」
「エレノアさんが世界を創りかえた時、ボクもある意味で女神のような存在になりました。裏世界に封じられた僕は、ご主人様のいる世界の様子を探ろうと自分の代わりになる端末を表世界に送り込んだのです」
「端末? それってもしかしてあれか? マザードラゴン」
サラは首肯する。
そうか。マザードラゴンの中でサラと邂逅できたのは、あれがサラが創り出した一種のアバターだったからなのか。
「端末といっても、ボクとまったく同じというわけじゃありません。マザードラゴンは個の意思を持っていました。けれど神性を用いて生み出した以上、本質はボクとほとんど同じなのです」
なるほど。
「なぁ、それってもしかして」
俺は原初の女神を見る。
「ええ。あなたの考えている通りです。マーテリア、ファルトゥール、エンディオーネの三女神も同様です。私から生まれ、個の存在でありながら、本質的には私と同一の概念を有している」
となると、世界樹の内部にあった『ユグドラシル・レコード』もまた、エンディオーネにとってのアバターだったってことだろう。
俺は頭をフル回転させ、知識と状況を整理する。
創造主である神と同じ本質を持つ別個の存在。
女神のアバター。
なるほどなるほど。
だんだん話読めてきましたわ。
サラの言いたいことが、ちょっとずつ分かってきた。
「つまり、エレノアにもそういったアバターみたいな存在がいるかもしれないってことだな。そしてそいつがエレノアの心に直接干渉し、この裏世界に影響を与えているってわけだ」
「でも、これはあくまで仮説に過ぎません」
「いや、案外的を射ているかもしれないぞ」
俺には少なからず、心当たりがある。
だが俺の思考をかき消すように、突如として廊下の絵画が燃え上がった。
「なんだ!」
俺達は一斉に武器に手をかける。
グランオーリス王の一枚絵が燃え上がり、次いで王妃の肖像画にも火が移る。
「セレン……!」
セレンの絵に火が燃え移ってはならない。阻止しなければ。
そんな衝動に駆られる俺は、迷わず虚空から剣を抜き、絵と絵の間の壁を分断した。
斬撃の余波が炎を躍らせる。そして、王城の壁は脆くも斬り崩されていった。
だが炎は消えず、むしろ勢いを増している。このままではセレンの絵にまで被害が及んでしまう。
いや、それどころか、俺達の周囲にまで燃え広がり、瞬く間に城の廊下を燃え上がらせる。
「ロートス。これはただの炎ではありません。この炎を浴びれば、精神体である我々は痕跡も残らず消滅するでしょう」
原初の女神が核心をついた。
は? マジかよ。聞いてねーぞそんなの。
この城が安全だって誰が言ったんだよ。
俺だよ。
サニーが大剣で炎を薙ぎ払おうとするが、炎の勢いはすこしも揺るがなかった。
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