【完結】悪役令息Ωに転生した僕、「ヒートで襲って婚約破棄」のはずなのに、王子がノリノリで応じてくる

mei@ネトコン13受賞

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第十一話 Ωの幸せに包まれていた※

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思わず息を呑んだ。
服の上から分かるだけでも、大きいし、硬い。

ーーーほしい
ヒートのせいか媚薬のせいか、はたまた両方のせいかはわからないけど。
触れた瞬間に全身の毛穴からフェロモンが溢れ出るみたいに、このαが欲しくなった。

「アレン、いいか」

フレッドが切羽詰まったような声で尋ねる。
いまにも本能に溺れそうな響きだった。
……こんなに狂ってしまう状況でも僕に許可を取るなんて。フレッドは真面目だ。

僕は小さく、こくん、と頷いた。
フレッドはほっとしたように息を吐いて、僕をぎゅうっと抱きしめる。
フレッドの匂い。
落ちついて、どきどきして、きゅんっとする匂い。

「こわいか?」
「……ちょっとこわい」
「じゃあ、また抱きついてろ」

フレッドは下を脱ぎ終わると、両手を広げ「おいで」と囁いた。
僕はフレッドのそばまで近寄って、前からそっと抱きつく。
ぴと、と肌をくっつけると、雄がお腹のあたりでびくりと動いた。

「……フレッドも興奮してるんだね」
「誰のせいだよ」

フレッドは半ば呆れたようにふふっと笑った。
そうだった。この禁断魔術だってヒートだって、僕のせいだった。
ごめん、と謝ると、額にちゅっ、と軽いキスを落とされた。

「お前が可愛いからだ」

フレッドは愛おしそうに、僕の髪を撫でる。
僕は呆然とフレッドの顔を見つめてしまった。
かわいいなんて、言われるとは思わなかった。



「いれるぞ」
「え、うん……」

僕はフレッドがあぐらをかいているところにまたがった。
フレッドは僕の身体を支えながら、孔にぴたりと肉棒をくっつけた。

ぐぐぐ、と、ゆっくり、肉棒が入ってくる。
途端にゾクゾクとした快感が襲ってきて、フレッドにしがみついた。
粘液が硬いのでこすられる。ぬちゃ、と、静かな音が響いた。

「……っぁ、あっ………」
「大丈夫だ。つかまってろ」
「んっ、んぅっ……、ぅんっ」

体中の血管が一気に広がったみたいに、フェロモンが全身を駆け巡る。刺激でビクビクと跳ねる。フレッドの首に抱きついて、込み上げてくる快感に耐えた。
きゅうっと唇を噛んでいると、フレッドは瞳を柔らかく細めた。
ぜんぶはいった、と掠れた声で囁かれる。
僕はそれだけで、胸の奥が切なくなった。

「うごくぞ」
「えっ、……あ、あああっ、あっ、ぁんっ」

がつん、と下から突き上げられた。
今までとは段違いの衝撃が込み上げた。咄嗟にしがみつく力を強める。
フレッドも僕を抱きしめ返す。そして肉棒を孔に力強く穿った。自分を刻みつけるように。
あああ、ああっ、甘い叫び声がこぼれる。
口の端から唾液が零れて、でもそんなのにかまってられないくらい、ぐちゃぐちゃになった。

「アレン、アレンッ……!」
「ああっ、あっ、あんっ、だ、だめっ、あっ、やぁっ!」
「俺の、俺のだ、俺の番だ……!」

フレッドの腕の力が強くなる。全身が軋むくらい、強い。
頭が真っ白になるなか、フレッドの声がずっと響いていた。
”俺の番”ーーー、
本当にフレッドの相手が僕でいいのか、わかんないけど、でも、
僕はーーーー
体の奥底から、Ωとしての喜びが込み上げてきた。
"大好きなαに求められている"。

すき、すき、フレッド、すき。
うわごとのように零すと、フレッドは僕にキスをする。舌を絡めて、噛みつくようなキス。

「好きだ、アレン。絶対、離さないから」

すぐ近くで見つめる瞳は、ぎらぎらと、本能に燃えていた。
僕はうっとりする瞳で見つめ返す。うん、と頷いて、フレッドに全身を委ねる。
激しい律動が繰り返され、フレッドは一段と強く腰を打ち付けた。
最奥に熱いものがほとばしる。満たされていく。
僕も背を反らせ、精液を飛ばした。




ぐったりした身体で、フレッドにもたれかかる。は、は、と、呼吸が荒かった。
頭がぼーっとする。だめだ、動けない。
フレッドは僕の身体を抱き留め、そして、僕をベッドにうつ伏せで横たわらせた。

僕のうなじに顔を寄せてーー
がぶり、と噛んだ。

「んっ」

途端に体中のフェロモンが反応する。
目の奥がチカチカ光って、体中が熱くなって、燃えるみたいで。
そっと口を離され、フレッドが後ろから僕を抱きしめた。

「……これで、俺たちは番だ、アレン」
「うん…………」
「もう離さない。どこにも行くな」

フレッドの腕が強い。
そして、噛んだばかりのうなじを丁寧に舐める。慈しむみたいに。
僕は全然現実感がなくて、でも、
不思議と、幸せで満たされる感覚だけが、残っていた。






「……やっちゃった」

僕はそのまま寝落ちしたらしい。
目が覚めると、べたべたの身体は清められていたし、寝間着に着替えさせられていた。
誰がやったかって、そんなのフレッドしかいない。

時間的にはまだ夜だ。気を失ってたのは一時間とかそれくらい、なんだけど。
部屋を見渡すと、フレッドはいなかった。

(ーーーーどうしよう、後悔してるのかな)

僕は寝間着をきゅうと掴んだ。
本当は、ここで僕たちは結ばれちゃいけない。
……フレッドが幸せになるルートを、僕が潰してしまった。
さっきまで幸福感に包まれていたのに、急に冷水をぶっかけられたみたいに怖くなった。

一度番ったら番の解消はできない。フレッドは僕の番として生きていくことになる。
フレッドは……、これでよかったんだろうか。

フレッドが今この部屋にいないのが答えなんじゃないかって気がしてくる。
もしかして、媚薬魔法が切れて、冷静になって、後悔してーーーー
とてつもない不安感に苛まれる。
うつむいて、目の奥から涙が込み上げてきた。




「ーーーアレン?」

ガチャ、と扉が開いて、フレッドが入ってきた。
僕はフレッドの顔を見て、安堵と不安と、嬉しさと苦しさで、情緒がとうとうぐちゃぐちゃになった。

「な、なんで泣いて……、痛いのか? どこか、苦しいのか?」

フレッドは急いでベッドまで駆けてきた。不安そうな顔で覗き込む。
僕は涙をぼろぼろと零しながら首を左右に振る。
痛くないけど、でも、止まらない。

「じゃあ、どうして泣いてるんだ」
「……おきたら、フレッドがいなかったからっ!」

わあっ、と子どもみたいに叫んでしまった。
フレッドは口をぽかんと開ける。
僕はその勢いでまくしたてた。

「やっぱ、フレッドが、後悔してたら……! だって、だって、僕が、僕がむりやりっ……! 僕がフレッドの幸せを、壊したからっ!」
「……は?」
「ごめんなさいっ! ぼくのせいでっ! うわぁあっ!」

考えがまとまらない。思いついたことばっかり叫んでしまった。
フレッドは慌てる僕の背中をぽんぽんと優しく叩く。子どもをあやすみたいに。
そういえば、小さい時もこうやってあやされたことがある。

「いなくなって悪かった。ほら、ちゃんと帰ってきただろ」
「うっ……ぐすっ、ぅぅっ……」
「泣くな。目が腫れるぞ」

その手つきが優しくて、僕は、また涙が零れてくる。
フレッドに抱きついて、子どもみたいに、わんわん泣いていた。
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