【完結】政略婚約された令嬢ですが、記録と魔法で頑張って、現世と違って人生好転させます

なみゆき

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(中身アラフィフ、外見15歳)



 エドワルドと私の婚約は、ただの政略婚。
 ロマン? 愛? そんなもの、最初から存在していない。

(彼が欲しいのは、私の技術、成果、利益。私は、ただの“お金を吐き出すだけのATM”よ。恋人じゃなくて“利益生産装置”)


表向きは「婚約者」。 
学園では、貴族同士の将来を約束された関係として扱われる。

(ええ、将来は約束されてるわ。“私が搾取される未来”っていうね)


でも私は、ずっと婚約を解消したいと思い続けている。 
だから、解消に向けて、彼の不誠実な行動の証拠を集めるため記録を始めた。 
ミレーヌとエドワルドの行動を、静かに、冷静に。


この世界は“聖女劇場”。 脚本:作者、主演:ミレーヌ
被害者:全員。 王宮、学園、神殿
――ミレーヌが微笑めば空気が変わり、囁けば心が揺れる。

(まるで乙女ゲームのヒロイン。しかも“選択肢:ミレーヌを褒める”しかないバグ仕様)


作者は、ミレーヌだけが幸せになるように世界を設計していて、 巻き込まれた人々の心情なんて、考えていない。

(前世で私は、こういう“ヒロイン系”に仕事押し付けられまくった。“私だけが頑張ってる”って言いながら、周囲に丸投げするタイプね)


◇◇◇

 ミレーヌは平民として生まれ、「聖女の印」を持つ者として神殿に召し上げられ、子爵家の養女になった。 それだけでもシンデレラストーリー。 
さらに王宮に招かれ、王子レオンとイザベラの婚約発表のお茶会で、男子たちの心を一網打尽。

(ええ、婚約発表の場で“ヒロイン登場”。それ、もはや略奪イベント)

彼女の言葉には不思議な力が宿っているらしい。 
手相を見ただけで、人の未来を語ることができる。

(未来が見える? じゃあ自分が“聖女”じゃなくて“魔力干渉者”ってバレる未来も見えてる?)


学園の生徒、先生、王宮の人々、神殿の関係者たちは彼女を崇め、 王様は彼女を「国の宝」と呼んだ。

(宝っていうより寧ろ盗むのが得意な“泥棒”)


でも、ミレーヌの“聖女たる力”の正体は誰も知らない。 聖なるものか、悪なるものか――それすら不明。


前世で私は、自己中心的な人々に振り回され、介護と仕事の板挟みで精神的にすり減った。 
感謝されず、責められ、壊れかけていた。

(“頑張ってるアピール”だけは一流の人たちに囲まれて、私は“黙って働く便利屋”だった)

でも、今は違う。 自分の身を守るために証拠を残している。 二度と誰かに搾取されないようにするために。ミレーヌの魔力反応、言動、周囲の変化。 そして、自分の気持ちも。


◇◇◇

 学園の空気が私にとって嫌なものに変わったのは、ほんの数日前。
廊下で交わされる視線。教室で囁かれる声。
食堂で交わされる嘲笑。すべてが、私に向けられていた。

「セレナって、なんか婚約者でもない男性と学校が終わった後、会ってるらしいわ」 
「婚約者がいるのに、自分から会いに行くなんて…どれだけ男好きなの?」 
「婚約者のエドワルド様、かわいそう」

(かわいそうなのは私よ。政略婚で搾取されて、浮気の濡れ衣まで着せられて。しかも“かわいそう”って言われるのは加害者)


浮気の噂。
それは、エドワルドが流した“婚約破棄の口実”だった。
彼は私を“裏切り者”に仕立て上げた。 
リュシアンとの関係を歪め、学園に噂を流した。 
ミレーヌの気を引くために。彼女が好きそうな“マウントの構図”を作るために。

(そして私が有責となれば、賠償として私の特許の利権を奪える。ええ、恋愛じゃなくて“利権争奪戦”よ)


ミレーヌは、私を見て微笑んだ。

「セレナ様、最近お元気がないですね。…ああ、愛しの彼が学園にいなくて寂しいのかしら?」


その言葉に、周囲の女子たちが笑った。

(“聖女スマイル”でマウント取ってくるスタイル。しかも“無自覚”を装ってるのが一番タチ悪い)


私は、何も言わなかった。 記録装置は、彼女の言葉と魔力の揺れを、すべて記録していた。



 ◇◇◇

その日の放課後、私はリュシアンに話した。

「エドワルドが、私があなたと浮気しているような噂を広めているの。ミレーヌの気を引くために」

「それは…最低な奴ですね。大丈夫ですか、セレナさん?」

「大丈夫よ。むしろありがたいわ。これで、ミレーヌが私にマウントを取るために近づいてくると思うの。そしたら彼女の“反応”をもっと短期間で集められるわ」


リュシアンは、静かにうなずいた。

「相変わらず、セレナさんは強いですね。きっと彼女の仮面を剥がす、鍵になりますよ」



ー記録補足:学園内の浮気の噂と婚約破棄の策略
・婚約の実態:政略婚。愛情なし。目的は発明の利益
・噂の発信源:エドワルド。婚約破棄の口実として、浮気の噂を流布
・ミレーヌの反応:マウント発言あり。魔力反応記録済み
・学園の空気:私が孤立。記録は継続中。王妃・イザベラとは別ルートで連携
・ペンを置いたとき、私は確かに“怒り”を感じていた。


まるで「自分が被害者です」と言わんばかりに、 浮気者ほど自分の真実を歪めて、さらに人の噂として周囲に吹聴する。
•誰と何があったかを匂わせる
•自分が“弱者”かのように語る
•相手の行動を誇張して伝える


…そんな“噂の拡散”が、まるで自己紹介と言わんばかりに、拡散させる。


(ええ、まるで“被害者ポジション争奪戦”。しかも、演技力だけは一流。前世で見たわよ、“私だけが頑張ってる”って言いながら、周囲に仕事丸投げする人)


学園の空気は、ミレーヌの“聖女フィルター”で歪んでいる。
 彼女が微笑めば、罪が浄化される。彼女が囁けば、嘘が真実になる。

(それ、もはや“魔力付きの言い訳製造機”。しかも、キラキラ加工済み)



ー記録補足:噂の構造と拡散パターンー 
・発信者:エドワルド。目的は婚約破棄と利権奪取 
・拡散方法:匂わせ・誇張・被害者アピール 
・受信者:学園の女子たち。ミレーヌの“聖女スマイル”で信じ込む 
・影響:セレナ孤立。記録装置は魔力反応を継続記録中


ペンを置いたとき、私は確かに“怒り”を感じていた。 でも、叫ばない。泣かない。ただ、記録する。

(感情は一時は武器になる。でも、記録は盾になる。私は、盾を強化する)


この世界が、誰か一人の幸せのためだけに作られているなら、 そんな世界は、壊したほうがいい。

(“聖女劇場”の幕を下ろすのは、記録者のペンよ)


翌日、私はリュシアンに新しい記録装置の改良を依頼した。 魔力反応の即時解析と、言語干渉の自動検出。

「セレナさん、次は“言葉の魔力”を数値化します。彼女の発言がどれだけ影響を与えているか、見えるように」

「ありがとう、リュシアン。あなたの魔法が、私の目になる」

「君の目は、誰よりも真実を見てる。だから、僕はそれを支えたい」

(その言葉、前世で一度でも聞けてたら、私の人生、もうちょっとマシだったかもね)



ー記録補足:装置改良と次段階ー 
・装置:魔力反応即時解析+言語干渉検出機能付き 
・協力者:リュシアン。術式設計・魔力調整 
・目的:ミレーヌの言動の影響力を数値化し、王妃への提出資料に強化 
・状況:学園内の空気は悪化。記録は継続。王妃ルートとイザベラルートで情報収集中
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