17 / 21
17.執事長side
しおりを挟む
三年後――
オエル坊ちゃま、いえ、当家の旦那様が結婚してから早三年。一時はどうなる事かと思われましたが、今では旦那様も心を入れ替え奥様を大切にされております。ですが、問題が全て解決したと言う訳ではありません。お二人は未だに清い関係を維持されたまま。
しかも……。
「その話は本当か?」
「はい。如何しましょう……」
メイド長からの相談。
それはアリックス様の事だった。
奥様はメイド長に「別居をするので準備をお願いする」と告げてきた。
寝耳に水の話に最初は驚いたメイド長であったが、奥様の話を詳しく聞くと、結婚当初からの条件の一つだと言うではないか!更に詳しく聞いたところ、「三年になっても子供が出来なければ大抵の家は離婚か、もしくは愛人をつくるものだわ。まぁ、旦那様に離婚の意志はないし。もっとも自分の子供をつくる意志すらないわ。養子を持つと当初からの条件ですもの。その養子を選び養育するのは旦那様のお仕事で他家の私は参加しない事になっているの。養子の子供の養育関係で別居をする事が約束ですからね。そろそろ滞在先を決めないといけないわ」と奥様が笑っておられたようだ。
その様な話、私は旦那様からは全く聞いておりませんでした。
いえ、そもそも今の旦那様は奥様との婚姻契約を覚えていないのでは?奥様のお話によれば、婚姻契約には「別居をする事は本人の決めた日で。ただし結婚三年目から三年以内の間に伯爵家を退去する。ただし、希望があれば別宅は用意する」としか明記されてないとか。
これは一度、旦那様に確認しなくてはいけない。
そう思い行動に移したのですが。結果は最悪の展開でした。旦那様は全く覚えておらず、それどころか婚姻契約をした事自体忘れ去っている様子で……。
「そんな事よりも、今年の結婚記念日は何を贈ろうかな!」
笑顔で言う旦那様に一瞬、奥様の勘違い発言だったのでは?と思ったほどでした。そんな筈はないのに。私は頭を抱えてしまった。何とかしなければならないと思いながらも良い案が浮かばぬ日々。
そして、ついにこの日が来てしまいました。奥様はこのお屋敷には二度と帰って来なくなったのです。ただ、律儀な奥様は屋敷の者達一人一人に挨拶をして出て行かれたのでした。
本当に出来た奥方様です。
オエル坊ちゃま、いえ、当家の旦那様が結婚してから早三年。一時はどうなる事かと思われましたが、今では旦那様も心を入れ替え奥様を大切にされております。ですが、問題が全て解決したと言う訳ではありません。お二人は未だに清い関係を維持されたまま。
しかも……。
「その話は本当か?」
「はい。如何しましょう……」
メイド長からの相談。
それはアリックス様の事だった。
奥様はメイド長に「別居をするので準備をお願いする」と告げてきた。
寝耳に水の話に最初は驚いたメイド長であったが、奥様の話を詳しく聞くと、結婚当初からの条件の一つだと言うではないか!更に詳しく聞いたところ、「三年になっても子供が出来なければ大抵の家は離婚か、もしくは愛人をつくるものだわ。まぁ、旦那様に離婚の意志はないし。もっとも自分の子供をつくる意志すらないわ。養子を持つと当初からの条件ですもの。その養子を選び養育するのは旦那様のお仕事で他家の私は参加しない事になっているの。養子の子供の養育関係で別居をする事が約束ですからね。そろそろ滞在先を決めないといけないわ」と奥様が笑っておられたようだ。
その様な話、私は旦那様からは全く聞いておりませんでした。
いえ、そもそも今の旦那様は奥様との婚姻契約を覚えていないのでは?奥様のお話によれば、婚姻契約には「別居をする事は本人の決めた日で。ただし結婚三年目から三年以内の間に伯爵家を退去する。ただし、希望があれば別宅は用意する」としか明記されてないとか。
これは一度、旦那様に確認しなくてはいけない。
そう思い行動に移したのですが。結果は最悪の展開でした。旦那様は全く覚えておらず、それどころか婚姻契約をした事自体忘れ去っている様子で……。
「そんな事よりも、今年の結婚記念日は何を贈ろうかな!」
笑顔で言う旦那様に一瞬、奥様の勘違い発言だったのでは?と思ったほどでした。そんな筈はないのに。私は頭を抱えてしまった。何とかしなければならないと思いながらも良い案が浮かばぬ日々。
そして、ついにこの日が来てしまいました。奥様はこのお屋敷には二度と帰って来なくなったのです。ただ、律儀な奥様は屋敷の者達一人一人に挨拶をして出て行かれたのでした。
本当に出来た奥方様です。
230
あなたにおすすめの小説
〖完結〗あんなに旦那様に愛されたかったはずなのに…
藍川みいな
恋愛
借金を肩代わりする事を条件に、スチュワート・デブリン侯爵と契約結婚をしたマリアンヌだったが、契約結婚を受け入れた本当の理由はスチュワートを愛していたからだった。
契約結婚の最後の日、スチュワートに「俺には愛する人がいる。」と告げられ、ショックを受ける。
そして契約期間が終わり、離婚するが…数ヶ月後、何故かスチュワートはマリアンヌを愛してるからやり直したいと言ってきた。
設定はゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全9話で完結になります。
【完結】私の事は気にせずに、そのままイチャイチャお続け下さいませ ~私も婚約解消を目指して頑張りますから~
山葵
恋愛
ガルス侯爵家の令嬢である わたくしミモルザには、婚約者がいる。
この国の宰相である父を持つ、リブルート侯爵家嫡男レイライン様。
父同様、優秀…と期待されたが、顔は良いが頭はイマイチだった。
顔が良いから、女性にモテる。
わたくしはと言えば、頭は、まぁ優秀な方になるけれど、顔は中の上位!?
自分に釣り合わないと思っているレイラインは、ミモルザの見ているのを知っていて今日も美しい顔の令嬢とイチャイチャする。
*沢山の方に読んで頂き、ありがとうございます。m(_ _)m
白い結婚を捨てた王妃は、もう二度と振り向かない ――愛さぬと言った王子が全てを失うまで』
鍛高譚
恋愛
「私は王妃を愛さない。彼女とは白い結婚を誓う」
華やかな王宮の大聖堂で交わされたのは、愛の誓いではなく、冷たい拒絶の言葉だった。
王子アルフォンスの婚姻相手として選ばれたレイチェル・ウィンザー。しかし彼女は、王妃としての立場を与えられながらも、夫からも宮廷からも冷遇され、孤独な日々を強いられる。王の寵愛はすべて聖女ミレイユに注がれ、王宮の権力は彼女の手に落ちていった。侮蔑と屈辱に耐える中、レイチェルは誇りを失わず、密かに反撃の機会をうかがう。
そんな折、隣国の公爵アレクサンダーが彼女の前に現れる。「君の目はまだ死んでいないな」――その言葉に、彼女の中で何かが目覚める。彼はレイチェルに自由と新たな未来を提示し、密かに王宮からの脱出を計画する。
レイチェルが去ったことで、王宮は急速に崩壊していく。聖女ミレイユの策略が暴かれ、アルフォンスは自らの過ちに気づくも、時すでに遅し。彼が頼るべき王妃は、もはや遠く、隣国で新たな人生を歩んでいた。
「お願いだ……戻ってきてくれ……」
王国を失い、誇りを失い、全てを失った王子の懇願に、レイチェルはただ冷たく微笑む。
「もう遅いわ」
愛のない結婚を捨て、誇り高き未来へと進む王妃のざまぁ劇。
裏切りと策略が渦巻く宮廷で、彼女は己の運命を切り開く。
これは、偽りの婚姻から真の誓いへと至る、誇り高き王妃の物語。
平民の方が好きと言われた私は、あなたを愛することをやめました
天宮有
恋愛
公爵令嬢の私ルーナは、婚約者ラドン王子に「お前より平民の方が好きだ」と言われてしまう。
平民を新しい婚約者にするため、ラドン王子は私から婚約破棄を言い渡して欲しいようだ。
家族もラドン王子の酷さから納得して、言うとおり私の方から婚約を破棄した。
愛することをやめた結果、ラドン王子は後悔することとなる。
【完結】ずっと、ずっとあなたを愛していました 〜後悔も、懺悔も今更いりません〜
高瀬船
恋愛
リスティアナ・メイブルムには二歳年上の婚約者が居る。
婚約者は、国の王太子で穏やかで優しく、婚約は王命ではあったが仲睦まじく関係を築けていた。
それなのに、突然ある日婚約者である王太子からは土下座をされ、婚約を解消して欲しいと願われる。
何故、そんな事に。
優しく微笑むその笑顔を向ける先は確かに自分に向けられていたのに。
婚約者として確かに大切にされていたのに何故こうなってしまったのか。
リスティアナの思いとは裏腹に、ある時期からリスティアナに悪い噂が立ち始める。
悪い噂が立つ事など何もしていないのにも関わらず、リスティアナは次第に学園で、夜会で、孤立していく。
結婚式をボイコットした王女
椿森
恋愛
請われて隣国の王太子の元に嫁ぐこととなった、王女のナルシア。
しかし、婚姻の儀の直前に王太子が不貞とも言える行動をしたためにボイコットすることにした。もちろん、婚約は解消させていただきます。
※初投稿のため生暖か目で見てくださると幸いです※
1/9:一応、本編完結です。今後、このお話に至るまでを書いていこうと思います。
1/17:王太子の名前を修正しました!申し訳ございませんでした···( ´ཫ`)
そう言うと思ってた
mios
恋愛
公爵令息のアランは馬鹿ではない。ちゃんとわかっていた。自分が夢中になっているアナスタシアが自分をそれほど好きでないことも、自分の婚約者であるカリナが自分を愛していることも。
※いつものように視点がバラバラします。
【完結】愛したあなたは本当に愛する人と幸せになって下さい
高瀬船
恋愛
伯爵家のティアーリア・クランディアは公爵家嫡男、クライヴ・ディー・アウサンドラと婚約秒読みの段階であった。
だが、ティアーリアはある日クライヴと彼の従者二人が話している所に出くわし、聞いてしまう。
クライヴが本当に婚約したかったのはティアーリアの妹のラティリナであったと。
ショックを受けるティアーリアだったが、愛する彼の為自分は身を引く事を決意した。
【誤字脱字のご報告ありがとうございます!小っ恥ずかしい誤字のご報告ありがとうございます!個別にご返信出来ておらず申し訳ございません( •́ •̀ )】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる