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第一章
19.包青side
しおりを挟むオレの想いも裏腹に捜査は難航した。
数時間経っても見つからなかった。
いくら何でも時間がかかり過ぎている。杏樹の身が心配になるものの手掛かりすら見つかっていない現状では打つ手がない。ただ無駄に時間だけが過ぎていった。
夕暮れ時になり、漸く杏樹らしき侍女を見かけたという女官の証言を得ることが出来た。
その証言に、オレや捜査にあたってた者達は喜びを露にしたが、続けられた言葉に誰もが言葉を失った。
「私が見た時は侍女一人ではありませんでした。数名の女人に運びこまれていたんです。どうも、気を失っていたようで……私はてっきり病人を運んでいるものだとばかり思っていたんです」
「間違いないか?」
「彼女の赤い髪は目立ちます!間違える筈ございません」
そう断言されてしまえばそれ以上は何も言えない。しかも意識の無い状態だというではないか。そうなると尚更見つけ出すことは困難を極めるだろうことは容易に想像がつく。オレ達は再び捜索を開始したのだが一向に見つかる気配はなく夜になってしまった。このままだと杏樹の命に関わるかもしれないと焦りを覚えたその時だった。皇帝陛下が突然オレの前に現れたのは。
「包青、喜べ!朗報だぞ」
陛下が現れたことに驚く間もなく伝えられた報告の内容に、今度は別の意味で驚愕する事となった。なんと、杏樹が見つかったというのだ。それも怪我もなくピンピンとしている状態で。
一体何故?どうやって見つかったんだ!? 混乱するオレとは対照的に陛下はとても嬉しそうだった。
「実に愉快な娘だ。まさか自力で脱出するとはな。しかも運まで味方しているぞ」
監禁場所から逃げ出した杏樹は丁度、彼女を探していた皇帝直属の諜報部隊の一員に遭遇して保護してもらったとは。これでもう大丈夫だと言うと陛下は早々に姿を消してしまったのだが残されたオレはまだ困惑したままその場に立ち尽くしてしまった。けれど直ぐに我に帰ると杏樹の元に駆け出した。
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