26 / 27
番外編
4.恩恵
しおりを挟む
姉が公式愛妾になったお陰で我が家は多大なる恩恵を受けた。
はっきり言って、レーゲンブルク公爵夫人の名前なんて必要ない。
陛下は姉に“ボルドー公爵夫人”の称号と、領地、屋敷。姉との間に生まれた子供達にも“殿下”の敬称を贈った程だ。
元々、ワイン産業で財を成した家だ。
シャトール侯爵領はワインの産地として有名で、昔から上質なワインを生産していた。
ワインのお得意様は、王族や貴族だ。高値で取引されている。
特に王族への贈り物として喜ばれていた。
そこに姉が陛下から贈られた領地。
内陸部だが運河が幾つも流れている。ワインを加工する上でも適した土地だ。港もある。交易港として栄えている街だ。その街の郊外にワインの蒸留所を造れば、一大産業になるだろう。
更には領地の外れにある森を開拓して牧場にすれば、乳牛も飼育出来る。ワインにあう加工品も作れる。
私が考えついたのだ。
当然、姉はとっくに思いついていた。
更に、シャトール侯爵家との事業提携を陛下に願い出た。
陛下は二つ返事で了承した。姉が陛下の寵姫だから、ということもあるだろうが。
事業提携には、当然だが利益も絡んでくる。
シャトール侯爵領とワイン産業の提携だ。
この事業により、我が家は莫大な利益を得ることになるだろう。
そう、レーゲンブルク公爵家との事業提携など比べるまでもない程に。
姉が陛下の寵姫でなければ、レーゲンブルク公爵家と縁を断ち切ることはできなかっただろう。
事業で結びついた関係。それは永遠ではない。
五年、十年と契約更新を繰り返さなければならない。
利益にならないものは切り捨てる。事業とは、そういうもの、だ。
つまるところ、我が家はレーゲンブルク公爵家と手を切る良い機会を得られたということだ。
「これでようやく……か」
父は感慨深げに呟いた。
「はい。ようやく」
私は父に同意する。
これでやっと、あの男と縁を切れるのだ。
甥の廃嫡と、その死によって。
はっきり言って、レーゲンブルク公爵夫人の名前なんて必要ない。
陛下は姉に“ボルドー公爵夫人”の称号と、領地、屋敷。姉との間に生まれた子供達にも“殿下”の敬称を贈った程だ。
元々、ワイン産業で財を成した家だ。
シャトール侯爵領はワインの産地として有名で、昔から上質なワインを生産していた。
ワインのお得意様は、王族や貴族だ。高値で取引されている。
特に王族への贈り物として喜ばれていた。
そこに姉が陛下から贈られた領地。
内陸部だが運河が幾つも流れている。ワインを加工する上でも適した土地だ。港もある。交易港として栄えている街だ。その街の郊外にワインの蒸留所を造れば、一大産業になるだろう。
更には領地の外れにある森を開拓して牧場にすれば、乳牛も飼育出来る。ワインにあう加工品も作れる。
私が考えついたのだ。
当然、姉はとっくに思いついていた。
更に、シャトール侯爵家との事業提携を陛下に願い出た。
陛下は二つ返事で了承した。姉が陛下の寵姫だから、ということもあるだろうが。
事業提携には、当然だが利益も絡んでくる。
シャトール侯爵領とワイン産業の提携だ。
この事業により、我が家は莫大な利益を得ることになるだろう。
そう、レーゲンブルク公爵家との事業提携など比べるまでもない程に。
姉が陛下の寵姫でなければ、レーゲンブルク公爵家と縁を断ち切ることはできなかっただろう。
事業で結びついた関係。それは永遠ではない。
五年、十年と契約更新を繰り返さなければならない。
利益にならないものは切り捨てる。事業とは、そういうもの、だ。
つまるところ、我が家はレーゲンブルク公爵家と手を切る良い機会を得られたということだ。
「これでようやく……か」
父は感慨深げに呟いた。
「はい。ようやく」
私は父に同意する。
これでやっと、あの男と縁を切れるのだ。
甥の廃嫡と、その死によって。
800
あなたにおすすめの小説
残念ながら、定員オーバーです!お望みなら、次期王妃の座を明け渡しますので、お好きにしてください
mios
恋愛
ここのところ、婚約者の第一王子に付き纏われている。
「ベアトリス、頼む!このとーりだ!」
大袈裟に頭を下げて、どうにか我儘を通そうとなさいますが、何度も言いますが、無理です!
男爵令嬢を側妃にすることはできません。愛妾もすでに埋まってますのよ。
どこに、捻じ込めると言うのですか!
※番外編少し長くなりそうなので、また別作品としてあげることにしました。読んでいただきありがとうございました。
最後のスチルを完成させたら、詰んだんですけど
mios
恋愛
「これでスチルコンプリートだね?」
愛しのジークフリート殿下に微笑まれ、顔色を変えたヒロイン、モニカ。
「え?スチル?え?」
「今日この日この瞬間が最後のスチルなのだろう?ヒロインとしての感想はいかがかな?」
6話完結+番外編1話
〖完結〗私の事を愛さなくても結構ですが、私の子を冷遇するのは許しません!
藍川みいな
恋愛
「セシディには出て行ってもらう。」
ジオード様はいきなり愛人を連れて来て、いきなり出て行けとおっしゃいました。
それだけではなく、息子のアレクシスを連れて行く事は許さないと…
ジオード様はアレクシスが生まれてから一度だって可愛がってくれた事はありませんし、ジオード様が連れて来た愛人が、アレクシスを愛してくれるとは思えません…
アレクシスを守る為に、使用人になる事にします!
使用人になったセシディを、愛人は毎日いじめ、ジオードは目の前でアレクシスを叱りつける。
そんな状況から救ってくれたのは、姉のシンディでした。
迎えに来てくれた姉と共に、アレクシスを連れて行く…
「シモーヌは追い出すから、セシディとアレクシスを連れていかないでくれ!!」
はあ!? 旦那様は今更、何を仰っているのでしょう?
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全11話で完結になります。
男爵令息と王子なら、どちらを選ぶ?
mios
恋愛
王家主催の夜会での王太子殿下の婚約破棄は、貴族だけでなく、平民からも注目を集めるものだった。
次期王妃と人気のあった公爵令嬢を差し置き、男爵令嬢がその地位に就くかもしれない。
周りは王太子殿下に次の相手と宣言された男爵令嬢が、本来の婚約者を選ぶか、王太子殿下の愛を受け入れるかに、興味津々だ。
いいえ、望んでいません
わらびもち
恋愛
「お前を愛することはない!」
結婚初日、お決まりの台詞を吐かれ、別邸へと押し込まれた新妻ジュリエッタ。
だが彼女はそんな扱いに傷つくこともない。
なぜなら彼女は―――
教養が足りない、ですって
たくわん
恋愛
侯爵令嬢エリーゼは、公爵家の長男アレクシスとの婚約披露宴で突然婚約破棄される。理由は「教養が足りず、公爵夫人として恥ずかしい」。社交界の人々の嘲笑の中、エリーゼは静かに会場を去る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる