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「菜々子ちゃんの忘れものが、俺に最高のきっかけを与えてくれたよ。これからいっぱい美味いもの食べさせてあげるから」
「そんなこと言ったら毎日来ちゃいますよ?」
菜々子は平野の腕の中で甘えながら、自分は平野に何をしてあげられるのだろうか、と考えた。
「じゃあ時々手伝ってほしいなぁ」
「手伝うって……私がですか?」
「得意の飴色玉ねぎ」
「もうっ、やだぁ~。当分の間言われちゃいそうですね」
「一生言ってやるから」
「ひどーい! 平野さん、本当に私のこと好きなんですかぁ?」
悪戯な笑みを浮かべる平野に、口を尖らせながら抗議の眼差しを向けた。
「菜々子ちゃんは、俺に色んな作用を与えてくれるオールスパイス、かな」
「なんですかそれ」
「オールスパイスは、ひとつで三種類の香りを併せ持つスパイスだよ」
「へえ」
「菜々子ちゃんは、癒しと刺激と活力を与えてくれるから。……俺には必要不可欠な存在なんだ」
その言葉に、菜々子はこの上ない幸せを感じた。
「可愛くて格好いい菜々子ちゃんがすげぇ好きだよ」
甘く微笑んだ平野の顔がゆっくりと近付く。
初めてのキスは大好きなハンバーグ味だった。
【完】
「そんなこと言ったら毎日来ちゃいますよ?」
菜々子は平野の腕の中で甘えながら、自分は平野に何をしてあげられるのだろうか、と考えた。
「じゃあ時々手伝ってほしいなぁ」
「手伝うって……私がですか?」
「得意の飴色玉ねぎ」
「もうっ、やだぁ~。当分の間言われちゃいそうですね」
「一生言ってやるから」
「ひどーい! 平野さん、本当に私のこと好きなんですかぁ?」
悪戯な笑みを浮かべる平野に、口を尖らせながら抗議の眼差しを向けた。
「菜々子ちゃんは、俺に色んな作用を与えてくれるオールスパイス、かな」
「なんですかそれ」
「オールスパイスは、ひとつで三種類の香りを併せ持つスパイスだよ」
「へえ」
「菜々子ちゃんは、癒しと刺激と活力を与えてくれるから。……俺には必要不可欠な存在なんだ」
その言葉に、菜々子はこの上ない幸せを感じた。
「可愛くて格好いい菜々子ちゃんがすげぇ好きだよ」
甘く微笑んだ平野の顔がゆっくりと近付く。
初めてのキスは大好きなハンバーグ味だった。
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