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十一話
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「倫君? 私の気持ち伝わってなかった? 私、倫君のこと大好きなんだよ。きっと倫君の『麻里絵愛』が大きすぎて、私の気持ちが隠れちゃってたんだね」
そう言って麻里絵が倫也の胸に顔を埋めると、倫也は両手で優しく抱きしめた。
「体調は大丈夫? 一昨日……しちゃったけど」
耳元で倫也が言った。
「うん。平気だよ」
麻里絵はクスッと笑った。
「俺、ずっと不安だったんだ。麻里絵の笑顔を見てても、麻里絵と身体を重ねて幸せを感じてても、ふとあの日の麻里絵の言葉が頭を過って――」
「今も?」
麻里絵が顔を上げて聞いた。
「今は――」
と言って、倫也ははにかんだ。
「今は?」
もう一度聞く。
「今は、今までで一番の幸せと麻里絵の愛を感じてる」
そう照れながら言った倫也の頬を、麻里絵は両手で優しく包んだ。
「倫君? 愛情注ぎっぱなしだと無くなっちゃうよ」
「えー? そんなことないだろ……」
「でもね、その時は継ぎ足すから『足りない』ってちゃんと言ってね」
「うん。そうするよ」
「倫君。ずっと傍にいるよ。約束する」
【完】
そう言って麻里絵が倫也の胸に顔を埋めると、倫也は両手で優しく抱きしめた。
「体調は大丈夫? 一昨日……しちゃったけど」
耳元で倫也が言った。
「うん。平気だよ」
麻里絵はクスッと笑った。
「俺、ずっと不安だったんだ。麻里絵の笑顔を見てても、麻里絵と身体を重ねて幸せを感じてても、ふとあの日の麻里絵の言葉が頭を過って――」
「今も?」
麻里絵が顔を上げて聞いた。
「今は――」
と言って、倫也ははにかんだ。
「今は?」
もう一度聞く。
「今は、今までで一番の幸せと麻里絵の愛を感じてる」
そう照れながら言った倫也の頬を、麻里絵は両手で優しく包んだ。
「倫君? 愛情注ぎっぱなしだと無くなっちゃうよ」
「えー? そんなことないだろ……」
「でもね、その時は継ぎ足すから『足りない』ってちゃんと言ってね」
「うん。そうするよ」
「倫君。ずっと傍にいるよ。約束する」
【完】
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