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第二章―魔法国家フォルトゥナ 『魔導師に潜む闇』
73-4.これからの為の話
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「西ね。なら西端の街、ニュイを目指すことになるかな」
ノアの指がフォルトゥナの西端へ向かう。
そこはフォルトゥナ内では大きい方に分類される街だ。また、国境沿いには大きな湖が広がっていることがその地図から見て取れる。
「ニュイはアンティークや魔導具の売買が盛んな場所だね。宝石店なども多いし、貴族主体のオークションなんかも定期的に開かれている。収集家である他国の貴族が足を踏み入れたりする姿もよく見られるらしい」
白い指は更に地図の上を滑り、湖を指し示した。
「隣国への移動はこの湖の上に掛かる橋を渡るか船かという感じかな」
「そういえば、馬車を置いてきてしまいましたね」
「回収は……諦めるべきだなぁ」
「ああー……。霧の件が落ち着いたら女将さんに話しておくよ。俺も学校の馬取りに行かないといけないし」
移動手段の話題が上がったところで馬車を宿屋に置き去りにしてしまったことに気付いたが、馬車の回収の為だけにわざわざ魔族へ近づくのは悪手だ。
クリスティーナ達は馬車を諦めることにした。
「では一先ずニュイへ向かうという事でよさそうですね」
「ええ」
「出立の時期ですが……。正直、これが作用する内に可能な限り移動しておきたいところではありますね」
「ああ、ちょっと待って。できれば明日まではここに居て欲しいんだ」
次の目的地の擦り合わせを終え、変わらず西進するという今後の方向性を確立する。
目的地を決めたとなれば次に気にすべきは出立の時間だ。リオは身に着けているブレスレットを見つめながら今すぐにでも移動したいところだと自分の意見を述べるが、それにノアが待ったをかけた。
「アレット先生はとても優秀な魔導師だ。先生なら君の魔力を抑え込む方法も思いつくかもしれない。一度会ってみて欲しいんだ」
「一応以前もお会いしたかと思いますが……」
「あの時はほら、バタついてたし……しっかり観察するような場じゃなかっただろう。もう一度彼女に会ってみた上で仮に解決策を見つけられなかったとしても、何かしらの助言は望めると思うんだ」
どうすべきか、とリオがクリスティーナへ視線を向ける。
確実に解決策を得られるとは限らない状況で、ブレスレットが作用する残り時間の半分を費やしてしまってもいいものか。リオは判断に困っているようだ。
決定を委ねられたクリスティーナは少し考える。
ノアの指がフォルトゥナの西端へ向かう。
そこはフォルトゥナ内では大きい方に分類される街だ。また、国境沿いには大きな湖が広がっていることがその地図から見て取れる。
「ニュイはアンティークや魔導具の売買が盛んな場所だね。宝石店なども多いし、貴族主体のオークションなんかも定期的に開かれている。収集家である他国の貴族が足を踏み入れたりする姿もよく見られるらしい」
白い指は更に地図の上を滑り、湖を指し示した。
「隣国への移動はこの湖の上に掛かる橋を渡るか船かという感じかな」
「そういえば、馬車を置いてきてしまいましたね」
「回収は……諦めるべきだなぁ」
「ああー……。霧の件が落ち着いたら女将さんに話しておくよ。俺も学校の馬取りに行かないといけないし」
移動手段の話題が上がったところで馬車を宿屋に置き去りにしてしまったことに気付いたが、馬車の回収の為だけにわざわざ魔族へ近づくのは悪手だ。
クリスティーナ達は馬車を諦めることにした。
「では一先ずニュイへ向かうという事でよさそうですね」
「ええ」
「出立の時期ですが……。正直、これが作用する内に可能な限り移動しておきたいところではありますね」
「ああ、ちょっと待って。できれば明日まではここに居て欲しいんだ」
次の目的地の擦り合わせを終え、変わらず西進するという今後の方向性を確立する。
目的地を決めたとなれば次に気にすべきは出立の時間だ。リオは身に着けているブレスレットを見つめながら今すぐにでも移動したいところだと自分の意見を述べるが、それにノアが待ったをかけた。
「アレット先生はとても優秀な魔導師だ。先生なら君の魔力を抑え込む方法も思いつくかもしれない。一度会ってみて欲しいんだ」
「一応以前もお会いしたかと思いますが……」
「あの時はほら、バタついてたし……しっかり観察するような場じゃなかっただろう。もう一度彼女に会ってみた上で仮に解決策を見つけられなかったとしても、何かしらの助言は望めると思うんだ」
どうすべきか、とリオがクリスティーナへ視線を向ける。
確実に解決策を得られるとは限らない状況で、ブレスレットが作用する残り時間の半分を費やしてしまってもいいものか。リオは判断に困っているようだ。
決定を委ねられたクリスティーナは少し考える。
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