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第一楽章 手紙を書く女-Allegro con brio-
1-10 終わりなき物語(4)
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女性が告白するのを聞いて、セシルが口を開いた。
「じゃあ、あの狐はウィショーさんのうちの子?」
「ええ」
ウィショー夫人が申し訳なさそうに頬笑んだ。
パーシィはその手を取って、椅子にエスコートした。彼女は慣れた様子で腰かけた。
「では、幽霊の仕業じゃあなかったんですね……!」
依頼人は目に見えてほっとしていた。
探偵が自分の席につくと、女装少年が彼の耳にかじりついた。
「てか、パーシィ!」
「なんだい?」
「ウィショーさんをどこで捕まえてきたのさ?」
「とんでもない。毎晩、決まった時間に仔犬と散歩をするご婦人がいると、守衛の男が言っていただろう。もしやと思って声をかけた。それがウィショー夫人だっただけだ」
「やっぱり、こそこそしてた。ずるい」
大きなひそひそ話を引き継いだのは、貴婦人だった。
「探偵さんからお話を聞いてわたしがしてしまった事の大きさを知ったのです。幽霊や妖精の仕業と思わせてしまいどんどんと衰弱させてしまった。大切な夢を叶える時期と伺って……」
夫人が男子学生に詫びている傍らで、パーシィはもう一つセシルに耳打ちをした。
「ウィショー夫人から話を聞いていたときに、君の歌が聴こえた」
少年は訝しげに口を尖らせる。
「〈土のクラント〉は大地のリズムを呼び起こすから正確には歌じゃなくて音楽。でも、ちょっと。なんでパーシィが〈六つのマナの歌〉を聴けるのさ?」
「しっ。それはあとだ」
パーシィは遮る。
「それでは、事の次第を最初から話していただけるだろうか、マダム?」
「じゃあ、あの狐はウィショーさんのうちの子?」
「ええ」
ウィショー夫人が申し訳なさそうに頬笑んだ。
パーシィはその手を取って、椅子にエスコートした。彼女は慣れた様子で腰かけた。
「では、幽霊の仕業じゃあなかったんですね……!」
依頼人は目に見えてほっとしていた。
探偵が自分の席につくと、女装少年が彼の耳にかじりついた。
「てか、パーシィ!」
「なんだい?」
「ウィショーさんをどこで捕まえてきたのさ?」
「とんでもない。毎晩、決まった時間に仔犬と散歩をするご婦人がいると、守衛の男が言っていただろう。もしやと思って声をかけた。それがウィショー夫人だっただけだ」
「やっぱり、こそこそしてた。ずるい」
大きなひそひそ話を引き継いだのは、貴婦人だった。
「探偵さんからお話を聞いてわたしがしてしまった事の大きさを知ったのです。幽霊や妖精の仕業と思わせてしまいどんどんと衰弱させてしまった。大切な夢を叶える時期と伺って……」
夫人が男子学生に詫びている傍らで、パーシィはもう一つセシルに耳打ちをした。
「ウィショー夫人から話を聞いていたときに、君の歌が聴こえた」
少年は訝しげに口を尖らせる。
「〈土のクラント〉は大地のリズムを呼び起こすから正確には歌じゃなくて音楽。でも、ちょっと。なんでパーシィが〈六つのマナの歌〉を聴けるのさ?」
「しっ。それはあとだ」
パーシィは遮る。
「それでは、事の次第を最初から話していただけるだろうか、マダム?」
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