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第1部

3:神様、普通ってお願いしませんでしたっけ!?

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文字を覚えた。

当然書庫に行った。

少なかったので2週間で読み切った。

魔法の使い方等々を覚えた。

当然使ってみたくなった。




……で、現在に至る。



何かといえば、うれしくない力を知ってしまった。



この世界には”魔属性”というのがあって、「火・水・地・風・緑・空間・光・闇・天・無」の10属性がある。

ふつう一人3つあればいい方で、5つあればで国に15人くらいの逸材だ。



このくだりで分かると思うが、みなさんお察しの通り、私は全属性でしたね…。

全属性なんて3000年前の勇者以来だとか。



・・・・・・ファラウザーさん、私、”普通に”っておねがいしたような気がするのですが!?



もう全く普通ではない。

どうしろというんだ、どうしろと。

こういう時に限ってファラウザーさんからの返答がない。

わかりやすく逃げている!!




しかーし!ここでへこたれるわけにはいかない!今まで味方だと思っていた神様に見放されようとも!


(み、見放したわけじゃないぞ。ミスだ、ミス…)



あ、見放されてはなかったらしい。

って、またミスですか!?

ファラウザーさん、あなたミスしすぎなんじゃないですか?

私の”普通”は神様が奪っているのですか、えぇ?



(うぐっ…。)



神様は落ち込んでしまったらしい。

意外と自分のミスについて悩んでいるのかもしれない。

言い過ぎたかなぁ。



神様はしばらく放っておいて、これ、どうしよう。知られるのは私のへいおんライフに影響が出る。間違いなく世界に注目される。




隠そう。



大丈夫。きっと……。



あ゛、5歳の洗礼式で知られるじゃん。全然大丈夫くないじゃん。



でも…、今まで見たことのなかった魔法に興奮したのも事実。

できれば使ってみたいなーって思ってしまっていたりもする。



どうする?どうすれば?




(それなら隠蔽魔法を使えばよいのではないか?)



神様、復活。そんなことよりも、隠蔽魔法?



(闇属性があるだろう?隠蔽魔法でその測定機に出る魔属性や魔力なんかは偽装できるぞ?)



神が神々しく見えます!あなた、神様なのですね!



(今までの私はなんだったのだ…)




あ、でもこうしなくちゃいけなくなったのって、元をたどればこの人のせいなのでは??



(ぎくぅ…)



まぁ、隠蔽魔法で洗礼式をやり過ごすことができそうだ。

となれば、心配なく魔法を使えるかもしれない。人がいないところでやってみよう。










そうして毎日2時間、お昼寝の時間に人がいなくなった隙を見て、魔法の練習をすること2年。洗礼式を迎える前に、すでに”普通”ではなくなっていた。

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