目指せへいおんライフ!……波乱万丈なんて望んでない!!

おいしいクルミ

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第1部

29:……私、人間ですよね? 人間界に帰ります

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こうしてなんだかんだ言いつつも、特訓を続けること2年。




……そう、2年である。




時間間隔が消えているというのは恐ろしいもので、そして魔法を使う楽しさに毎日充実していたために、いつの間にか2年もたっていた。




ソフィアナさんが、「うん、特訓これで終わりでいいわね。」といって、ふと、どのくらいやってたんだろ、3か月くらい?と気になったので聞いたら、まさかの2年。




わたし、9歳も終わりに近づいてる!?




そして、特訓の成果、ステータスはこうなった。




名前:エレナ

種族:人族?精霊?半神?

性別:女

年齢:9

属性:火・水・地・風・緑・空間・光・闇・天・無

Lv:327(+310)

HP:651(+1)

MP:167367(+109017)

STR:682(+2)

ATK:752(+2)

VIT:301(+1)

DEF:780(+220)

RES:323(+3)

DEX:635(+5)







えっと、つっこみどころ満載なのですよ。

つっこんでいいですか?

つっこみますね?




どうしてあんなにきついランニング毎日、しかも2年もやったのにHP1しか増えてないんですか!?




成長して10歳児の平均、900くらいだそうですが!?




ランニングしてないお子様方にも負けるんですが!?




物理攻撃の練習とかしてないからSTRとATKが2しか増えてないのはまあいいけど、……ソフィアナさんによると成長と同時に増えるらしいから、やっぱりもうちょっと増えてほしかったけど!




他のに比べて、MP、魔力、おかしいでしょ!?何3倍くらいになってるんです!?




しかも、500の3倍、とかかわいらしいものじゃないから、万単位だから!




10歳児の魔力平均、800くらいだそうですが!?約239倍ですが!?




生命力と抵抗力、精霊さんくらいなんですが!?人間、1000は超えるらしいですよ?普通?




あ、と、いっちばんきになるの、種族なんですよ!!




種族、人族?精霊?半神?、って、なんなの!?




いや、人間だからね?てか、せめて一つに絞ろうよ!!







……はぁ




私、どうなるんですかね、これ。













特訓が終わったといわれた次の日の朝、さっそく人間界に戻ることになった。

というのも、2年間依頼を受けていないから冒険者登録をし直さないといけなくなってしまうことや、10歳になったら何たら学園の入試を受けるとかの話をギルドでしたにもかかわらず、もうすぐで、あと3か月で10歳になってしまうことに気が付き、あわててソフィアナさんに相談したからである。




「これ、もっていって?」




そういってソフィアナさんが渡してくれたのは小さめの転移の魔道具だ。




「これには、もうここの転移地登録は済ませてあるわ。それ以外に14個登録できるから、それ以外は好きにして頂戴。悪魔素の問題は、あの日から――――――2年前からほとんど変わっていなくて、まだ手がかりもつかめていないの。何かわかったらすぐに知らせるから、その時は来てもらえる?あと、精霊界に来たのに、ここと精霊丘と特訓場しか言ってないでしょ?まあ、暇なときにいろいろなところを見てもいいかもしれないわ。」




「ありがとうございます!また遊びに来ますね!」




「ええ、たまになら来ていいわよ。あ、登録の仕方は、登録したいところにこれを置いて、そのまま魔力を流すだけよ。それから、これも、もっていって?」




ソフィアナさんが次に取り出しのは、マジックバック。




「この中に必要そうなもの、入れておいたから。」




まるで子を送り出す母。

ソフィアナの心境はそんな感じだった。

精霊にとって2年は短い期間だ。しかし、ソフィアナにとってこの2年はとても濃く、疲れるものの充実した日々だった。

ソフィアナの中でエレナは大事な人認定されたのである。




「本当に何から何までありがとうございます!大切にします!!」




「気を付けるのよ?」




「はい!あ、こっちでも悪魔素とかに関係しそうなこと、できる範囲で調べてみます。」




「無理はしないでほしいけれど、ありがたいわ。」




「がんばりましょうね!」




「そうね。―――――――さ、ここに魔力流して。」




ソフィアナが人間界につながる魔法陣を書く。




言われたとおりに魔力を流していくと、来た時と同じように視界がぐにゃりとゆがんだ。




「ありがとうございました!」




私がそう言い終わるか終らないか、わたしは人間界に戻っていた。




ただ、出発した時の場所ではなく、どこかの町の門の傍の木の影だった。

ソフィアナさんが気を使ってくれたのだろう。




2年ぶりの人間界。

というか、2年ぶりにソフィアナさん以外の人を見た!

正確にはソフィアナさんは精霊だから2年ぶりに人を見たことになる。




まあ、2年いた、って感覚はないんだけどね。







さて、まずは冒険者ギルドに行ってみないと。

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