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第2部
44:暗号の解読②
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宿を出て、歩きながら町を見ると、豚解体祭りに向けての賑わいが、より一層高まっていて、みんなにこにこして動き回っている。
なんだか私まで気持ちが高まってくる。
お祭り、どんなのなんだろう。
名前だけ聞くと―――――ルールを聞いても―――――本当に楽しいの?って思ってしまうけれど、町の人には一年のビックイベントであるこのお祭りは、待ちに待った、っていうかんじなんだろう。
特に男の人からは、熱い声がよく聞こえる。
「絶対優勝するぞ!今年こそ彼女をつくってやる!!」
「あ?優勝するのは俺だっての。ピアナ嬢を振り向かせてみせる!」
「お前、ピアナちゃん狙ってんの?いや、無理だろ、どう考えてもおれの方がお似合いじゃん?」
「あ゛ぁ゛?」
……お、主に独身男性の声が強い、かな。
ていうか、ピアナって、ギルド女職員Aさんだよね。
モテるんだね。
確かにかわいかったし。
「あんた、スパイスはどっさりあるんだ、豚、たくさんとってこなきゃ承知しないよ!」
「お、おちつけよ。とれるって決まってないのにそんなに買ったのか!?」
「食費削減のチャンスだろう!少しでも多くとってこれるように安心させてやったんだよ!」
「ねぇ、ほかの人たちに負けないでよ?今月と来月の食費が浮くこの機会、私と結婚したからには、絶対に逃さないでよ!」
「わ、わかってるって。ま、まかせろ!」
……き、既婚者の男の人は、奥さんの圧がすごいね。
奥様方の食費削減の熱意は素晴らしいわ……。
ま、まあ、とにかく町が盛り上がってる。
ホイット商会は、この市場を抜けたあたりにある。
きのう一回通ったし、単純な道だから迷わない!
そうして市場を眺めているうちにホイット商会の目の前までたどり着いた。
ライアン君は、どこにいるのかな?
お店の中に入ると、レイさんが商品を並べているところだった。
きのう私が言ったことはすべてやってみたらしく、特売品がとても目立っているし、お客さんがたくさんかごに入れている様子が見える。
「すみません、ライアン君はどこにいますか?」
「おや?昨日の御嬢さん!昨日はどうもありがとう!!言われたとおりにやってみたら、今日来たお客さんのほとんどがついでに、と買っていったよ。うちで働かないかい?僕の秘書とかでもいいと思うんだけど。」
「お役にたてたのなら、よかったです。けれど、私はやらなければならないことがあるので、せっかく誘っていただきましたが遠慮させていただきます。」
「そうか、残念だよ。あ、ライアンだったね。たぶん4階の自分の部屋にいるんじゃないかな?行ってみてくれる?」
「ありがとうございます。お仕事、がんばってください!」
コンコンコン
階段を上がってライアン君の部屋をノックする。
「んー?だれだ?」
「エレナです!入っていいですか?」
「いいよ、勝手に入って。」
ライアン君の部屋に入ると、ライアン君は荷物の準備の真っ最中だった。
「けっこーはやかったな。どうしたんだ?」
「暗号を考えてたんだけど、いろいろ不思議なことになって、今の有力候補は”セール地Bサッバネレントお73” なんだ。サッバネレントっていうところ、ある?」
「セール地!?それホントなのか?」
「どっかの国の、サッバネレントのお73っていうところでセールやってます。お73は、”お”から始まる地名のところの73番目のお店のこと。みたいな意味かな?いや、ホントかどうかは分からないよ?」
「暗号でそんなこと伝え合うことってあんの?」
「だよね……。あ、『新しいところか?』 『言わせるな、当たり前だ。使うことはないだろうが、念のためだ。』っていう会話してたから、そのお店が何か怪しいのかも?」
「むりやりじゃね?」
「あ、やっぱり?」
「サッバネレント、ってとこがあるかはわかんねーから、兄貴にきいてみよーぜ。で、あったら可能性はまあ、あるから行ってみるか?」
「正解かわからないのに?」
「目的地がねーんだから可能性あるとこに行くべきだろ?」
「確かにね。」
「じゃ、聞きに行くか。」
「サッバネレント?えっと――――――あ、アレスチア王国にあったよ。」
なんだか私まで気持ちが高まってくる。
お祭り、どんなのなんだろう。
名前だけ聞くと―――――ルールを聞いても―――――本当に楽しいの?って思ってしまうけれど、町の人には一年のビックイベントであるこのお祭りは、待ちに待った、っていうかんじなんだろう。
特に男の人からは、熱い声がよく聞こえる。
「絶対優勝するぞ!今年こそ彼女をつくってやる!!」
「あ?優勝するのは俺だっての。ピアナ嬢を振り向かせてみせる!」
「お前、ピアナちゃん狙ってんの?いや、無理だろ、どう考えてもおれの方がお似合いじゃん?」
「あ゛ぁ゛?」
……お、主に独身男性の声が強い、かな。
ていうか、ピアナって、ギルド女職員Aさんだよね。
モテるんだね。
確かにかわいかったし。
「あんた、スパイスはどっさりあるんだ、豚、たくさんとってこなきゃ承知しないよ!」
「お、おちつけよ。とれるって決まってないのにそんなに買ったのか!?」
「食費削減のチャンスだろう!少しでも多くとってこれるように安心させてやったんだよ!」
「ねぇ、ほかの人たちに負けないでよ?今月と来月の食費が浮くこの機会、私と結婚したからには、絶対に逃さないでよ!」
「わ、わかってるって。ま、まかせろ!」
……き、既婚者の男の人は、奥さんの圧がすごいね。
奥様方の食費削減の熱意は素晴らしいわ……。
ま、まあ、とにかく町が盛り上がってる。
ホイット商会は、この市場を抜けたあたりにある。
きのう一回通ったし、単純な道だから迷わない!
そうして市場を眺めているうちにホイット商会の目の前までたどり着いた。
ライアン君は、どこにいるのかな?
お店の中に入ると、レイさんが商品を並べているところだった。
きのう私が言ったことはすべてやってみたらしく、特売品がとても目立っているし、お客さんがたくさんかごに入れている様子が見える。
「すみません、ライアン君はどこにいますか?」
「おや?昨日の御嬢さん!昨日はどうもありがとう!!言われたとおりにやってみたら、今日来たお客さんのほとんどがついでに、と買っていったよ。うちで働かないかい?僕の秘書とかでもいいと思うんだけど。」
「お役にたてたのなら、よかったです。けれど、私はやらなければならないことがあるので、せっかく誘っていただきましたが遠慮させていただきます。」
「そうか、残念だよ。あ、ライアンだったね。たぶん4階の自分の部屋にいるんじゃないかな?行ってみてくれる?」
「ありがとうございます。お仕事、がんばってください!」
コンコンコン
階段を上がってライアン君の部屋をノックする。
「んー?だれだ?」
「エレナです!入っていいですか?」
「いいよ、勝手に入って。」
ライアン君の部屋に入ると、ライアン君は荷物の準備の真っ最中だった。
「けっこーはやかったな。どうしたんだ?」
「暗号を考えてたんだけど、いろいろ不思議なことになって、今の有力候補は”セール地Bサッバネレントお73” なんだ。サッバネレントっていうところ、ある?」
「セール地!?それホントなのか?」
「どっかの国の、サッバネレントのお73っていうところでセールやってます。お73は、”お”から始まる地名のところの73番目のお店のこと。みたいな意味かな?いや、ホントかどうかは分からないよ?」
「暗号でそんなこと伝え合うことってあんの?」
「だよね……。あ、『新しいところか?』 『言わせるな、当たり前だ。使うことはないだろうが、念のためだ。』っていう会話してたから、そのお店が何か怪しいのかも?」
「むりやりじゃね?」
「あ、やっぱり?」
「サッバネレント、ってとこがあるかはわかんねーから、兄貴にきいてみよーぜ。で、あったら可能性はまあ、あるから行ってみるか?」
「正解かわからないのに?」
「目的地がねーんだから可能性あるとこに行くべきだろ?」
「確かにね。」
「じゃ、聞きに行くか。」
「サッバネレント?えっと――――――あ、アレスチア王国にあったよ。」
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